1-2・遠州弁つ行

つえれん

「と言えない」と言っている。「つ」を「ちゅ」に替えても意味は同じであり使い分けは個人個人の趣味であろう。男女兼用の表現。

「とは言えない」だと「たあゆえん」、「とは言い切れない」なら「たあゆえれん」。

言いたくても言えれないの「と言えない」の場合は「とをゆいえん・ゆえれん」・「と言えれない」なら「とをいいえれん・ゆえれえへん」などなど。

と言った風に、「と言う」を「つう」という言い方は結構少なく殆どは「ゆう」のままである。

例文

「まかしょっつえれんとこが厳しいとこだの。」

  (それはおお任せなよと言えないな。)

「なんでえちょっと店番しててってだけじゃん。直ぐ戻って来るだもんでいいじゃん。」

  (どうして?ほんちょっと店番しててってだけだろ。直ぐ戻って来るって言ってるんだから構わないだろう。)

「店番がじゃなくてなにせい行くかがの。」

  (店番が厭と言うことじゃなくて何しに席外すのかが問題なの。)

「なにい。なんかかんだか。」

  (なんだよなんかいけないのか?)

「普通しんらあ。仕事ほっぽらかいてお昼の弁当買いいかすっつうのは。」

  (常識としてしないだろう。仕事中に持ち場放棄してお昼の弁当買いにいくってのは。)

「ちゃっといかんと欲しいの売れちゃうだもんしょんないらあ。おめえの分まで買ってこすでやあ。」

  (直ぐ行って買わないと欲しいのが売り切れちゃうんだから仕方ないだろ。君の分まで買ってきてあげるからさあ。)

「いらんわあ。学校のコロッケパンじゃあるまいし。ガキみたいなこんぬかしてるじゃねえよ。」

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一個っつ

「いっこっつ」。一個ずつという意味。要は「ずつ」(宛)を「っつ」と言うということ。

この表現が遠州独特ではないのは重々承知してるが全国津々浦々使われているのかどうかとなると疑わしいので記載。まあこういう言い方をしないとこの方が少ないのであろうが。

「一個ずつという事になってる」というのだと「いっこっつっつこんになってる」又は「いっこっつっちゅうこんになってる」という風になる。もっと崩せば「いっこっつっつうこんだでねえ」。

じゃあ数が増えて「ふたつっつ。にこっつ」・「みっつっつ」~「ここのつっつ」とかいう言い方は存在するかというと、存在する。しかも10でも「じゅうっつ」100でも「ひゃくっつ」と言う風にたとえ億でも使うであろうという勢いである。

例文

「あんたなにぞんざいに並べてるよを。」

  (あんた何ぶっきらぼうに並べてるの。)

「いいじゃん別にい。並んでりゃいいだらあ要は。」

  (構わないでしょ。要するに並んでればいいんだから。)

「みばよくありもしん。きちんといっこっつ揃えてかんと駄目じゃん。」

  (見た目が悪いでしょうに。ちゃんと一個ずつ揃えていかないと駄目でしょ。)

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つってんだらあ

「嫌だっつってんだらあ」。「嫌だって言っているでしょ」ということになる。

では誰が嫌だと言っているか。自分なのか他の誰かなのか。正解は多分自分。

「だで嫌だっつってんだらあ。」とかいう使い方になる。

「嫌だっつってるらあ」だと「嫌だって言ってるでしょ」と他人が言ってることになることもある。

もちろんそうだと決められた使い分けがあるということではないが。

例文

母「なにあんたあぐずってるよを。」

  (何をあなたはぐずってるの。)

子「だってえ・・・・」

父「ほれみいこの子嫌だっつってるらあ。」

  (ほらあこの子嫌がってるじゃないか。)

母「なんでえちょっと行ってくるでここで大人しくしてなさいっつってるだけじゃん。それんでけんの?」

  (どうして?ちょっと行って来るからここで大人しくしてなさいっていってるだけでしょう。それがなんでできないの?)

父「嫌みたいだの。」

  (我慢できないみたいだね。)

「もうホントぐずだで嫌い。もうしょんないでやっぱあんた行ってきてやあ。」

  (もういやんなっちゃうんだから。仕方ないからやっぱりお父さん行って来て。)

「わしさっきいから嫌だっつってんじゃん。だでおんしゃあ行くっつうこんなったじゃんかあ。」

  (オレがさっきから嫌だっていってたから母さんが行くことになったんじゃないか。)

「も~親子してしょんない。」

  (も~親子でどうしようもないんだから。)

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つんつるてん

短いとか丈の合わない服を着ている様。特に遠州弁ということでもなかろうが遠州でも使ってるよということで記載。

服が弾けそうなくらい突っ張ってつるつるてかってる風に聞こえる感じであろうか。似たような表現で「ちんちくりん」というのも使われているがこちらは他の地域では中傷的意味で使われているようであるが遠州地域では「つんつるてん」とほぼ同様のサイズが合わないことを意味し中傷的な要素はない。

