1-2・遠州弁ひ行

ひゃっこい その2

遠州弁ひ行

「ひゃっこい」

の使いどころを勘繰ってみる。

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*「ひづるしい」か「ひずるしい」か

私は「ひづるしい」だと思っている。

「ひ」は日差しの「日・陽」で異論はないところであろう。「ひづる」ということではないだろうなと。つまり「ひ」+「づる」+「しい」ではなかろうかということ。「しい」は「馬鹿らしい」とか「わざとらしい」とかの「しい」であろうかと思える。

問題は「づる」であるが日差しがまぶしいと言っている訳で「陽」+「辛い」+「しい」と想像するところ。

「つらい」から「づる」に変わる変遷が想像出来ないところが難点ではあるし、「ひづるしい」以外「辛い」という意味合いで「づる」という言い回しになる言葉も思いつかないところもあって説得力には欠けるところではあるが

とにかくもし「づる」=「辛い」ということであれば「やりづらい」・「やりずらい」どっちが正しいかといえば「やりづらい」が正しいように「ひづるしい」・「ひずるしい」どっちがとなれば「ひづるしい」だということになるのでは。

で、「づる」は置いといて今度は「しい」。

辞書とかの説明では「しい」は強意を表わすということであるらしいが「憎い」と「憎らしい」では「憎い」の方が意は強く「憎らしい」はそれよりも意は弱めた言い方ということになるそうな。「憎たらしい」はどのレベルになるんだろ。

「らしい」は~という気持ちを起こさせる・~と感じられると説明されていた。

「しい」も「らしい」もどちらも断定を弱める効能があるのだとしたら「ひづるしい」を強めた言い方は「ひづるい」ということになるのであろうか。もっとも「ひづるい」・「ひづい」とかいう言葉は聞いたことは無いが。

まあとにかく「陽辛いらしい」ということで目を開けていられない状態程ではなく目を細めないといられない状態を指すという解釈が「ひづるしい」に当てはまるところと思われる。

つまりなんとか我慢できる範囲の眩しさの場合に「ひづるしい」を使いこの上となると「目え潰れる」・「開けてれん」・「目えおやす」とか言うことになるかな。

漢字から推測すると太陽が眩しいというものであって光が眩しいのではないので頭で考えると車のライトが「ひづるしい」とは言わない訳であるが実際には眩しいものに対して結構使われている。

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*ひっぽかす

「ひっぽらかす」という言い方もする。

ニュアンスを説明するのが難しい言葉である。

「ぽ」は「放」であり、それに「ひっ」と「かす」というぞんざい表現が二重にくっついてるものであり、超雑な「放す」行為といった感じであろうか。「ほっぽかす」より度合いが強くなる。

他の「うっちゃらかす」・「ほうらかす」等と較べてもこれらの上を行くあれまあな放す行いということであろう。ただし順位というか比較することは難しい。

そもそもどういう状態を「ひっぽかす」というのかというのも説明が難しいところである。感情的に「むっ」ときていて反抗的な態度という趣もあるにははあるが、どちらかといえば感情とは関わりなくそもそもが雑な性格によってぞんざいな態度という場合で使われている事の方が多いように思われる。

設定、子供が学校から帰ってくるやいなや鞄を放って遊びに行っちゃうという状況で違いを考えると

「かばんうっちゃらかいちゃ駄目じゃん」

捨ててくようなという勢いでまるでもう用済みかのように映る様に対してものを邪険に扱うなと言っている。

「かばんほうらかいちゃ駄目じゃん」

放るものではない。つまりものを大事にしろと言っていると共に壊れたらどうするんだと丁寧な扱いをしなさいと諌めている。

「かばんひっぽかいちゃ駄目じゃん」

かばんをなんだと思ってるんだ。壊すつもりなのかくらいの勢いの感じで壊したらタダじゃ済まないぞと叱っている。

いずれも感情的に物(鞄)に当たってる訳ではないところであるが、物に当たるんじゃないみたいな言い方をする場合には

「かばん投げつけちゃかん」・「かばんに当たるじゃないにい」辺りとなろうか。

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*ひづるしい

「眩しい」と言っている。

「ひ」は「陽」又は「日」であろうからあくまで日差しに対して使うものであろう。

どの程度の眩しい事を指すのか、目が眩むのか目に刺さるのかなどについては、段階を表わすみたいな他の表現が思い浮かばないので眩しいと感じればとにかく「ひづるしい」という事なのであろう。

私は性格も悪いが目も悪いのでとにかく晴天で外に出れば目を細めなければ居られないので「ひづるしい」の連発である。個人差が大きいんだろうな。だから基準が決められないから眩しければとにかく「ひづるしい」んだろうかな。

書き方として「ひずるしい」か「ひづるしい」のどちらが正しいのかという事については全く定かではないが「ずる」という語呂がどうもなので「ひづるしい」を選択した。「日出処」とかだと「ひいづるところ」で「ず」ではなく「づ」だし。なんとなくね。

