3・映画・DVD

 初日は混んでるだろうと思い一週ずらし尚且つ平日映画館に行きし腹積もりであったが知人より「岳観にいかまい」とて誘いありたるをもってならばと本日行きたり。そこそこに混みたりて真ん中の席をとお願いしたらば結構前の列に陣取る事に相成り候。

予告映画の中にはめまぐるしく動き回る(これを躍動感と呼称するには無理が祟る)ものとかがあって、そのパッパと変わるシーンの洪水に目がついていけずこりゃ参ったなと席のせいかと思ったがいざ本編が始まるとじっくりとした映像で大丈夫だった。(つまり目が痛くなるのは場所のせいではなくそういうお作りの映画のせい。)

岳はおだやかな映像といえるのかもしれない。しかして映し出されし光景(人々の行い)は日常を超越していて半端なし。もっとも作為的に派手にせずとも背景是れ美景なれば無駄な画の動きは不要ともいえる哉。

単純に観終わっての感想は、これシリーズでいけるな、次を観たいな。というもの。(もちろんリピーターになりうる内容でまた観に行くかもしれないが。)

この作品では救助する側が主に描かれていたから次回作は(があるならば)救助される側からの視点から映る三歩や久美の姿を主に描いて欲しいなあと思える。

尚、一回しか観ていないのでいつにもまして意味不明な感想ではありますが。って今日に始まった事じゃなくいつものことか。ところで最近滅多に映画の感想書かなくなったけど観なくなった訳じゃなくて観たもの全部書いてたら底の浅い感想しか書けないくせに金返せ的発言が多くなってしまうのでそれじゃあなんだかなあと思えてきたのとホントに好いと感じたものだけにしようと思ったので。つまり岳は好きだと思えたということ。

そもそも観ようと思った動機は

カラピナやロープとは縁の無いなんちゃって山ハイカーとしては自分が行けない処からの山の景色を愛でたい。

原作の岳が好きだから。

地元の優「長澤まさみ」が出てるから。

といった理由が言い訳として浮かんでくる。まあホントのところは直感でこれはいいんじゃないのか?と思えたからに他ならないのであるが。

この映画を宣伝すべくさんざっぱら番宣で色んな番組でのバラエティゲストジャックを小栗さんと長澤さんがこらしょとしていたんだけど、不思議とストーリーとかが明かされていなかった。そんな込み入ったちょっとでも話したらネタバレになりかねないような展開なのかなと思ったりもしてたが。

観終わって思った事はこりゃ確かに映画の魅力を口で伝えれらるもんじゃないわと。視なくちゃ伝わらないものが映ってる。しかもこれがまた深いんだよな。多くを語ろうにも語るより観よだなと得心がいった。

「また山においでよ」という台詞にしたって散々な目に遭いながらもまた登るってことがどんだけ勇気のいることか、そんな相手に酸いも甘いも知り尽くした上で発する、しかも朗らかにというのは言う方も勇気が要るよな。観光地じゃないんだから山は。誰にでも言える台詞じゃないだけにそう言える三歩という人間の土台がしっかり映されてたからこそ説得力あるところ。

「良く頑張った」はけだし名言だよな。ホント頑張らないとすぐお陀仏だもんな山は。ただしそう言われて頑張りの糸が切れてこれにて頑張り終了で後は依存の方向に引っ張られたら家に着くまでが遠足という鉄則を忘れさせてしまう魔力のある言葉でもあり誰が言ってもいいってもんじゃない訳で。病院での「病院ですよ大丈夫ですよ」と言うのとはまた違うまだまだ難関ありという状態での掛ける言葉としては「大丈夫」とか「後は任せろ」ではなくさあもうひと頑張りという勢い大事なんだけどそれがよく出てたな。久美はそれが言えなくて頬に平手打ち食らわせてたけど。まあやっぱ特異なんだろうな得意の言葉とかじゃなくてこう言えるってのは。

まあどちらかというと台詞で酔わせるんじゃなくその態度で魅了するんだから三歩の魅力は番宣では伝えようがないのは確かで観なきゃ分からんわな。

で、島崎三歩の印象といったらとにかく明朗快活・馬力満ち溢れんばかりというのが思い浮かぶところでそれは小栗三歩に於いてもそのイメージが壊れることなく滲んでいた。小栗三歩の馬力感はアリだと思った。

原作が好きだから映画も観たということでは違和感なく岳の世界を満喫出来愉しめた。

山の景色を愛でたいという点に於いては雲海の夕暮れは美しいけど山の景色は実際歩いて地面に足ついて見渡す景色こそ美しけれと思っていて、「劔岳」でそれを満喫できただけに空撮が気になったな。三歩の躍動感や疾走感を表わすには適していたけど。景色を愛でるという点においては人間を愛でる方に重きをなしていた比重かなと思えちょい微妙な満足感。

「長澤まさみ」はどうだったかというと、佳かった。足が長過ぎないか?(容姿が山屋に見えない)とは思えたがそれは因縁をつけるに近い感想なので置いといて、人物像が活きてたな。原作とは阿久津との関係がひっくり返ってたけど新米が似合うのということなのかな。三歩が太鼓判を押したプロの久美というのを観てみたいとぞ思ひけり。久美の成長記という側面も多分に要素としてありその移り変わりがきちんと出てた風に思えた。

そんで次があるのなら個人的には原作にあった、休みの日にバーゲンに行こうとしてたのに呼び出しがかかってぶ~垂れながらも山に行くというシーンを観てみたい。

まあとにかく、これは!と反応した直感は正しかったな。山で遭難者を助ける。苦難に見舞われても己を信じて助ける。身も蓋もないことを言ってしまえばただそれだけのお話しなんだけど、しかしてただ困難に立ち向かう勇気を愛でるものではない。

