1-2・遠州弁え行

ええがあ

いいわあ・いいだろうがとかいうニュアンスでしょうか。これがもろ名古屋だと「ええがや」関西なら「ええわあ」とかになるんでしょうけど。

これが遠州弁かといったら大分疑問符がつくわけですが、多分に「ええがや」の変形とも感じられる「ええがあ」という表現でありまして。に、してはなんか普段耳にするよりテレビや映画とかで入ってくるようなイメージもなきにしもあらず。ホントのところはどこの言葉なんでしょうかねえ。

オヤジギャグかますなら「この映画ええがあ」(この映画ホントいいよ)

例文作ろうと思い巡らすも、会話として浮かばないってことは普段使ってないのかな。でも自信ないけどまあ強引に作ってみすか。

例文

「こっちん方よかあっちん方んがええがあ。」

  (これよりあっちの方がいいんだけど。)

「なんでえ一緒じゃん。これでいいじゃん別に。」

  (どうして?同じでしょ。別にこれでもいいでしょう。)

「ふんだこたあねえよを。あっちん方がええだもん。」

  (そんなことないもん。あっちの方がいいもん。)

「一緒だっつてるらあ。ホント聞いちゃいんだで。これんせるでねえ。」

  (同じだって言ってるでしょ。もう聞いてないんだから。これにするからね。)

「嘘こいちゃかん。値段みてみい違うにい。」

  (嘘つき。見てよ値段が違うじゃん。)

「なにいやらしいとこ見てるよを。」

  (なにえげつないとこ見てるのよ。)

「どっちんいやらしいよを。子供だまくらかいちゃかん。」

  (どっちがえげつないよ。子供だと思って騙すのはやめて。)

やっぱこれは遠州弁じゃないな。遠州弁だったら「ええよを」になるもんな普通。じゃあどこの言葉なんだろ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

えらそうに

「馬鹿えらそうにしてたもんで医者連れてった。」

(物凄くつらそうにしてたから医者に連れて行った。)

偉ぶるとかの「えらそうに」というのももちろん使うが、遠州弁では体調がすぐれない状態に見えることを指す場合も多い。「えらい」を「しんどい」というかどうかで上記の例文の解釈が大きく変わるところであろうか。一応辞書では「階段の上り下りがえらい」という文例を載せているので「えらい」=「しんどい」が遠州だけという訳ではないのであるが使いどころが独特のような気がする。

例えば、共通語での「えらそう」(偉そう)の使い方で上記例文を解釈すると

「大変偉い方のような振る舞いしてたので医者に連れて行った。」

これでは頭がいかれてるから医者(精神科)に連れてったということになる。

もしくは「えらい」が「大変に」という訳で解釈すると

「物凄く大変にしていたから医者に連れて行った。」

これだと救急車呼んだほうがよさそうで医者に連れてくことがはたしていいことなのかどうか。ちなみに救急車呼ぶくらいの緊急性があるような場合は「えらい・えらそう」は使わないことが多く「死んでる」「死にそう」

またもしくは「えらそう」を「生意気」という訳で解釈すると

「物凄く生意気にしていたから医者に連れて行った。」

性格を直してくれる医者はいないだろうから行くとこが違うだろとなる。

以上もちろん冗句だがそう取られ兼ねない可能性もあるということで。

例文

「○○の奴なんかえらそうにしてたなあ。」

「なにやっ!きんのうあんだけ説教しただにしょんねえなあやあ。連れて来いやあ。」

「んじゃなくて気分がえらそうっつうの。」

「あっそ。ちっと説教し過ぎただかいやあ。」

「きんのう酒がんこおそまで呑んどったらしくてさあ。」

「懲りちゃいんじゃんかあ。やっぱ説教だ。」

「やめない。説教喰らって落ち込んだのの気分転換かもしれんじゃん。」

「ちゃうだあ。二日酔いこいて仕事すんじゃねえっつって説教こいたの。」

という風に現地人でも聞き間違えはある。これを防ぐため「しんどそう」の「えらそう」は「にしてる。にしてた」を使い「生意気」の「えらそう」には「してる・してた」又は「こく・こいてる」とかを使って分けてる人が多い。もちろんこの使い分けでもどっちにでも取れるややこしさが完全に解消される訳ではないのだが。

| | コメント (0)