静岡県ほぼ全域と三河で使われてる言い回しらしく、モロ遠州弁ということではないらしい。

例文

「おお。真っ暗じゃん。はあ夜けえ。どんばえ~なあやあ。あっちゅう間だったなあやあ。」

「確かに。映画館入る前はひづるしいくらいだったでの。」

「やっぱあれだな。面白い映画観ると時間忘れれるもんで、外出てこう暗いとなんかさあ、現実に戻ったって感じするの。」

「別世界に行ってたみたいってか。」

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*必死こいて

「懸命に」とか「頑張って」とかいう意味合いで使われる表現。「焦って」とかいう「急く」というニュアンスで使われることも多い。イントネーションも共通語とは異なる。

まあ訳については単純に「必死に」ということでもいいのだけれど「死に物狂い」という勢いではないので「必死に」だとニュアンスが若干伝わらないところである。

基本真剣味(真面目さ)は薄く言い訳っぽい感じがする。男女共用だがやや男言葉寄りと思われる。

例文

「時間なくなってきたもんで必死こいてやっただよ。」

「どこがよを。全然できてもしんに。」

「まあそをいわすとを。これん精一杯の限界だで勘弁してやあ。」

「時間なくなる前何やってたよを。」

「寝えってた。」

「ばかっつら。何が必死こいてだあ。」

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*ひっこまったところ

「奥まったところ」と言っている。感覚的には「見えにくい・判りづらいところ」・「陰に隠れるような処」といった感じか。

「ひっこまる」だと共通語にどう訳せばいいのかはたと困ったので「ひっこまったとこ」とした。遠州弁独特ということではないみたいだがその訳を示すところは見当たっていない。

「ひっこまる」は「引っ込める」ではない。他所の地域では「お腹を引っ込める」というのを「お腹をひっこまる」と言うところがあるらしいが遠州ではそういう使い方はしない。「そんな危ないものひっこめとけ」というのを「そんな危ないもんひっこましとけ」とは言わないのである。

やはり「奥まる」というのが一番近いのだろうか。「ひっこまった」であれば「引っ込んだ」というのも近いが微妙に異なる。「へっこんだ」(へこんだ)という言い方もニュアンスが近いのだがぶつけて「へっこまる」(へこむ)はするがぶつけて「ひっこまる」ことはないのでやはり違うか。

いずれにせよ「奥まる」も「ひっこまる」もあまり使わない言い回しで「奥まった」・「ひっこまった」という言い方のほうが日常的であろう。

例文

「ねえあれどこやったあ?」

  (ねえあれどこやったか知らない?)

「出しっぱあでしょんないもんでかたいたにい。」

  (出しっ放ししといて邪魔でしょうがないから片付けちゃったよ。)

「どこによを。」

  (どこに?)

「非常口んとこの通路のひっこまったとこんスペースあるらあ。そこ置いたにい。」

  (非常口の通路の奥まった所にスペースがあるでしょ。そこに置いたよ。)

「いやだやあ。うっちゃられたらどうしてくれるよを。」

  (なんだよ。捨てられちゃったらどうしてくれるんだよ。)

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*びっけ

「びり」。「びりっけつ」がはしょられて出来た表現であろうか。

子供の時分によく使っていたが大人になると「どべ」・「けつ」・「どんけつ」とか言うようになったので子供言葉であろう。この言い方が遠州弁の言い回しなのかは不明であるが、ネットで調べると関東辺りでも近い言い回しがあるみたいなので、うちんとこの衆らの勝手な造語ということではなさそうでちゃんと存在しているのは間違いないところであろう。というかむしろこういう言い方を遠州でもしてたという言い方の方が正しいか。男子女子共用の言葉。

使いどころはなにせ大分前の事なので細かいことは思い出せない。が、悪意や中傷の籠もった表現ではなかったような気はする。

例文

A「やあ、野口公園集合な。」

  (いいか野口公園に集合だぞ。)

B「何時にい。」

  (何時にだよ。)

A「家にカバン置いたらちゃっとでえ。」

  (家にカバン置いたら直ぐに来るんだよ。)

C「そんなどいい加減でいいだか。」

  (そんな大雑把でいいのかよ。)

A「びっけの奴みんなでしっぺな。」

  (最後に来た奴は皆からしっぺということで。)

D「それずいぶんじゃんわし一番遠いだに。」

  (それはないよ僕が一番遠いんだから。)

A「ダメ、はあそう決めただで。」

  (問答無用。もうそう決めたんだから。)

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*ひらう

「拾う」(ひろう)の訛った表現。ほぼ年寄り言葉。男女共用で使われる。

なんか旧仮名遣いみたいだが実際にそう言う。

「落ち葉拾い」を「おちばひらい」とは普通言わないが「葉っぱを拾いなさい」とかでは「葉っぱひらいない」とか言う風に使う状況に応じて訛る。

例文

「あんたこんなのどこでひらって来たよを。」

  (あんたこんなのどこで拾って来たの?)