伝えようというメッセージはなんぞやと訊かれてもよう分からん。けど、晴れやかな気分になってよし明日も頑張ろうという余韻が観終わって漂うことは確かだよな。

三歩は山に捨てちゃいけないものはふたつあると言っていたけどちまちました悩みとかは捨ててきてもいいんだよな。まあ山に登る事で解消されるって事で捨ててる訳じゃないだろうけど、

この映画のメッセージは、なんで山に登るんだ?=なんで岳を観るんだ?が同じという山に登った時(映画鑑賞中)と下山後の余韻(観終わった余韻)を同じように味わえるということなのかな。答えは人それぞれだろうきっと。自分は山に行くと元気というか一度オールクリアでリセットできる新鮮感(リフレッシュ感)が魅力なんだけど。

そういえばパンフには原作者さんが「元気」というのがこの映画の無言のメッセージなのかなと述べられてたけど確かに終始「元気」だよな。「覇気」・「精気」とも映ったけど。三歩からおすそ分けを貰えてるということもあるやも。

いずれにせよお仕着せのような明確なメッセージではないところが心地良くもある哉。だからといってメッセージ二の次で兎にも角にも娯楽性に徹してるとかいうような柔なものじゃない。山はそんな甘くない。全編CGやセットとかだったら違った印象になるだろうけど実際山に立つというだけで柔さは吹っ飛んで硬派と映る説得力がある。

印象に残ったのは橋を渡る三歩のシーン。攻撃(インパクト)は反復してこそ成果が出るってか。陸に上がった河童状態とはこの事かと人間味に笑えた。

餅は餅屋、山は山屋ってか。「馬鹿」はその道一筋の人間への褒め言葉というのはいい事だと思う。なんでもそこそここなすのも大事だけど他は駄目でもこれだけはというのを有してる人はやっぱ格好いいなと思えるところ。

ところで緊迫感煽らせたら佐々木蔵之介ホント秀逸だよな。

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剱岳 点の記 DVD その1

「画が口ほどに物を言う」。

本編は勿論の事、特典映像「木村大作の春夏秋冬フィルムライブラリー」というのがホント凄い。なんなんでしょうねえこの迫りくる物は。「詩情を撮る」と謳われてますけどこれ観ちゃったら普通にテレビに映ってる「けっこい」景色が霞んじゃうというか心動かなくなっちゃいますわ。「綺麗」とかいう言葉じゃ言い表せない何かが刺さってきますです。これだけでも商売出来るに違いないのに特典映像で出し惜しみなしというのは太っ腹というか。こちらとしては得したと言うか儲けた気分というか、ありがたやありがたやという気持ちで一杯ですわ。ケチらんでレジェンドボックス買って大正解でしたわ。

私も昔なんちゃって山登ラーだったんで3.000m級の山々は何度か登ったことありまして。その拙い経験値からすると、こげな珠玉の景色がお目にかかれることはまずもってねえでがんすよホント。息がしんどい寒い足痛い落ちたら死ぬぞとかいう自分が生きてる事と向き合うだけでホント精一杯で景色は見えていても心の奥ではそれどころじゃないというせいかも知れませんがね。とにかく己の身の事よりも撮るんだ視るんだという強い信念がなくちゃとても無理でんがな。

山の他にも様々な景色がありまして、特に荒波しぶく凛とした厳しさの景色は凄かったなあ。お花畑にそよぐ風も確かに映っていたし。

えらく感動してしまいましたわ。映像特典で感動したのは初めてですわ。

 で、肝心の本編につきまして。

映画館で二度ほど観に行ったのでどうしてもそれと較べて観てしまうというせこい根性でありますが。率直な印象を述べると。

前半部分は映画館で観た方が映えた気がして、雪山部分になると途端にDVDの方がええがあという気がしたんだがに。

行者さんを担いで下山する沢沿いのシーンとかなどの雨風凄まじきシーンなどは私の家のテレビの性能によるせいでありましょうが視認しづらいものでありました。映画館ではもう少しくっきり観えた気がするんですけんど。

駅に迎えに行って家に向かうまでの道中握り飯を頬張るシーンでは映画館では美味しそうに観えたんですがDVDで観るとあまりそうは思わんかったですちゃ。

逆に雪山でのくっきり加減は映画館で観たよりもその奥行きが増した勢いでこんなに美しかったっけと改めて感じ入ったという感じでしたちゃ。

内容につきましては観た感想をどうたらこうたら御託並べるのは映画館で観た時の感想書いてますんで特に新たに追加で書くことはないですし、オーディオコメンタリーはまだおそぎゃーくて挑戦してませんが(なにせ監督自らが述べておられるようなので)私が感じた頓珍漢な感想述べてもね。

公開前から凄い楽しみにしていて封切になってから二度映画館で観て満足して、DVD発売したらば初日に飛びついて。今こうして二度ほどDVD見続けて満喫してるんですけど。やはりこの作品は愉しめますです。