えらそうこく

生意気な口を利くと言う意味。発言だけでなく生意気な行動とかでも「えらそうこく」を使う場合がある。

共通語だと「えらそうに」であろうか。

ちなみに「えらそう」だけだと「しんどそう」という意味合いもあるので「えらそうに」だと遠州ではどちらの意味(大変そうに・生意気に)でもとれるので「こく」がつくことが多い。「こく」がつけば必ず生意気にという意味で使われる。

例文

「やあ。怖いやあ。まあちっとブレーキ早めにしてくれん?」

  (おわ~。怖いぞお。もう少しブレーキ踏むの早めにしてくれないか。)

「えらそうこくじゃないにい。ふんだだこんわ免許取ってから言えやあ。」

  (生意気言うんじゃないよ。そういうことは免許取ってから言えよ。)

| | コメント (0)

えばる その2

威張る(いばる)の訛った表現。生意気だとか非難や中傷をするような場合に使われる。関西系の方言であろうか。遠州でも使われるということで記載。

遠州人は「いばる」と「えばる」の両刀遣いをしていてその使い分けは、「いばる」は多少肯定的なニュアンスであるが「えばる」はほぼ批判的なニュアンスとして使われる。

他の言い方には「えらそうこく」というのもある。

例文

「あんの野郎ちいっと賢いと思ってえばってけつかりゃがってえ。馬鹿おこれる。」

  (あの野郎め。ちょっと頭いいと思って威張りちらしやがって。なんかむかつくぞ。)

「課長だで部下にいばるのしょんないらあ。」

  (課長なんだから部下に威張るのはしょうがないだろう。)

「仕事もでけん癖しやがって指図せるなんざふざけるなっつうだよ。」

  (仕事も出来ない癖して指図するなんてふざけるんじゃないよって感じだよ。)

「しょんないじゃん。昇進試験受からにゃペーのままだで。」

  (仕方ないだろ。昇進試験に受からないと仕事出来たって平のままなんだから。)

| | コメント (0)

えへらえへら

要は「へらへら」なのだが浮かれてる度合いの違いによって使い分けられていると説明しても撥はあたるまいて。

「へらへら」は相手から見れば許しがたい状況での緊張感のなさに対する怒りを感じるが。

「えへらえへら」は納得いかないが多少は許せんでもない状態。

なので「へらへらしてんじゃねえよ」だと「気を緩めてるんじゃねえよ。」とか言う風になり「えへらえへらしてんじゃねえよ」だと「お楽しみはそこまでにしてそろそろ・・・」とかいったニュアンスの意味になることがある。

検索してみると「えへらえへら」おかしくもないことに締まりなく笑う様と辞書で載っていたので共通語ではあろうが遠州弁のニュアンスだと「へらへら」と「にしゃにしゃ」の中間的な使われ方をするということで記載。

同じような言葉で「にしゃにしゃ」という表現があるがこちらは満面の笑みといった勢いがあり「えへらえへら」は浮かれてる(はしゃいでる)といった趣となることが多い。ただし「えへらえへら」の後に「ちんたら」とかがついたら気を引き締めないと痛い目に逢う領域である。

例文

「相変わらずうれしそうだのえ。」

「んなことあらすかあ。いつだって平常心だにい わし。」

「いんやあ、きんのうにしゃにしゃしとったけど今日はえへらえへらしてるわあ。やあ、何いいこんあったでえ。」

「なんもねえよ。」

「うそこけえ。」

| | コメント (0)

えぜる

いじる→いぜる→えぜると変化したもの。

「いぜる」との意味的な違いはほとんどなく地域性年齢的な要素による違いであろうか。

「いじくる」は「えぜくる」となる訳だがとても粗野な感じが増す勢いである。

例文

「えぜっちゃかんってっ。まだ乾いちゃいんだと。」

  (さわっちゃ駄目だって。まだ乾いて無いからだって。)

「どんくらいで乾くだ?」

  (どれくらいで乾くの?)

「知らすけえ。なんしょええっつわれるまでだらあ。」

  (知らないよ。とにかくいいっていわれるまでだろ。)

「えぜっちゃかんつわれるとえぜりたくなるなあやあ。」

  (触るなって言われると触りたくなっちゃうんだよなあ。)

| | コメント (0)

えーが

映画のこと。発音が違うと言うことで記載。二種類の発音を使い分けてるが、ひとつはほぼ平坦なアクセントであるが強いてあげれば最後の「が」がやや強めになる。もうひとつは頭の「え」が強めになる共通語に近いアクセント。

使い分けには明確な決まりがある訳ではないし個人差があるので一概には言えないが、話しの頭に来る時は「え」が強め、話しの中とかに来る時は「が」が強めになることが多い感覚がある。

「ええが」か「えーが」どちらが近いか悩んだが「えーが」かなと思ってこちらを採用したが個人差があるのでどっちでもとんじゃかない(構わない)。映写機とかも「ええしゃき」(アクセントは共通語と同じ)と言うし映像も「えーぞお」(これも共通語と同じ)と言う。

共通語のアクセントで「えいが」と言うと「栄華」の方をイメージする遠州人は多い。

例文

「えーがみいいかまい。」

  (映画観に行こうよ。)

「なにみいいく?」

  (何観に行く?)

