1-2・遠州弁ま行

みんなして

「みんなで」・「よってたかって」・「一斉に・一緒に」とかいう意味。まあ特に方言という事もなかろうが使い場所に地域性があるかなと思って記載。

「みんなで」という意味合いで使う場合、「これみんなで食べて」というのを「これみんなして食べて」という風に使うのであるが

「一個しかないからこれみんなで使って」と共用・持ち回りとかを促すような場合には「これみんなして使って」というよりも「これ仲間して使って」ということの方が多い。

つまり分配できないようなものに対しては使われないということであろうか。

「よってたかって」という意味合いでの使い方の場合はこの限りではない。

「あれみんなしてどこいくよを。」

  (おや皆さん揃ってどこへ行かれるんですか。)

例文

「みんなしてやりゃすぐ済むらあ。」

  (皆でやれば直ぐ済むんじゃないの?)

「それがそうもいかんだよ。」

「なんでえ。」

  (どうしてだよ。)

「だってえ、みんな自分がやりよいようにやるもんではあくっちゃんくっちゃんでえ。」

  (だってねえ。皆自分勝手にやるからもう収拾がつかないんだ。)

「あたまはいんだけえ。」

  (リーダーはいないのか。)

「体がえらい奴ぁこらしょといるだあ、えらいいさんはいんだいね。」

  (体がえらい奴はごまんといるけどお偉いさんはいないんだよね。)

   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

みしょうやあ

「見せてくれよ」・「ねえ見せてよ」などと言っている。つもり。男言葉で女性・子供の場合だと「みしてやあ」・「みしてえ」とかを使うほうが多い。

遠州弁を知らない人には「おい見せろ」と威嚇してる風に聞こえるかもしれないがそんなつもりはさらさらない。

ならば威嚇っぽいのはどういうのかというと

「みしょやあ」・「見せろやあ」とかになる。

命令っぽいのは

「みっしい」・「みしょう」・「みせよを」。

「みしょう」が「見せろ」で「みしょうやあ」が「見せて」という「やあ」が入ると柔らかい物言いになるというとこが遠州弁の味噌というかなんというか。

しかしながら「やあみしょう」とやあが先にくると「おい見せろよ」という事になるのはあら不思議。「やあみしょうやあ」となると「お~い見せてくれよお」となるのも摩訶不思議。

「見せて」という以外にも「やってみせろ」とかいう場合でも「やってみしょうやあ」・「試してみろよ」を「試してみしょうやあ」とかいう風に使う。

したがって本当は「みしてみしょうやあ」とか「みしてみしょやあ」であろうが重複するのではしょられているということであろうか。

「やあ」のほかに「やい」と代える言い方もあるが「みしょうやい」とかは使ってる方にしてみれば「やあ」と全く同じつもりなのだが現在の普通の遠州人でも「やい」は「おい」とか「こら」としか聞こえない。

例文

「やあなにやってるだあ。」

  (お~いなにやってるの?)

「おおちっとなあ面白いもんめっけただあ。」

  (うんちょっとね。面白い物見つけたんだ。)

「なによを。みしょうやあ。」

  (何?見せてよ。)

「これでえ。このビデオ。」

  (これだよ。このビデオ。)

「おお!これは。DVD化されちゃあいん映画じゃんかあ。ど珍しいじゃん。どこでめっけたでえ。」

  (おお!これは。DVD化されていない映画じゃないかあ。凄い珍しいなあ。どこで見つけたんだ?)

「だらあ。奥の物置ん中にあっただよ。」

  (だろう?奥の物置のところにあったんだよ。)

「ちゃっと見まいか。」

  (直ぐ見ようぜ。)

「それが駄目でえ。」

  (それが駄目なんだ。)

「なんでえ。けちらんだっていいじゃんか。」

  (どうしてだよ。けちな事いわなくてもいいだろうに。)

「だってベータだもん。」

「なんだよそれ。がっくしだなあ。」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

もちいく

「持ちに行く」共通語に訳すと「取りに行く」。男女共用の表現。

当たり前すぎて遠州弁とは気づかなんだが、どうも方言らしい。

しかし「取りに行く」は「とりいく」と言うから「もちいく」を「取りに行く」と訳すのはなんかざらつきを感じるんだけど「取ってくる」という訳の方が違和感少ないかなあ。でもやはり「持ちに行く」という言い方自体本当に方言なんだろうか。どうも信じ難いがまあ一応遠州弁として記載。

屁理屈で考えると「持ちに行く」だから「もちいいく」であろうが

実際声に出る時は「もちいく」となる。

例文 

「やいやい財布持ってくるの忘れちゃってえ。」

  (しまったあ。財布忘れたあ。)

「いいよわし持ち行くで行かんでも。先い行って。」

  (戻らんでも俺が取りに戻るから先に行きな。)

「置いてある場所分かるう?」

  (どこに忘れて置いたのか分かる?)