この映画はその愉しみ方が普通に見慣れてる映画とは異なる気がするので誰にでも勧めれるものではないのかもしれませんが、私はハマリました。

で、やっぱり山登りにわくわくしつつ草鞋編んで準備してるシーンがいっちゃん好きなのは相変わらずな私です。

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紙兎ロペ

 映画じゃないけれどそそられたものがありまして、それは東宝シネマズに映画を観に行くと映画が始まる前に観れるギフトムービーなるもの。その名も「紙兎ロペ」。

その効能は、刺激的なシーンを寄せ集めて観る者に期待を煽る予告編の乱れ打ちという中においてそれらとは真逆の超まったりとした2分弱のぬるい落ち着きを与えてくれる。

鷹の爪のマナーCmもいいけどそれはそれこれはこれといった趣でいいなあ。兎に角気持ちが弛むというかまったりして落ち着ける。

先輩?の横暴が鼻につくとかしたら厭だけどそうでなければ楽しいなこれ。

それと喋り方がなんか静岡県人っぽく聞こえるのは気のせいだろうか。すんごく身近に感じる喋り方だ。

個人的には今日観た海辺で佇んでる光景のものが好きだ。信号待ちでゲームのも面白かったな。で、踏み切りでのものはあまり好きじゃなかったな。

ところで何作あるんでしょうねこの「紙兎ロペ」って。

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曲がれ!スプーン

 一遍観ただけでなんやかんや言うのは趣旨に反するので本筋に関しての感想はDVDとかで観直ししてから書こうということで、ここでは率直安直な感想と頓珍漢な感想を。

 素直に浮かんだ印象は、とてもストレートな一所懸命に夢を信じて頑張る人への応援画だなあと。米ちゃんの想いがとても素直で可愛いなと感じましてでありました。

元は舞台のお芝居ということだそうだけど、壁に貼り付けてのお仕置きとかテレポーテーションさんの初登場の仕方とかは舞台でどうやって見せたんでしょうかねえ。

米と皆が出遭うまでの情景が結構私好きだったんですけどこれも舞台で表現されたんでしょうかそれとも映画だからこその話しなんでしょうか。あの空回りの状況の中でのひたむきな姿が徐々に翳りを帯びていく姿に変わっていってこそのあのご褒美の喜びな筈でしょうから。

 観終わっての余韻は、ほっこりする映画だなと。観に行ってよかったっす。

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私は猫ストーカー

 観終わっての率直な感想は、こういのを観てしまうとテレビドラマの軽妙さが愉しめなくなってしまうなと。こりゃ監督に責任とってもらって定期的に作品を供給して貰わないと。豪華な温泉に浸って別世界へ誘われるとかじゃく普通の風呂だけどなんかの素を入れたみたいなちょっとした手の込んだいつもと違う感じでくつろげるという奴ですかねえ。

パンフレットの監督プロフィールの中の一節で

「彼ほど待ち望まれた監督はいない。」

とありましたが分かる気がします。

猫を邪険に追い払ったり餌やりに異議を唱える一派の存在とかを具体的に提示してない片側通行の現実ファンタジーと映るやもしれませんが、敵も悪意も存在しないこの世界感は私大好きです。もっともすれ違い(伝わらない意思も理解されない行動も)が心に刺さる凶器にはなり得てせつないのえということは謳われてますけど。それが人情の妙というものか。

 前置きになりますが普通DVDで観直しした上で感想を書くんですけど(そうでないと漠然と観ているので細かいところが実際と異なりとんちんかん過ぎるので)この映画のDVDが果たして手に入るのか分からないので一回しか観ていないという曖昧な記憶の下で感想を残しときます。

この作品が監督の長編映画デビュー作となっているのですが、鈴木卓爾作品を観たのはこれが初めてという訳ではなく「パルコフィクション」や「ワンピース」をDVDで観てるんです私。原作がドラマ化された「ホミ・ロック」とかも。そういったものから監督の傾向を想像した上で観たのですが、今回は原作・脚本が別の方で尚且つ長編であり土俵がそれとは違うのですが。だからといって別人28号になった訳でもなく鈴木監督らしい息吹を感じる映画でありまして。とまあまずは軽いしったかぶり。とにかく観れて良かった。

 情緒的なのか叙情的なのか象徴的というのか符合的というのか色々合わさってて映画通でなければおそらくよく分かんないだろうってとこが「鈴木卓爾」監督作品らしい気がするだけどどうよってか。直感で物申さば画が凝ってるぞ&ハルが活き活きしてるぞとくらあ。それをばもうちっと細かく書きますがよく分かってないだけにこう思えたぞということの印象の羅列で話しを進めますんでそりゃ思い違いだぞとか話し繋がんねえぞという事もありましょうがそこんとこ何卒よしなに。

 まずもって目に焼きついたのは画。ストーカーしてる際の景色。魂がこもってるとかいうんじゃなくて対象に対しての慈しみというか想いが画に籠もっていたように観えました。それとは違って人を描く際には例えば元彼とハルの電話のシーンみたいに知恵を巡らし創意工夫に凝ったりと全部のシーン息継ぎなしで全力投球してるかのようでありました。それが監督の意欲なのかキャメラマンさんの熱意なのか原作がそうなっているから忠実たらんとしたなのかは知りませんが、かようによりよい画をと気合い満点で画を紡いでいたら長編をば作るに頭爆ぜたりしないのかと余計なお世話になるくらいでした。別に緊張感を与えるような注視せよみたいな画ではなくどこに目線をやってもまったりした息遣いと時間の流れを感じるんで観てる方は全部こんなで勿論大歓迎なんですけどね。

購入いたせし金700円也(ちと高!)のパンフレットを読むと猫を描くには猫がいる環境をも愛でるが肝要なんだろうなと思えてきて、だからここまで拘るのかとふ~んです。それに猫は人と共存している訳ですので猫を追えば必然的にそこに住んでる人達の景色を追うわけですから遠まわしに「人の景色(生活)」を映してもいるということなんでしょかねえ。一度で二度美味しいってか。

おかしな観方でしょうが猫をストーカーして追ってるシーンの方が緊張感を感じて人同士の擦れ合いのシーンになるとほっとしてたんですわ。普通逆なんですけどね。これって猫の世界が未知の世界ですから自分が居住してる人の世界に戻るとほっとしてしまうのかな。だとしたら猫ワールド探検を見事に画にしてるということになる訳で。だとしたら凄いもの観てるのかな。ってそりゃ大袈裟か。取り直しもやらせも困難な画だという撮る側の緊張感とかが映っているんでしょうかね。そりゃプロに対して失敬か。まあ多分映っているハルの目つきの真剣度合いからそう観えてくるんでしょうか。