「行って決めまい。」

  (映画館行って決めようよ。)

「そんなこんゆったら混んでいんのになっちゃわへん?」

  (そんなこと言ったら混んでないのにならないかい。)

「じゃどーゆうえーが観たいよお。」

  (ならどういう映画をを観たいの?)

「特に無い。」

「じゃいいじゃんなんしょいかまい。」

  (ならいいじゃんとにかく行こうよ。)

| | コメント (0)

えばる

威張る(いばる)の訛ったもの。

広範囲において使われる訛りなのでもはや共通語といえるかもしれないが一応記載。

例文1

「おんしゃあなにょうえらそうこいてるだあ。」

  (お前なんでそんなえらそうな口利くんだ?)

「どこがよー。別にえばるこんなんか言ってもへんにい。」

  (どこがだい?別に威張るようなこと言ってないよ。)

「それっぱかやってやったくらいでそんなえばるこんゆうのいやらしいっつてんの。」

  (ほんのちょっと手を貸してやったくらいで威張る事言うのがえげつないと言ってるの。)

例文2

「あいつん物言いなんかむかつくだいね。」

  (あいつの言い方何故だかむかつくんだよね。)

「いいじゃんかあ今日くらい思いきっさえばらかしとっても。」

  (いいじゃないの今日くらいは心行くまで威張らせといても。)

「なんでえ。誕生日かなんかけえ。」

  (どうして?誕生日かなにかなの?)

「明日んなりゃ酔いも醒めるらあ。」

  (明日になれば酔いも醒めるんじゃないの?)

「なにや?あいつ呑んどるだけえ。」

  (なんだよあいつ酔ってるの?)

「いんやあそこまで言葉ん酔ってりゃ次の日んなりゃ後悔せるって普通なら。」

  (いいや、あそこまで自分の言葉に酔いしれてりゃ次の日になれば普通は後悔するって。)

「普通かあ?あいつ。」

| | コメント (0)

ええだかやあ

いいのかよと言う意味。

「ええだかいやあ」(いいのかな)とは微妙に異なる。「ええだかいやあ」は幾分自問自答的なニュアンスになるが、「ええだかやあ」は相手に対していいのか?と問うているニュアンスが強くなる。

例文

「ええだかやあ、勝手に入って。」

  (いいにかよ、勝手に入ったりして。)

「構わすけえ。とんじゃかないわ。」

  (構うもんかどうってことないよ。)

「じゃ入るけど知らんにい怒られても。」

  (それじゃあ入るけど怒られたら責任とってよ。)

「そんときゃわしだけ逃げるでええよ。」

  (そうなったら自分だけ逃げるから気にしないで。)

「やあ馬鹿っつら。てっめえ行けやあ。」

  (なんだよそれ!それならお前が行けよ。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

えがむ

歪む(ゆがむ)という意味。シンプルに訛ったものであろうが、「えごえご」という表現に繋がるので遠州弁の訛り方を表わす意味では重要な言葉であろう。

ただしもっと変化した(訛った)みたいな「えごむ」という表現は無い。「いがむ」という表現はあるけど。「いがんだりしたらどうせるよー」(歪んだりしたらどうするんだよ)というように使う。「いがむ」と「えがむ」はあまり意味的な違いはないのでどっちを使うかは人それぞれ。

蛇足だが「えごえご」はあっても「いごいご」という言葉はない。

例文

「まっつぐな道で寂しい。」

「ふんだだこたあねえらあ。多少はえがんでるにい。」

  (そんなことはないだろう。多少は歪んでるよ。)

例文2

「おめえが載るとなんかここんさあえがむだけどやあ。どうしてだかいねー。」

「うー、ど酷いこんゆーやー。そんな重かないでねー。」

「だって見てみい、ほれ!きしんどるらあ。」

「失礼しちゃうやー。見た感じで物言っちゃかん。あんたの方が重いだでねえ。」

「なんしょこれ以上いがんだらおえんで降りろやあ。」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