「多分タンスんとこだら。入りゃせんつってズボンと格闘してたでえ。そっちんほうに気いいってて忘れかあっただらあ。」

  (タンスのとこじゃないの?無理矢理ズボンはくのに神経集中しすぎて財布の事すっかり忘れたんだろ。)

「いらんこんじゃん。」

  (余計なお世話でしょ。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

まやす

「まわす」(回す・廻す)の訛ったもの。関西系な表現なのだろうか。遠州でも使われるということで記載。

普通に考えると「まあす」に訛るのが遠州弁的変化としての筋というものだが、「返す」を「かやす」というのと同様に「まやす」となる。

当然ながら「まあす」という変化も存在する。

「かやす」(返納する)と「かあす」(裏返す)の違いみたいに明確な使い分けが「まあす」と「まやす」にもあれば説明も楽なのだが実のところそう明確ではない。

「まやす」と「まあす」の使い分けは個人的には「歩き回る」を「歩きまある」といった風に「廻る・回る」という使い方で「まやす」は回覧というか巡り巡るみたいな使い分けをしているような気がする。

従って回覧板は「まやす」・独楽は「まあす」みたいな。というのが一案。この理屈は個人差があるので非常に嘘くさい。

もうひとつは、まったくの集落や個人差によるもので意味の違いなどなく使い分けとかもありえない。という別案。

色々考えられるがどういう理屈が正しいのかは分からない。ひとつ確かなのは「まある・まあった」はあるが「まやる・まやった」という言い方はしない。

例文

「うちんとこに回覧板まあってこんかったでけど。」

  (私のとこに回覧板廻ってこないんだけど。)

「あれえ、まやいたにい。」

  (そんな筈ないよ廻したよ。)

「うそを。いつ?どこんさあに?」

  (本当?いつ?どこに置いた?)

「おっといかやあ。おばあちゃん居たもんで頼むにぃつって渡いたけど。」

  (おとといかなあ。おばあちゃんが居たからお願いしますって言って渡したけど。)

「ほんとにい。分かった。じゃ聞いてみるわぁ。」

  (そうなの?うん、それじゃ確認してみるよ。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

くれまわすという表現

「まわす」という表現の「隅々まで行き渡らせる」という意味を使った言葉を遠州弁にすると「くれまわす・くりまわす」という表現になることが多い。こういった表現は別に遠州独特という訳ではないのだろうが。

こねまわす・こねくりまわす

こづきたおす・こぜくりまわす

かき混ぜる(かき回す)・混ぜくりまわす

つれまわす・つれくれまわす

ふりまわす・ぶんまわす(これはくれはつかないか)

なんで?と言われても説明する知恵がないのだけれど意味が変わることはないことが多い。まあ多少執拗(又はうんざり)な印象は加算されるが。

例文

「あれ?おかしいなあ。迷っただかいやあ。」

  (あれ・おかしいなあ。迷ったのかなあ。)

「おめえなあ。さんざっぱらつれくれまわいといてそれかよ。」

  (あのねえ、散々連れまわしておいてそれかよ。)

「人聞き悪いぃ。ちっとばか間違えたくらいでひゃあひゃあゆっちゃかん。」

  (人聞きが悪いなあ。少しくらい間違えたからって言ってごちゅあごちゃ言うもんじゃないの。)

「いちおぉ聞くけどどこら辺から迷ったっぽいだあ。」

  (一応聞くけどどこら辺から迷ったという自覚があるんだ?)

「そんなの分かりゃ迷わすけえ。」

  (それが分かってたら迷うわけないだろ。)

「ばかっつら。あってたとこからやり直さにゃ着きも帰れもしんじゃんか。」

  (何言ってるんだ正しいとこまで戻らないと着くことも帰ることも出来ないだろうに。)

「そんなことゆったら家まで戻らんとかんじゃん。」

「・・???おんしゃあそこ行くの何度目だ。」

「う~んと・・・2度目かな。」

「帰れ!」

「道分からんで帰れんわ。」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

まぶさす・まぶさる

「まぶす」・「まぶせる」は共通語だが「まぶさす・まぶさる」は方言だろうという事で記載。

「まぶさる」はまぶされているとでも訳せばいいのだろうか。まぶしてあるでもいいか。「まぶす」は「塗す」と漢字で書く共通語であるが、「まぶさる」という表現はさすがになかんべえやということで記載。「~さる」という表現では「とんまさる」(捕まる)・「かぶさる」(これは標準語か)とかと同じ使い方で、「しくさる」(やりゃぁがる)・いいくさる(言やあがる)とかとは異なるものである。

「さる」がすでにまぶしてある状態を指すのに対して「さす」はこれからまぶすという状態を表わす。

例文

「こないだ喰った饅頭旨かったにい。」

  (こないだ食べた饅頭美味しかったよ。)

「どんな感じよ。」

  (どんな味?)

