1-2・遠州弁あ行

あれ その2

遠州弁あ行

「あれ」

抑揚は「あ」を強く言うもの。

あれ・これ・それ・どれの「あれ」ではない。

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あれ その2

遠州弁あ行

「あれ」

「あれこれそれ」の「あれ」ではない。

「ゆうだあれ」(言うに決まっとろうが)の「あれ」でもない。(この場合は「だあれ」だけど)

「あれ?変だなあ」といった「おや?」という意の「あれ」でもない。

「あれ松虫が鳴いている」の「あれ」。

これの実用編。

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あらすか その2くらい

遠州弁あ行

「あらすか」

北米の地名ではない。

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あれえ その3ぐらい

遠州弁あ行

「あれえ」

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*あおぬく

遠州弁あ行

以下の単語を訳せ

「あおぬく」

レベル 超ヲタクレベル

所によっては意味が違うでしょう。(天気予報風)

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*あたる

剃る(そる)という意味。

「ひげをあたる」という使い方。

「頭やってほんで髭あたってくるわあ」

遠州弁を知らない人には理解不能な表現ということになるのであろうか。「散髪してそれから髭を剃ってくるよ」と言っている。つまり床屋さんに行ってくるからねと言っている。

「かみそりをあてる」といった「あてる」いう使い方はこの「あたる」と同じなのかは定かではないがそういう表現もある。

「ひげをそれよ」を「ひげあてない」と言うかというのは微妙だな。「ひげあたりな」と言う方がありえそうだな。

「そってあげなよ」を「あてたげない」と言うのは言いそうな気がする。

ネットの辞書では江戸語・東京語で、お江戸では「そる」を「する」と発し「する」は忌み詞にあたりそれを嫌って「あたる」を使うようになったと説明がある。

江戸・東京語となっているが、遠州でもこう言う使い手はいるということで記載。もっとも今は死語に近くなりつつあるが。

髭は男のみなので基本男言葉と思われる。無駄毛を剃るのを「無駄毛あたる」という言い方をするということであれば男女共用ということになるが、実際聞いたことがないのでおそらくは男のみの表現であろうと思われる。

「抜く」も「あたる」と言うかというと、。例えば「髭抜き」というのを「ひげあたり」とは言わないのであくまで「剃る」だけであって「抜く」を「あたる」とは言わないのであろう。

例文

「ちっと頭やってくるわあ。」

  (今からちょっと床屋さんに行ってくるから。)

「あんた髪そんなありもしん。それにこないだ行ったばっかじゃん。そんなしょっちゅう頭やり行かんでも済むじゃないのけ?」

  (こないだ行ったでしょうが。髪の毛薄いのにどうしてそんなしょっちゅう床屋に行く必要があるんだよ。)

「失礼こいちゃうやあ。髭は伸びるだで髭あたりに行くだよ。」

  (失敬だなあ君は。髭は伸びるんだから髭剃りに行くんだよ。)

「んなの自分でやれんだけえ。」

  (それくらい自分で剃れないの?)

「プロがやるのは違うだよ。」

「たださぼりい行きたいだけだら。」

  (単にさぼる口実じゃないの?)

注、最後の文は直訳すると「たださぼりに行きたいだけだろう」とするのが正しい。

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*あおむけ

「仰向き」。上の方を向くということ。「あおむき」というよりも「あおむけ」という言い方をする方が多い。遠州弁では普通には「あおむけんなる」で仰向けで寝る(横たわる)という状態を指す。

従って「あおむけ」の逆は「うつぶせ」で「うつぶせんなる」ということになる。

「仰向きになる」とかは共通語であろう筈でそれが「あおむき」じゃなく「あおむけ」と言う事が多い程度のことは方言の部類に入るものではなかろうと思われるが一応こういう傾向は地方性があるかなと思って記載。

このほかにも遠州に於いては集落によって言い方が異なっている。

たとえば「ああむけ」・「あおのけ」・「ああのけ」とかが主に使われる集落があるそうな。これが遠州弁特有の表現なのかは定かではない。

そこでネット辞書で調べてみると「あおむく」(仰向く・あおむけるの文語形)・「あおのく」(仰のく・あおのけるの文語形)と記載されている。「あおむけ」・「あおのけ」もネット辞書に記載があった。なので方言といえるのは

「ああむく」と「ああのく」といった「あお」(仰)が「ああ」もしくは「あ~」となった場合であろうか。

つまり「のく」・「むく」はどちらを使っても(なんで「向く」が「のく」になるのかは知らないが)共通語の範疇で「あお」を「ああ」と発する部分が方言的ということになるのであろう。

ちなみに私が育った集落では「あおむけ」であり「ああ」・「あ~」とは発しなかった。

例文(注、下ネタの下品な例文ですのでそういうのがお嫌いな方はパスしてください)

「○○さんお入りください。」

「お願いします。」

「どうしたでえ。」

  (どうされましたか。)

「朝からどうにも下腹が痛くて。」

「そりゃかんねえ。ほいじゃ診てみるでそこんさあああむけなってみてやあ。痛くてああむけんくなってるならうつ伏せでもいいだけえが。」

  (それはいけませんねえ。それでは診察しますのでそこに仰向けになって寝てください。仰向けだと痛くて堪らないという事であればうつ伏せでも構いませんが。)

「あのう・・先生私お腹痛いんですけど。」

「さっき聞いたにい。」

  (さきほど伺いましたよ。)