斜めにかぶいた電柱を背景にふたりが会話するシーンなんかも印象的でありましたがこれってふたりのプチな異様性を暗示でもしてるんかなと勘繰ったりもして。

他にも「紅い」色がキーワードになっていたり何気に突如「意味が深いセリフ」とかがあったりして素人では計り知れないような緻密さがあるんでしょうけど猫は芝居してくれないでしょうから人智を超えた画作りというものと人智の限りを尽くす画作りの両方が存在している映画なんでしょうかね。無論偶然を待ってる訳じゃあなくて猫好きの人が有する道理に沿ったものに拠るアプローチなんでしょうけど。どこまでがドキュメンタリーでどこまでが演出意図に沿ったものかの境界線がわからないことは確かでした。

 エンディングは直接的な解決の提示とかいったものはされておらず。結論を急いたり答えたりしたりはせずに曖昧模糊のままにヒントだけ与えといて後は観る者任せという突き放し方のように受け取れるのですが、悦ですな。メリハリのついた起承転結ではっきりしてる明確な結論と爽快な余韻とかの作品を好む人つまり便所を我慢し続けて最後に大放出して嗚呼すっきりというのを快とするにはどうにも堪らない不完全燃焼でしょうけど、私はピークを高くみせるために谷を深く掘るようなつくりの景色より縦走でその都度軽い走破感を感じる方が好きですし、残尿感のように残る余韻だからこそ自分で想像できる(自分でオチを作れる)自由度がたまらなく心地よく感じます。映画鑑賞の達人レベルの方からすればもっと明確に描かれてるだろ見方が甘いんだよといわれそうですけど私にはヒントにしか思えませんでした。なのでチビトムは旅人となるのかハルと鈴木はどうなるんだとかその他諸々勝手に未来を想像しております。それは書きませんけど。

以前の作品は往々にしてなんのこっちゃいという観てる側がついていけない部分を有していたのですがこの作品にはそういったものは感じられませんでした。気づかず素通りしていったのかもしれませんがとにかく分かりやすかった印象があります。

 星野真理さん。勿論ご本人のことではなく役に対してのことですけど、大変失礼な話しですが私今まで演じてこられたどの役も奇麗とも可愛いとも思わなかったんですがこの映画のハルは可愛いと思いました。今まで観た役では、なんかどことなくそこはかとなく無理してる感を受けまして、その背伸び感がイタイのでありましたがハルにはそういうものがなくむしろ開放感みたいなものを感じました。(ホントは屈託感って書いた方が感情的に近いんですが意味分かんないだろうしと思って)

それにしてもしょっぱなの猫と同じ目線になるために四つん這いの姿勢でこっちにお尻向けた状態で猫に近づこうとしているシーンには正直ドキッとしました。欲情するとか言う卑猥なものじゃなく無防備だからこそ生まれ出るエロスというか間違いなく女性を観てるんだ俺はと。

 真由子(江口のりこさん)には多少オーバーな印象を受けました。といのもハルの住むアパートに写真を借りに行くシーンでの感情の爆発具合は大きかったなあと。あそこまで感情発露しなくてもという印象で。劇的な展開であらば得心のいくものですが日常のごくごく日常の中での異常な瞬間なのですからあそこまで起伏をつけなくてもという気がいたしました。慌てふためく動顚ということと尋常じゃないというのは違うような気がするのですがここでの真由子は尋常じゃない感じでした。なんでそこまで親身なのかなと思うくらいでした。

チビトムの失踪したことと主人(徳井さん)のとある出来事とがごちゃ混ぜになってあたける奥さん(坂井さん)を押さえ落ち着けさせようとする真由子との揉み合いのシーンがこの映画の中では異質と感じたんですがああいう感情のたぎり具合を表現する坂井さんと江口さんは見応えありました。

徳井優さんが良かったな。超普通の人で。煙草吸うかい?のシーンでのハルの問いに応えた返事が印象に強く残りました。別腹みたいになんでもかんでもひとつの線上に思いは連なっているもんじゃないってのはある意味矛盾やプライドとかで悩まずに済ます考えなのかもしれない。

 まとめとかはないですけどまずもっていい映画だったなあ。清々しくさも爽快感も達成感も控えめだけど何かを共有してる感じがしてきて居心地よかったです。

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ジェネラルルージュの凱旋

 第一印象は映画らしい映画だったなあと漠然と思えました。冒頭からこれはでかいスクリーンと音で観聴きしてこそだよなあというのがこうして改めてDVDで観直してみるとよく分かります。映像だけでなく音も凝ってると思えるので良い再生機と大きなテレビで観た方がより満喫出来るんだろうな。うちのはごくごく普通なので映画館で観た方が良かったですがホント音は凝りたいところだなあと。この映画では特にそう思えました。役者は「声」も大事な要素だという事を改めて感じたみたいな。

チョイ役と言っていいのか分かりませんがほんの少しの登場でもインパクトがあると言うか登場する必然性がある人ばかりだったなあという緻密さを感じました。それでいて全体的に無駄がないスピード感がある中にクスリと笑える部分を織り交ぜてともすれば沈みがちな景色の世界をエンターテイメントに変えている欲張りな部分もあるよなあと。

推理ものということにおいては殺人犯を追い詰めるというよりも癒着の真偽を問うという方に神経がいっていたように思えて観てました。

それと共に救命救急の現状を知らしめるというテーマも訴えかけているようでもありまして単純に痛快という娯楽映画ではなかったような後味がありました。

これだけ欲張っていながら起承転結が見事かつ大きなスケールで。普通続編ってなると興ざめしてしまうことが多いのですがこの作品に関してはパワーアップしてる勢いを感じます。

観る前から興味が湧いていたし裏切られた感(失望感)もないしこの面々を再び観れるというのも愉しいし。観終わった後の嵐が去った後のちょっとした虚脱感のような余韻が何度観ても失われず。不足ない映画でありました。面白かったです。