「黄な粉まぶさってて、甘過ぎずでえ。あんこまぶさしゃあともっと美味いかもしれんにい。」

  (黄な粉がまぶしてあって甘すぎない感じかな。あんこをまぶせばもっと美味しいかもしれないよ。)

「いんやあ今で十分甘そうでえの。わしだったらあんこじゃなくて醤油まざした方が旨そうだやあ。」

  (ん~それだけで十分甘そうだなあ。俺だったらあんこじゃなくて醤油まぜた方が旨そうだけど。)

| | コメント (0)

みちゃいん

見てないという意味。

バリエーションとしては「見てへん」・「見とらん」・「見やせん」・「知らん」・「どうだいやあ」

「この仕事片んついただか?」

  (この仕事済んだ?)

「部長のハンコ待ち。」

  (部長の決裁待ち。)

「部長わあ?」

  (部長どこに行ったの?)

「お客と対面中。」

「代理いんだか?」

  (部長代理いないの。)

「みちゃいん。」

  (見当たらない。)

「で、おんしゃ今なにしてるだ。ぷらぷらしてるならこっちちっとてんだえやあ。」

  (それでお前は今なにしてる?遊んでるならこっち少し手伝ってくれよ。)

「随分ないいようじゃん。まあ確かに暇こいてるでてんだうけど。」

  (随分な言い方じゃないか。まあ確かに手が空いてるから手伝うけどさあ。)

| | コメント (0)

~みたくして

~のようにして・~みたいにしてと言う意味。

例文

「なんで物干しの棒ん転がってるだあ。」

  (どうして物干し竿がこんなとこに転がってるんだ?)

「○○が高跳びの棒みたくして遊んでた。」

  (○○が棒高跳びの棒みたいにして遊んでた。)

「やあ、危ねえなあ。どこ飛んでたよを。」

  (危ないことするなあ。それでどこ飛んでたの?)

「隣んちの生垣。飛ぼうとしてたみたい。」

  (隣の家の垣根を飛ぼうとしたみたい。)

「みたい?」

「うん。飛ぶとかの前に棒の先が地面にひっかからんくて飛べれんかったらしい。」

「ああそれで地べた線引いたみたくなってるだか。」

  (成程それで地面線引いたみたいになってるのか。)

「うん、ずっただけ。」

  (そう結局引き摺っただけみたい。)

| | コメント (0)

むつからしい

「そんなねえむつからしいこんゆわれたってわからんやあ。」

もちろん「こむつかしい」とかの方がよく使われるのであるが、こういう言い方も存在する。ではそのニュアンスを説明せよといわれても難しい。

「こむつかしい」が聞いたけど分からんとか理解しようと試みたがダメだったというニュアンスである事が多いのに対して「むつからしい」は、ある意味さじを投げてるというか私のレベルじゃないからといった風の聞く耳持たない白旗状態を示す場合が多い。

そういう意味からすると「むつかしいらしい」と訳すこともできなくはない。

つまり他人事みたいな言い方で使われることが多いのでは。

例文

「あんたねえ、わしにそんなむつからしいこんゆうたって分かると思うう?」

  (あのねえ。俺にそんな難しいらしいこと理解出来るとは思わないだろ。)

「意味知らんくてもやらにゃかんらあ。」

  (意味が分からなくてもやらないと駄目だろ。)

「だいたいがあんたあ。わしにこれやらすっつうんがそもそもおかしいらあ。」

  (そもそも俺にこういうことやらそうって事自体おかしいいと思わない?)

「他に誰いるでえ。おめえしかおりもへんに。」

  (他に誰がいるんだよ。お前しかいないじゃないか。)

「人雇いまい。会社もけちくさいこん言わんで。」

  (会社もさ、けちなこと言わないで人雇おうよ。)

「そんななあえらいさんにゆって。ペーペー同士じゃどうもならんこんだで。ひゃあひゃあいってんでやれやあ。なあ。」

  (そういうのは偉い人に言ってくれ。ヒラ同士じゃどうしようもないことだから。ぶつぶつ言ってないでやれよ。分かった?)

| | コメント (0)

まある

まわるが訛ったもの。

「まあるいお月様」という共通語の表現があるが「丸い」を「まあるい」と表現することがあり遠州でもこの言い方はするのでややこしいことは事実だが実際使っているのだからしょうがない。

「眼が回る」は遠州弁では「めえまある」・「めんまある」となる。決して「メンマある」と言ってるわけではないので間違えないように。

ただし本人は「まわる」といってるつもりだが遠州人の発音の癖として「まある」と言ってしまっているという可能性もあり。

例文

「お~。よう来たしい。まああがってきない。」

「どっから入りゃええで。」

「そこんさあからじゃ入れんでえ。表んまあってきてやあ。」

「そんじゃあ寄らせてもらうにい。」

| | コメント (0)

より以前の記事一覧