1-2・遠州弁う行

うっちゃらかいて

「うっちゃって」(捨てたとか放った)という意味なのであるが、詳しいニュアンスで訳せと言われるとはたと困る言い回しである。とにかく「~かす」という表現は故意にとかいった意思を示す感じになる。

「仕事うっちゃらかいてどこほっつき歩いてたよを。」だと「仕事もしないでどこうろうろしてたんだ?」という訳になる。

似たような表現で「ほかし投げる」・「ほうらかす」というのがあるのだが

「仕事ほかし投げてどこほっつき歩いてたよを。」を訳すと「仕事途中でやめて・・・」ということになる。

「仕事うっちゃってどこ・・・」になると「仕事打ち捨てて・・・」みたいな。つまり中断と放棄というニュアンスの違いがある。

まあどのみち「仕事もしないでなにしてけつかる」と言ってることには変わりはないのだが言い返す側としてはいい訳の内容が変わるものである。

例文1

「あんたねえ。どこ仕事うっちゃらかいて遊びいってたよを。」

「うっちゃらかいてなんかしちゃいんわ。人聞き悪いぃ。サイレン鳴っとったもんで心配でめえいっただよ。」

「野次馬しい行っただけじゃん。なんしょ口実作って仕事やりたかないだらあ。」

例文2

「あんたねえ仕事ほうらかいてどこ遊びいったよを。」

「随分じゃん。サイレンの音したもんでなにあっただぁっつって見い行っただけじゃん。」

「遠くのサイレンまで反応してちゃ仕事進みもしんにい。時間余分に掛かったって残業代なんか出んだでねえ。ちゃっちゃとしちゃいない。」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

うそこけ

うそつけ・嘘つくんじゃないよと言う意味。他の言い方だと「うっそを」というのもあるがニュアンスは大分違う。

「嘘をつく」だと「嘘こく」となる。

「嘘をついちゃいかん」だと「嘘こいちゃかん」

ニュアンス的には糾弾するにしても和気あいあい風味で言える効能を有する。もちろん「こく」というコクのある遠州弁でなく「嘘をゆう」・「嘘ゆっちゃかん」というあっさり風味の表現も一般的に使われている。