 以下はネタ晴れを含むやも知れませぬ故観てない方はスルーが妥当かと。それにどうでもいい話しばかりですしね。

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剱岳 点の記 その2

 先週点の記を観てからというもの毎週楽しみに観ているテレビドラマがどうもうそ臭く見えてきてしまって、その感想がマイナスというか渋い評価になってしまって困っている今日この頃、またもや映画館に行ってリピーターと化してしまいました。色んな意味で「本物」はやはり違うよなあと改めて感じ入る次第で。

そういやあ「ハッピーフライト」に惹き付けられる要因のひとつとして「本物」を使っているということもあるんでしょうか。矢口作品はSGもWBも実際役者さんが泳いで吹いてとしてる「本物」なんでそういうとこが好きなのかなとも思えてきますです。自分がちゃらんぽらんなバッタものなだけに本物に対する憧れというのがあるんでしょうねきっと。

以下はシーンとかに関する感想を含みますので、ネタバレというものに抵触してしまうかもしれませんのでご了承の程を。もちろんそうならないように配慮してますが、ざるかもしれませんので。

 最初観た時にはその絶景さにばかり目が奪われていましたが、二度目に観るとあんな場所をよく歩くよなあと感嘆するばかりでしたです。足踏み外したらまっさかさまでしょうにってところにいるのがきっちり映っていて。映っているってことは写してる人がいるってことで。突風吹いたらいちころでしょと。

富士山がでかいなあと。自分の経験値として中央アルプスに登った時に見えた富士山よりも遥かにでかいものでした。南アルプスから見た富士山くらい大きかったなあ。

雷鳥が重要な存在として描かれていましたが、私の山仲間曰く、「雷鳥が見えるってことは天気がくだる証」ということでできれば遭遇したくないと言ってましたがところ変われば品変わるって具合なんでしょうかねえ。

日本山岳会の登山靴の足音と草鞋に足袋の足音の違いも良かったなあ。今でも草鞋やかんじきとかは雪歩きとかに最強と聞きますけどそんなに歩き心地がいいんでしょうか。履いてみたくなりました。でも寒さというものを考えると足だけでなくあの装備であの時期の山に登りしかも何ヶ月もずうっとなんて昔の日本人ってどういう頑健な体してたんでしょうかねえ。行者様もお偉いけどみんな凄いぞなと思わずにおれません。私が山歩きしてた頃でも夏山登山で地下足袋登山される人もおりましたけど雪の上は歩きませんからねえ。

それにしてもやっぱ髭がみんな似合いますなあ。山男らしいっす。頂に登りつめた時の黙々粛々という様が特にリアルでした。実体験として往生して辿り着いた頂での想いというものははしゃぐでも握手して労をねぎらい合うものでもなく声無き感無量というものですから実感としてうんうんという気持ちでありました。

音といえば音楽がしびれます。勇壮感をそそるというかなんというか。山の荘厳さも加味されてるようで。パンフ売り場でサントラCD売ってないかなと思って探したんですがなかったです。

山での楽しみと言ったら食べることくらいしかないんでありますが山岳会の携行食のビスケットは美味そうに思えないですな。田んぼの畦道んとこで頬張ってたおにぎりの方ががんこ美味しそうでした。山の中での焚き火は今じゃ考えられないことですがあれでこさえた料理がどんなのかそれをどう楽しそうに食べるのか観たかったなあ。

 勘違いしてたのに気がついたことは、人足の依頼を村の長?にお願いして断られてたのですがその理由は、長次郎の下に付くを潔しとせずということだったみたいです。私はてっきり時代の流れには逆らえないから手を貸しますよ。ただしやるならわしらで全部お手伝いしますよと言って道案内は長次郎を選ぶかわしらを選ぶか二者択一を迫られた上で長次郎を選んだのだと思ったんですよね一回目に観た時には。

そうではなくて村の人間にとって長次郎(香川さん)の行動は、立山信仰を抱く村の人からみたらやはり許されざる行為であってそういう人間の下で働くのは勘弁ということみたいです。長次郎の立場ってのが理解できていなかったようでその謙虚なのに揺るがない決意の固さの源がどこからでてくるのかもう一度考え直してみます。

ところで、富士山は浅間大社が管理してるように剱岳は当時どこかが管理してたんでしょうかねえ。色々挨拶に回ってたみたいですけど。単に営林署の管轄だとしたら信仰の山という神秘性がちと薄れていやったいですな。まあ活動写真とは関係ないどうでもいい話ですけど。

 それと話し飛びますがやはりこの行程というか足取りが私のような剱岳に行った事のない人間には分かりづらいであります。下調べで言わっしゃってた三つの登頂の為のルートの説明が口頭のみでありまして地図等で道程を視覚的に理解出来るようにして欲しかったなと。お恥ずかしい話し山頂に辿り着いたそのルートは最初言ってた三つのうちのひとつなのかそれとは違う全く別のルートだったのか理解できてません。

勝手な夢想ですけど、陸軍の方に逐一経過状況報告をして東京にいる素人の軍人さんにも理解出来る図面?のおこぼれを観る側にも提示してくれたらなあと。その報告に軍人さんが一喜一憂もしくは催促(早く登れ)とかしててくれれば日本山岳会との競り合いだけでなく焦って多少無茶をした理由がより強調されるのだろうになと。

 まあとにかくなんなんでしょうねえこの満足感は。うまく言葉で表現できない何かが映ってるみたいでそれが観てて充足感を与えるようなんですが。よく分かりませんです。

好きなシーンという野暮なことは言うべきではないのでしょうが奇をてらって述べるとするなら長次郎が来年に備えて草鞋作りの為に藁で縄を結っているところかな。山登りで結局何が一番楽しい時かといったら準備してる時でしょう。登ってる最中や降りてから暫くはしんどい限りで二度と行くものかといつも思うくらいで決して楽しいものじゃない。でもまたそのうち行きたくなるという循環でありまして。行くと決めた時が一番嬉し楽しなんで。そのシーンがまさに縄を結ってるシーンでありまして長次郎の嬉しそうな表情が好きなんですわあ。