「失礼しちゃうやあ。買って来ただよ。ちゃんとしたパンツだでねえ。」

  (随分なこと言ってくれるじゃない。買って来たの。ちゃんとしたパンツなんだから。)

「うっそだあ。落ちてたのひらって来たとしか思えんにい。穴んぼこぼこ開いてるしい。」

  (信じられない。落ちていたのを拾って来たとしか思えない。破れがそこいらじゅうあるじゃないの。)

「馬鹿こいちゃかんて。結構しただにい。」

  (冗談じゃないわよ。結構したんだからね。)

「やんぶれたズボンなんかなに使うよを。わきゃあわからん。」

  (破れたズボンなんか一体何に使うの?訳が分からない。)

「いいだよ分からん衆に何言っても無駄だで分からんでもを。」

  (いいの分からなくても。分からない人に説明しても無駄だから。)

「そんなんで外歩くじゃないらねえ。こぶしょったい。」

  (それはいて外に出るんじゃないでしょうね。見苦しい。)

「いらんこんじゃん。」

  (余計なお世話。)

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*ひどいことゆう

「きついこと言うなあ」というニュアンスの物言い。多少むっとしている状態であることが多い。

「ひどい」は漢字で書くと「酷い」・「「非道い」と二通り辞書に記載されてるが此処での場合は「非道い」という意味での使い方であろう。残酷な事言うということでも使われたりもするが、人の道を外れてるみたいな思いやりのなさを指すつかいかたの方が多い。

「ひどいことゆうやあ」の記事でも書いたが「やあ」がつくと「勘弁してよと」いう感じになる事が多いが「やあ」がつかないと「そんな言い方しなくてもいいでしょ」みたいな勢いになることが多い。

より強く反論する場合は男言葉なら「なんちゅうことぬかすだあ」女言葉なら「なんちゅうことゆうよを」とかになる。こちらは「ふざけんなよ」並みの怒った状態に近い。

もちろんいずれも物は言い様なので言い方のニュアンスによりけりで変化はあるが。

例文

「こんだけバーが高くなるとなかなか跳べる奴いんなあ。だけん次のあいつなら跳べそうだなあやあ。」

「あいつじゃ跳べんよ。」

  (あいつには跳べないよ。)

「なんで?中学の時分高飛びやってたって言ってたにい。」

  (どうして?中学で高飛びやってたって言ってたよ。)

「だってこないだ彼女に振られたばっかだもんで心が沈んでる分重たくなってて高く飛べんだもん。」

  (なにしろこの間彼女に振られたばっかだから心が沈んでる分重くなってて高く飛べれないからね。)

「ひっでえことゆう。本人にいったらすかぁ。」

  (随分な事言うなあ。それ本人に伝えてやろうか。)

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ひつこい

「しつこい」の「し」が「ひ」に訛った表現。個人差があるので遠州人が皆そう言ってる訳ではない。

共通語だけれど「こい・こく」とつながると遠州弁っぽくなる表現である。

個人的な解釈であるが、この表現の便利なところは「執拗に」(しつように)の「執こい」が「ひつように」(必要に)の「必こい」とも誤って聞こえるので若干波風が穏やかになる効能があること。

余談だが「必要に迫られる」はあるが「必要に迫る」という日本語は存在しない。「執拗に迫る」と勘違いしたものであろう。

「し」が「ひ」に変わるのと似たようなものでは「思い出して」を遠州弁だと「おもいだいて」となるのであるが、この表現だと「思い抱いて」(おもいだいて)とも解釈できなくも無い掛詞っぽくなる曖昧さがでてくる。

根拠がある訳ではないがどちらかというと遠州弁は「し」を嫌がる傾向にあるのであろうか。言ってる本人は意識していない場合が多いが「しっちゃかめっちゃか」を「ひっちゃかめっちゃか」という人もいる。さすがに「しんぶんし」を「ひんぶんひ」という人はいないが。「ヤル気出して」は「ヤル気出いて」とか言う風に「し」は「い」や「ひ」とかに変わる傾向になるのは確かであろう。「お金貸して」を「お金貸いて」とは言わないが「返して」は「かやいて」と言う。

脱線したが、「し」と「ひ」の入れ替えは江戸の言葉とは逆ともいえる。東を「しがし」とか人を「しと」とかいう言い方は遠州ではまずしない。そういう意味では関西系の表現になるのであろうか。

「ひつこい」を「ひっこい」という人は流石にいない。

例文

「馬鹿ひつこい。」

  (も~しつこいんだからあ。)

「なにがあ。」

  (どうしたの?)

「聞いてやあ。あそこんさあに座ってる客。さっきいから馬鹿何回もまだでけんだかって言ってくるだにい。」

  (聞いてよ。あそこに座ってるお客。さっきから何度もまだ出来ないのかって行ってくるの。)

「注文わあ。」

  (何頼んだの?)

「○○の修理。小1時間くらい掛かりますよっつってええよっつうもんで待っててもらってるだけどやあ。5分おきくらいにまだかまだかってひつこく聞くだよ。」

  (○○の修理。小1時間程掛かりますけどって言って了承して待っててもらってるんだけど。5分おきくらいにまだかまだかってしつこく聞いてくるの。)

「やっちゃおれんの。」

  (やってられないね。)

「だらあ。おこらんだけましだけど。なんしょひつこいだよ。」

  (そうでしょ。怒り出さないだけましなんだけど。とにかくしつこい。)

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