敵対してでも糾弾するような場合には「なにょうこいとるだあ」・「なにゆってるよを」・「ど嘘つきい」などなどがある。

嘘より大人しめの冗談めいた場合には

「馬鹿こいちゃかん」・「よをゆうわ」ってことになる。

例文

「きんのうはがんこパチンコうはうはでやあ。今馬鹿景気いいでえ。だけどおごりはせんでね。」

「うそこけえ。確かにパチンコ屋に入り浸ってたってのはホントらしいけど出ん出んつってやっきりこいとったらしいじゃん。」

「誰んゆったよをそんなことぉ。」

「おんしゃてめえで○○に電話してあだけまくったっつう話しじゃん。そお聞いたにい。」

「あれから出たでえ。大逆転してえ。」

「赤字がだら。出たのは。」

「信じちゃいんだ?嘘じゃないってえ。」

「じゃおめえ奢らんでええで金貸しょうやあ。そしたら信じちゃるでえ。」

「ほんだったらええわ信じてくれんでも。」

「じゃふかしばっかこいとってしょんない奴だっつって言い回ってくれるう。」

「勘弁してやあ。」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

うそだらあ

「嘘でしょ」という意味で別に方言という訳ではないであろう。な訳ないか。

多分このイントネーションを理解・発音できるのは、正真正銘の遠州人しかいないであろう。ある意味クイズみたいな文章になるやもしれぬが勘弁してくんなまし。

*ホントの話し?という意味。マジ?と同じ意味。「うそっ!」と省略しても可

「う」と「そ」にアクセント。びっくりしたというドッキリにかかった感じで言う。

「あれ!ともちゃんは?」

「先行くって。」

「うそだらあ。随分じゃん。」

*冗談はやめてと言う意味。共通語だと「嘘でしょ」。「うっそだあ」と省略しても可「馬鹿こいちゃかん」という表現もある。

「だら」にアクセント。勘弁してくれよという感じ。

「あれ?あんたはあ帰ったじゃないの?」

「「うそだらあ。ここにいるじゃん。」

*本当かよと言う意味。「うっそお」と省略しても可

「そ」にアクセント。間違いじゃないのかと確かめる感じ。

「はい今日のお手当て。ただし昼飯分は抜かしてもらったでねえ。」

「うそだらあ。勘弁してやあ。」

って書いてるこちらもこんがらがってきた。

*嘘だろ多分とかいう感じの場合には

「うそだら」となって語尾は伸びない。

「先行くって。」

「うそだら。んな訳ないじゃん。」

*ひどいなあという否定する場合には

「うそこけ」・「馬鹿こいちゃかん」

「あれ?あんたはあ帰ったじゃないの?」

「馬鹿こいちゃかん。ずっといたわ。」

| | コメント (0)

うらっかある

裏返しになると言う意味。

「裏返しにする」という場合は「うらっかあす」とかになる。

「裏返しにしろ」だと「うらっかあせ」。

「裏がえろ」だと「うらっかあれ」。

「うらっかあ」で「裏側」という意味になる。

例文

「ため池んとこで蛙がうらかあってたよを。」

「なんか変なもんでもどこぞで流いただかいねえ。」

「○○ちゃんきんのうあそこで小便ひってたでそれでかいねえ。」

「そんなんじゃ変にならんらあ。」

| | コメント (0)

うちら

自分たちと言う意味で、これは共通語であって遠州弁ということではないが、イントネーションが関西とは異なると思われるので一応記載。「う」にポイントがつくのではなく平坦であることが多い。しいて強めの箇所を探すとすれば「ち」であろうか。

例文

「こんだあうちらん番だにい。」

  (今度は私達の順番だよ。)

「パスせまい。」

  (棄権しようよ。)

「そうしちゃわまい。」

  (そうしようよ。)

「ちゃっちゃとやっておわらせまいや。」

  (とっととやって終わらせようよ。)

「あんたらねえ、ぶつくさこいとらんで行くにい。」

  (あんたらねえ。ぶつぶつ言ってないで行くよ。)

| | コメント (0)

うしょうしょ

「うはうは」まではいかない濡れ手に粟状態を示す表現。と言い切れるか自信がない。

感情を表わすとしたら「うきうき」よりは鼻の下が伸びてそうな貧祖なニュアンスがある。

結構日常無意識に使っていたり聞いてる側としても相手の意思は理解出来るのだけれども。いざ共通語に訳せといわれるとはたと困る言葉。

どなたか説明出来るのなら是非ともご教授願いたい言葉である。なのでこの記事は未完と言うことになります。

ちなみに「うじょうじょ」とは異なる。

「岩の裏見たらむかでやらなんやらがうじょうじょ居た。」

という決して歓迎的なものでないものが湧いて出てくるような意味とは違うのである。

例文作ろうとしてもいざ改まって考えると出て来ない。でも確かに使ってるという言葉「うしょうしょ」。

平坦に発音するのが基本であるが、「う」を強めにして言うと「うじょうじょ」に近いニュアンスになる。

| | コメント (0)

うぬら

お前ら・お前達とかいう意味の言葉。

別に方言ということではなくて時代劇とかでよく出る言葉で、それがまだ遠州では残っているということ。といっても滅多に出る言葉ではなく死語に近い最近ではあるが。男言葉で女性が使うことはまずない。筈。

お前と言う意味の「うぬ」はもううちの集落辺りでは使われていない。「うぬはなにしとんじゃい。」(お前は何してるんだ。)という言い方が成り立つが普通は「おんしゃなにしてるだあ。」という言い方を使うことが多い。

遠州弁的ニュアンスとしてはむっとしてるとかプンプンしてる感じとかを含むことになる。見下した言い方かというと少なくとも目上に使うことはないので丁寧な言葉ではないが赤の他人に言い放つと喧嘩に発展するので親しい間での表現かと思われる。

別の言い方では「おんしゃら」・「おめえら」が近いニュアンスであろうか。「あんたら」だと遠くなる感じ。

例文

「うぬらあなにしくさっただあ。」

  (お前達なにしでかしたんだ!)