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剱岳 点の記

 初日に観に行きました。混むだろうなとは思ったんですがいてもたっても居られなくて観に行きました。田舎の映画館ではありますがそれでもやっぱり混んでました。でも何故か真ん中のいい席に座れました。これで運を使い切ったかも。でも感動したので本望かも。

とりあえず、私の観る前の立ち位置(事前知識)を説明すると、立山信仰は持ち合わせていない。山はハイキング程度で南アルプス及びその近辺を悦としてた(過去形)、漆黒の鉄兜塩見岳を敬愛するなんちゃって山登ラー。装備に地図は必ず携帯するが見方が良く分からんという知識レベルなので主人公達の行の崇高さや偉大さがピンときていない。原作は読んでいない。一応日本映画が好き。香川照之さんは役者として好き。木村キャメラマンの写真は思いつく限りでは、ぽっぽや・八甲田山・憑神。陽はまた昇るを観ている。ネットで調べたら日本沈没・小説吉田学校とかも木村キャメラマンということでそれなら観てるってことになる。番宣のテレビ番組は見ていて撮影中の洒落にならない笑い話(逸話)を知識として持って映画に臨んだ。・・・くらいでしょうか。

とか前置きしても意味無い程のストーリーがどうたらとか役者さんがこうたらと過去の作品からの影響とかの御託を並べる必要なぞないという余計な賛辞は返って惨事となるやもで、とにかく観た!スゲエ!というしか言わない方がいいなと思える印象でありました。(でも余韻ががんこ残ってるんで蛇足を書きますけど)

 これはもう映画ではなく活動写真でありまするな。活きる動く真を写すという奴でさあね。映画には映画の嘘というのが存在してそれが調味料として味を調えたりするものだけど、これは活動写真だから観たまんま継ぎ足しも間引きもしていない(実際はしてるだろうけど)生の素材で~んという感じでありました。何が活きてるか。山も人も風も雨もですわ。なにせ実景も本物歩くる人も吹き替えなしの役者さんご本人らしい。けれんがない分存外淡々に映るやもしれませぬが山に登った経験を持つ人ならもう十分過ぎる起伏(贅沢芳醇)を感じました。明治の人は頑健だったんですかねえ今の貧弱とは違ってとは思いましたけど。

全部の画が綺麗過ぎて、「このCGは凄いですねえ」と試写かなにかで感嘆した観覧者が居たなんていうおとぼけの人の気持ちが分からんでもない勢いでした。そうは多くは登ってないなんちゃって山登ラーの経験としてはあれだけのけっこい景色一回の山登りで一度でもお目に掛かれるかどうかのレベルですがな。贅沢すぎてその有り難味が登る趣味のない人には判んないんだろうなと思えないでもない。金の茶室みたいなもんでメリハリというのがあった方が後光の映え方も違って見えるだろうにと思わないでもなかったです。

客としてははとにもかくにも下手な考え休むに似たり(正しくは下手の考えですがあえて)。ただ黙々と観るのみで十分でありまして、たるむ部分がなくて139分と長いにも拘らず一気に観れました。120分超えると普段は内容追うよりも煙草が恋しくなってくる私にしては大変珍しいことでありました。

映っていたのは役者さんではなく苦行験者。演技というより明治の時代をまさしく追体験してる様を提示している再現者と映ります。そう考えるともっと観たかったな短かったかなと。でも120分超えてるんですから人の時間の感覚って愉しいと思えたらいくらでも数字を凌駕するもんですな。

音楽が良かったです。心象にリンクしてたというか画と見事に融合してたみたいです。なんかとのタイアップみたいな浮いた楽曲とかがなかったのがやはりいいのかしらむ。

詰めて言えばエンドロールの表示の仕方が示すように役者さんがどうのとか監督がどうのとかいう個の煌めきというより塊の魂魄が心打つと表現すればいいんでしょうかね。いい活動写真でありました。又近いうちに観にいかう。

でもパンフのいい方の値が結構して躊躇して買わなかったけど今度行く時また買うかどうか悩むだろうな多分。

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犬神家の一族(2006年版)

この間、市川崑監督の遺作と銘打ってテレビで放映されてました。つっこみいれていいならユメ十夜じゃないのかい?という思いはありますがどういう基準なんでしょう。折しも同じ日に同じリメイク作品の椿三十郎もやってましたがやっぱり比べてしまうと市川崑作品を選んでしまうのでありました。どちらも初観賞と言う訳ではないのですが惹き込まれ具合を考えるとこちらに軍配が上がってしまいました。

ほんで、やっぱ思ったことは改めてオリジナルの方の凄さを思い知らされた印象を持ちました。というのも真っ向勝負のリメイクだからこそ比較出来るということと、はじめて観た時の衝撃のインパクトが強すぎて今もってその余韻を引き摺っているんだということを再確認したからなんですが。あまりいい表現ではないのですが何でリメイクしたのかしらむと不遜にもつい思ってしまいました。そういう感覚だったので感想書いても褒め言葉がでないだろなと思って記事にしてなかったんですがせっかくテレビでまたまた観る機会があったんだから大雑把に書いとこうかなと。

オリジナルが145分。リメイクが134分。それだけでも削った部分があるということで大きな違いなんだけれど実際見比べてみると結構違うものだと。もちろん台詞とか流れていくシーンとか漠然と観る限りラスト以外どこが違うんだ?と言う気にはなってきますが。私はど素人ですから具体的技法的にどうのという比較したって説得力無いですのであくまで受ける印象からの曖昧な感覚的な違いを書いておこうと。