「それに、なんというか私包茎とかじゃないんで・・・・。嗚呼剥けんとかで痛いという事ではないんですけど。」

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*あんなあ

「あのなあ」と「あんなの」。もちろん同じ言葉ではない。遠州弁という訳ではなかろうが一応記載。どちらも男言葉で女性の場合だと「あのねえ」か「あんたねえ」と「あんなん」か「あんなの」辺りであろうか。

関西寄りの表現っぽくもあり。遠州は関東と関西が入り混じってるといわれるが、確かにそう思える言い回しであろうか。遠州弁での受け取り方のニュアンスは以下のような感じであろうか。勿論個人差があるのでこうだと言い切る事ではない。

「あのなあ」という意味では「あのねえ」という言い方も使われる。「あのねえ」と「あんなあ」の使い分けについては、「あのねえ」は横目線で「あんなあ」は多少上から目線という感じの違いになる。

「あんなの」という意味使いの「あんなあ」においては「あんなの」という見下した意味合いと「ああいうの」(ああいったもの)といった単に比較対象の相手という意味使いの両方が使われるので言い方を間違えると何を偉そうにと誤って受け取られる事がある。

「あんなあと」で「ああいうのと」、「あんなあは」で「ああいうのは」、「あんなあが」で「ああいうのが」。「あんなあで」で「ああいうので」、「あんなあも」で「ああいうのも」などという風に訳すのがスムーズである。もちろん「あんなの」の意味使いでも同じである。

例文

A「遅いじゃんなにやってたよを。」

C「わりい。腹減ったしベンチ見えたもんでちょっと道外れて休憩してた。」

B「あんなあ、勝手にちんたら動いてちゃかんて。」

  (あのなあ、勝手にプラプラ動いちゃ駄目だって。)

A「そうだよを。一緒に登り始めた衆 はあとっくに着いてるだにい。見てみい。頂上で手え振ってるにい。」

  (全くだ。一緒の登り始めた人達もうとっくに着いてるんだぞ。ほら見てみなよ。頂上で手を振ってるだろ?)

C「あんなあと一緒にせんでやあ。装備とか見りゃ判るじゃんレベルの違いがあ。」

  (ああいう人達と一緒にしないでくれよ。装備とか見ればレベルが違うって分かるだろうに。)

B「おんなし人間じゃん。」

A「つうか素人だもんで余計余分な事しちゃかんだよ。事故の元なんだから。」

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*あんた

「あんたどうすんの」(あなたはどうするの?)

といった「あなた」(貴方)という意味使いもするところであるが。

「あんたさあどうすんの」(あのねえ一体どうするんだい)

といった風に遠州弁においては「あのう」や「そのう」と同じうまく言葉が出なかったりする時などにつなぎや呼びかけとして使う語として「あんた」が使われる事が多い。

男女共に使うが頻度からして女性言葉という感じである。男は「やあ」・「なあ」・「あんなあ」とかをよく使う傾向にあり「あんた」の使用はすけない(少ない)。

他の言葉としては「おい」・「ほい」とかがあるが「おい」も「ほい」も多少の緊急性が伴うが「あんた」・「あれ」とかには「おい」・「ほい」程には取り急ぎ感は感じられない。

それと緩衝というか言い方を柔らげる効能が「あんた」にはある場合がある。

「急ぎの用あって電話しただに、あんた全然出んじゃんなんで出んよ。」

この場合「あんた」には「あのねえ」と呆れてる要素が含まれ、「あんた」を抜いた場合には何故出ないという事を詰問する勢いになる。

相手に気を遣うとかではなく自らの怒りを抑える為に付す場合もある。

例文

「あれえ、あんたあれだにい。ほい。ちょっとを」

「なにい。なによを。あんたなに言いたいだよ。」

「いや大したこんじゃないだけえがあれだよ。」

「だでなによを。言いたいこんあるならはっきしいいない。」

「あんたん着てるのあれだにい。後ろ前だにい。」

「なにがあ。どこがよを。別に後ろ前じゃありもしん。」

「名前が出てこんだよ。なんつったっけか、その~。それ。」

「も~やっきりするやあ。なにい。」

注、服に詳しくないので思い付きません。なので「それ」は何を指すのかは想像にお任せします。

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*あおたん

内出血して青あざになっている状態を指す。

花札からきた用語ではおそらくはないので「あかたん」というものは存在しない。出血とかして赤くなったあざを「あかたん」と言う事はないのである。「あおたん」のみが存在していて他の色の「たん」は存在していない。

「あおたん」の「あお」は「青」で間違いないであろう。見えたまんまだし。

「あおたん」の「たん」が問題というか何?というところが味噌であろうが

「たんこぶ」の「たん」と同じなのであろうか。しかしながら「たんこぶ」は「こぶ」の意の俗語的表現。と辞書にあるが「たん」は辞書に載っておらず「たん」って何?というのが分からないので同じかどうか判断できない。

「痣」(あざ・し)に「たん」という読みはないだろうし。

つまり分かっていないけど使ってるということであるので、どなたか「たん」を説明できる方がおられたらご教授願いたいものである。

例文

「さっきそこでおもいきっさひっころんでど痛てえやあ。」

「どれ、みしてみい。どこぶつけたでえ。」

「ここんさあだと思うだけえが。自分じゃめえん。」

「あれえホントだあおたんできてるじゃん。」

「ほんとにけえ。医者行った方がいいかねえ。」

「これっぱかつばつけときゃ治るらあ。」

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