「なにもやっちゃいんよお。自分勝手にこけただけじゃん。」

  (なにもやってないよ。自分が勝手に転んだだけでしょ。)

| | コメント (0)

うでたまご

ゆで卵のこと。

茹でる(ゆでる)を「うでる」と言う。もちろん人それぞれで、小さい頃どっちを言うのかクラスで聞き回った記憶があるが、確か半々くらいだったような。

地域的にも遠州限定の表現ではないのだが、まあ一応こういう人もいると云う事で記載。

例文1

「うでたまご喰うけ?」

「黄身んパサパサのなら要らんにい。」

「半熟のドロドロけえ?わしあんまし好きくないやあ。」

「そこまでは言わんけど茶ぁとか欲しくなるようなのは勘弁ね。」

例文2

「今日うだるけに頑固暑いで、卵外んだいといたら勝手にうでてるかもしれんにい。」

  (今日はうだるような暑さだから、卵外に出しとけば茹で上がるかもしれないね。)

「じゃ試しにやってみいや。」

| | コメント (0)

うわっかあ

上の方(表面)と言う意味「上の側」が「うわっかわ」になり「うわっかあ」にまで変化して訛ったと考えられる。

「うわっつら」という共通語の言い方もあるがこちらは多分物の表面と言う以外にうわべという意味合いも強くなるのでニュアンスは異なる。遠州弁の「うわっかあ」にはうわべという意味はない。

注意すべき点は裏側を「うらっかあ」と言うので聞き間違いしやすい場合がある。

例文1

「ちゃんとうわっかあの灰汁とっとかんと味落ちるにい。」

  (きちんと表面の灰汁とらないと味が落ちるからね。)

「下の方のこどんでるでるのはなんもせんでええだか?」

  (底の方に沈殿してるのは何もしなくていいの?)

「特にいぜらんでも焦げにゃあええよ。」

  (焦げなければ特に気にしなくていいよ。)

例文2

「うわっかあに焦げ目んついたら裏っかあもおんなしように火い通すだあれ。」

  (表面に焦げ目がついたら裏返して同じように焼くんですよ。)

| | コメント (0)

うそばっかし

全部嘘だろうと云う意味。まあ「嘘ばっかり」の訛ったものではあるが。

「うそばっかあ」よりも否定度が強い。感情的にも「許さん」気合がこもる。

「し」を省いて「うそばっか」という表現もあるがそうなると多少緩めの追及のニュアンスになる。

嘘に決まってると思っている度合いで比較すると

「うそっ!」<「うそだら」<「うそこけ」<「うそばっか」<「うそばっかし」

例文

「こないだどんばやく帰ったけど、なんかあっただけえ。」

  (この間早々に帰ったけど、なんかあったの?)

「いやあなんもないよ。」

  (いや特に理由なんかなかったよ。)

「うそばっかし。ちゃっと飛んでった後んだいぶしてから家から何度も電話あってまだこんで変だ変だっつってたにい。」

  (とぼけるなよ。えらい勢いで出て行った後に大分たってから家の人が何度も電話してきてまだ帰ってこないからおかしいって言ってたよ。)

「あっそうけえ?じつぁーの、おっかさの在所行くっつうもんで気い重くてやあ。だでちいと寄り道しとっただあ。」

  (あっそうなの?実はさあ嫁の実家に行くってことで気が重くてね。だから少し寄り道してたんだ。)

「勘弁してくれやあ。おめえんとこのおっかさまるで会社ん早く返さんみたいな言い方こいて悪もんにされただにい。」

  (勘弁してくれよ。お前の奥さん会社が早く返さないせいみたいなこと言ってこっちが悪者扱いされたんだぞ。)

「悪妻で済まんの。」

  (悪妻で迷惑掛けてごめんね。)

「お互い様だけどやあ。ホント頼むにいそこいらは。」

  (お互い様なんだけどさあ。ちゃんとしてくれよそこら辺は。)

| | コメント (0)

より以前の記事一覧