ということでテレビ放映終わって直ぐオリジナルの方DVDで観直してみました。

身分の違いっていうんですかねえそれとも品が違うって表現の方が適切なんでしょうか。いいとこの育ちのお方(犬神家の人々)と粗野(猿蔵)と庶民と(はる)知的職業ながらも品がいいとこのお方(古館)との雰囲気の違いといった辺りのメリハリがオリジナルにはあるんですが、リメイクの方ではそれが薄れている感じがしますです。それが役者さんの違いによるものなのか演出によって変えられたものかは私如きの眼ではどうも読み取れませんですけど。この点に関してはオリジナルの方が私は好きです。特にこれぞ平民と言った感じの女中役の坂口良子さんとどこか卑屈な影がある古館役の小沢栄太郎さんが好物です。リメイクでは深田恭子さんと中村敦夫さんがそれぞれ演じられておられますが深田さんの場合悪い意味でお綺麗お行儀良過ぎます。おそらく育った時代が豊かな中で育ってこられた今の役者さんは皆さんお綺麗なだけでなく生活感が殆ど漂わない存在感をお持ちの方ばかりな感じがしてますんで深田さんが悪いと言うことではないんですけどね。中村さんは事件に対して恐れおののいてるという感じが強く犬神家の人々に対して卑屈になってる訳ではないように映りました。これについては事件への怯えを優先するか立場の格差を優先するかという好き好きでしょうから匙加減が合うか合わないかの違いだけでしょうけど。

三姉妹の仲。オリジナルの方が姉妹らしい距離を感じます。母も違うし遺産を争う仲ではありますが共に姉妹で暮らしていたという連帯感がオリジナルからはより感じられます。リメイクの方は互いに張り合っているというかどこかで袂を分かったような距離感を感じます。長女らしいしっかりさとは対照的な奔放な印象の三女役の草笛光子さんの末娘的らしい勢いが好みです。

オリジナルは猿蔵がいかにも怪しくて結構終わりの方まで猿蔵犯人じゃないかという線で引っ張られましたけどリメイクではそれほど引っ張られることなく軍隊服の男説が有力で押してるように映りました。観てるものを惑わすということではオリジナルに分がある感じでした。

画についてはリメイクの方が間違いなくけっこいものでした。クリアでしたし。でもオリジナルの白黒や宵闇の部分は黒くなっている部分とかもあり何がそこで起きてるのか良く分からない(観づらい)とことかもあるんですが、それはそれなりに頭で思い描いて勝手に補足する作業を要することが出来て奥深く感じられもするんですが。白黒の懐古シーンとかは今観ても斬新で色褪せてないインパクトを感じます。

音楽はリメイクの方が好きです。オリジナルはいかにも当時のポピュラー音楽という勢いで今ではもう古いというか情感が湧きにくくなってます。っていうか当時から疑問には思ってたんですけど。ま、実際は楽曲が替わってる訳じゃないので音の印象(乾いた印象の音だった)の違いによる錯覚なんですけどね。リメイクの方がしっとり感があってこっちの方が気にならなくていいかなと。

何を削り何で削ったかとかについてはさておいて変えてきた部分というものの意図を推察すると、分かりやすくするという印象を受けます。それによって明快さがより鮮明になってますですが、それによって日本の因習といったおどろどろしい部分が影を潜めた感じです。人間関係の陰湿さが生んだ事件というお話しだと思うんですけど明快にした分得体の知れない何かに突き動かされてという動機が薄くなった感じがしますです。オリジナルではどろどろしたものが取り払われてのエンディングという勢いだったので凄く晴れやかな気分になったことを想い出しましたが、リメイクの方ではその晴れやか感は薄かったです。

役者さんが違うと全体的に受ける印象も随分と変わるもんだなというのも面白いところでありますが慣れ親しんだ分オリジナルに愛着がある分リメイクが受け入れにくくなってるところがあります。

それだけオリジナルは私にとって「名作」であるがゆえに、ビー○ルズはオリジナルじゃなきゃ厭だと思うのと同じようなもんでいじるべかざるものになってる感じです。こういうのを偏屈というんでしょうかね。

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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

先に書いときますけど決して悪い作品だとは思いません。その割にはあんまり褒めた文章になってないんですがきちんとした作品だとは思っています。尚、中途半端なネタばらししてるやもしれませぬゆえご注意の程を。まだ観てない方は読むのをパスされるが寛容かと存ずる。

「長澤まさみ」を応援してる以上当然観ずしてなんとする。という勢いで観たのですが、迫力(火力)があってこんなとこでこの役者さんを使うのかという豪華さに驚いたりで見応えあったのですが、映画館を出て疲れた印象があったのをDVDで再び観て思い出しました。

オリジナルの黒澤作品観てますから当然比較してますし。ス○ーウォーズのロボット二体が人間の姿に戻って里帰りして来たついでにダース○ーダーまで一緒に連れて来ちゃったってな勢いを薄らほのかに感じていてのんびりこんと観ていられなかったってこともあったんでしょうかねえ。なんか余分な事考えながら観てたからなんでしょうけどなんかひっかかりを感じて疲れますです。

テーマというか感じることは、人間は思っているほど悪くない。人は信ずるに値する生き物だから信頼はなにより大切だと語りかけているようにも感じられます。

オリジナルと違うことは脱出アドベンチャーに徹していた感すらするオリジナルに比べ、人と人とが交わる際の心情の揺れ動きを描くことが追加された印象でした。正直二兎を追ってなんとやらという印象があります。エンディングに向けての持って行き様が随分異なりますのでそこが味噌なんでしょうか。私もオリジナルでの最後の追っ手の者が翻意してエンディングに連なるのはどうなんだろうとは思っていましたので最後までダー○ベーダーは悪党らしくというのは納得のいく改定点だなとは思いました。軍資金の輸送のトリックは捻られていて見事たばかられ申した。六郎太すら知らなかったようで。

役者パワーは凄かったですね。宮川大輔さんがとても印象に残りました。地べたにとても距離が近い野趣に溢れた空気感で今時珍しいくらいの虐げられたなかで逞しく生きてる生物という趣と温もりがとても出ておられました。阿部寛さんと椎名桔平さんは仕事師の面目躍如という勢いで重厚感ありましたです。松本潤さんは色男はいくら汚しかけても汚れないのかなと思いました。なにしても伊達なんだなと改めて思った次第で。上川隆也さんあれだけかよ~もっと観たかったなあ。高嶋政宏さん甲冑姿が似合います。古田新太さんと生瀬勝久さんも出とらしたけど、もしこのお二人が武蔵と新八演ったらという想いに駆られてしまいました。

長澤さんについては、まず時々指摘される甘ったれた感じがする声ではなく精悍なイメージを与えたという印象でへ~でありました。不遜な発言ではありますがやればできるじゃんという感想です。時代劇がなんか似合う感じがしたのですが浮世離れした世界感での方が合ってるんでしょうか。らしく見えるか気になる現代劇より映えるお芝居をされてるんかいなと思えました。

甲本雅裕さんとか虐げられた領民で徳井優さんとか出られとってホント豪華でかつ散漫に映らなかったのはすげえなあと思うのですが、なんか長回しとかがなくて役者力十分に堪能出来にくい忙しなさを若干感じました。もっともそれでスピード感とかが増すんでしょうから痛し痒しなんでしょうけど個人的には殺陣のシーンとかで対峙した両者の迫力が浮き出るような息遣いとか気の押し合いとかの眼には決して映らないけれど確かに感じられる間とかを愉しみたかったです。いくさ場にそんなのあるかといわれればそれまでなんですけどね。

画的に言うと、砦というか要塞(西洋っぽい)に映りました。火力(爆発)の勢いが凄くてスケールの大きさを印象付けるのですがアリなのかなあという感じでした。最後山が崩れんかなの勢いの大爆発からどうやって脱出出来たんだという疑問がやはりありますし。

他にも?と思った事は、姫様を囮にして相手の目を引きその間に本隊(軍資金搬送部隊)が早川領に辿り着く作戦でありましたが、秋月家再興の為の唯一の秋月の血を引く後継者がおっ死んでしまったら担ぐ神輿がなくなってしまう訳で意味無いじゃんとか。すげえギャンブルしたなあと。少なくともオリジナルの方は選択の余地がない切迫感を感じましたけど。ってこれは観終わってからの感想で観てる最中はそのトリックに気づかずドキドキしてましたけど。

馬上戦を挑まんと姫と六郎太が武蔵・新八とが分かれた後武蔵の機転で山に行く展開だったのですがそっちに向かったことを知らないであろう六郎太達がどうやって追いつけたのか。大八車の車輪跡を追ってとかにしちゃあ違うとこから出現してたけど。

山名の残虐性を描くにおいてはオリジナルとの差をとても感じました。オリジナルは勝者と敗者との落差として描かれていましたがここでは虐げるものと虐げられるものという格差の違いに思えました。自国の領民に対してすら保護することなく支配する側としての傍若無人な振る舞いは国を治める気があるとは思えぬ所業に思えました。いいのか悪いのかと言ったらリアル感が失せるんで好きじゃないという感想です。

音に関しては矢が飛来する音から始まって刀がつばぜり合いして発せられる音まで大仰でした。好き嫌いの問題もありましょうがなんとはなしに気になりました。声もスタジオで後録りしたみたいにクリアで、逆に違和感を感じるとことかもありました。案外外らしい雑音というのも空気感表現するのに必要なんだなと知った感じです。

運んだ薪の量が一定だったのかという疑問。そこはきちんと計算されておられたんでしょうけど一度馬も大八車もなく4人が背に背負って運んだ時少なくなってないかと映って見えたものですから。その後生大事に運んできた薪を祭りの喧騒で火にくべるところはオリジナルと同様ですが火にくべる必然性が薄く思えたのはもったいなかったなあと。翌日新八がその燃え残りから取り出した後捕まるのですが今まで散々悪逆非道な行いの山名が何故新八だけは生け捕りにしたのか。

瘴気という武器を使う武蔵ですがガス検知器役の鳥を最後解き放つのは、どこかしら動物愛護の影響があったんでしょうか。効果的には最後のひとぶんばりという決意と読めるんですが本当の趣旨はなんだったんでえすかねえ。

乱戦で武蔵があわやという時姫が刀を持って危機を救ったのですけど、その時上の階では六郎太が格闘中刀落としてたんであの落ちた刀が侍に突き刺さって危機一髪って言う手もあったんじゃないのかと思ってしまいました。

音楽は王道というか壮大で映画らしくて豪華でした。

各部分を穿り返すと、役者力見事ですし特撮のけれん味も派手だし音楽もマッチしていたし結構なたばかられた展開の妙もあるんですが。それらが混ざり合ってひとつの作品としてのイメージ(感想)となるとなんか印象が薄くなるのはどうしてでしょうか。追われている緊迫感がオリジナルとは異なるのはなんとはなしに感じるんですけどそれだけじゃないような気がしないでもないです。そういうのをきちんと誰にでも分かるような言葉に出来れば評論家になれるんでしょうけど私には無理なのでイメージとしてなんか違うとしかいいようがないところです。

「長澤まさみ」が出演し公開された映画は2008年はこれ一本。少ないなあというのが率直な感想。メインキャストばかりに固執しないで場数を踏んで幅を広げて欲しいですね。「ラストフレンズ」では男に付け入られる隙だらけの女性を演じて女性の好感度ランキングが下がったらしいと言う役者としての勲章を受けられてましたがこの映画がドカンと当たっていれば役者さんとしての幅の広さを多くの人に証明できたのに残念という気がしますです。でもお綺麗に映ってましたですよ。息が白いのに短パン姿というのは痛々しかったですけど。出来ればオリジナルのように無事到着後ちゃんとした姫の姿に戻られての艶やかな姿に変身というのも観たかったですな。

ちなみにDVDは豪華じゃない方買いました。なので映像特典とかのコメントは見てないので書けません。

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