例文

「あれえ。つんつるてんだねえ。太った?」

「馬鹿こいちゃかん。何年前の服だと思ってるよを。後生大事にたんすの肥やしにしといたのなんで今頃出して着させるよを。」

「なにゆってるよを。子供じゃあるまいしはああんた背えなんか伸びもしんに。やっぱ太っただらあ。」

「質問に答えちゃいんじゃん。話しそらいちゃかんて。」

「なんだっけか。」

「なんでこんな昔の着せるだっつうの。」

「いんやあ。なんとなくそうゆやあこんなんのあったなあと思って。なんで思い出いただかいやあ。」

「これって確か面接行くに着た服じゃなかったっけか。」

「あ~そうそう。そーだった。ほんでだわ。」

「なにがあ。」

「あんた今日大事な日だら?だで縁起のいい服の方がいいかなと思っただよ。」

「嘘こいちゃかん。わしのスーツボケこいてみなきしクリーニング出したの誤魔化したいだらあ。」

「なんで知ってるよを。」

「図星かい。」

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つったってねえ

そんな事言ってもねえという意味。

突っ立ってないでとかいう意味ではない。

反論をする際に使われる。より強く反対するような場合には「なにゆってるよを」・「あんたなに寝言こいてるよを」とかを使う。弱めにする場合は「ほんでもねえ」・「つうかやあ」。

例文

「はあ、たいがい済んだらあ。結構早く済んだなぁや。あたぁちゃっと片して帰らまいか。」

  (もうだいたい終わっただろ。思ったより早く済んだね。後はそそくさと片づけして帰ろうよ。)

「つったってねえ。時間までおらんとかんらあ。」

  (そういうけどねえ。時間まではいないとまずいだろ。)

「いいじゃん別にい。固いこと言うなやあ。」

  (いいだろ別に。固いこと言うなよ。)

「なんか忘れちゃいんだか?こんな早くに終わる訳ぁねえら。」

  (なんか忘れてるだろ。こんな早く終われる訳ないって。)

「ふんだだこたああらすけえ。腕んよかっただあれ。心配しくさらんでもいいって。」

  (そんなことはないよ。腕がよかったの。心配しなくてもいいって。)

「そをゆう問題か?」

  (そういう事で済むのか?)

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つーこたあなにっ~って言いたい訳?

共通語にすれば、と言うことはなんですか~と言いたい訳ですか?

よく日常会話の中で使われる言い回し。「って言いたい訳」の部分を省略しても意味が通じる場合もある。

例文

エレベーターで警告音が室内に鳴り響く

C「やあ、重いってよ。誰か降りよやあ。」

  (ねえ、エレベーターが重いって言ってるよ。誰か降りなさいよ。)

B「そりゃいっちゃん重量増に貢献してる人のこんだらねえ。」

  (そりゃあ一番重量増に貢献してる人ということになるんだろうねえ。)

A「なによを、みんなしてわしの顔見てえ。つーこたあなにっ?わしんいっちゃん重いで降りろって?失礼しちゃうやあ。」

  (なんで皆私の方を見る?ということは私が一番重いから降りろって言いたい訳?失敬だなあ。)

B「冗談だって。誰もそんなこんおんしゃだってひとっこともゆってもしんにい。」

  (冗談だよ。だれもそれは君だなんて一言もいってないだろ。)

A「ゆっちゃいんくたって眼でこいてるじゃんかあ。」

  (言ってなくたって眼で訴えてるじゃないか。)

C「なんで見てるかっつったら、おんしゃいっちゃん最後に乗っただで降りよやあっつうこんでえ。」

  (なんで見てるのかっていったら。君が一番最後に乗ったんだから降りるべきじゃないのかってことだよ。)

A「ほんだったら最初っからそをゆやあ済むこんじゃん。体重がどうたらこうたらゆうもんでえ怒れるだよ。降りすけどあったあきたで屁えこいってってやる。」

  (それなら最初っからそういえば済むことだろうに。体重がどうのこうの言うから気分悪いんだよ。降りるけど頭に来たからおならしてってやる。)

一同「やあ、馬鹿っつらホントにしてきゃがった。くっせえ~。」

ドアが閉まりエレベーター内の悶絶悲鳴が室外にまで聞こえ来る。

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つうかやあ

「というかねえ」という意味。

聞きなれない人にとっては、「あのなあお前」みたいないきりたったニュアンスにとられるが決してそんな事はなく、あくまでも普段のニュートラルな感情での表現である。

ほぼ野郎言葉なので女性の場合は「つうかさあ」になることが多い。

例文

「どっちにせまいかなあ。青もええし黄いないのも捨て難いやあ。」

  (どっちにしようかな。青もいいし黄色のもいいんだよな。)

「どってでもいいじゃん。つうかやあ。なんであんたそんなの買うよを。」

  (どっちでもいいだろ。って言うかどうしてそんなの買うの?)

「いいじゃん別にい。好きだもんでえ。」

  (いいだろ別に。好きなんだから。)

「まあええけどさあ。どうもここんいづようないではよ決めてくれるとありがたいだけどねえ。」

  (まあいいんだけどね。でもどうも此処は身の置き場がないから早く決めて欲しいんですけど。)

歳を重ねるとどこでもなんでも買えると思ってた。18禁や未成年は駄目みたいなものが買えない頃は本気でそう思ってた。

だけどそうでもないものである。年取ると一例としてアイドルとかいうエリアには入れなくなる。その年代でなければ買えない物は存在するのだ。背伸びしたり後退すると恥ずかしいものである。旬というのは相手の問題ではなく自身の期間を指すことでもあろう。今何気なく買えるものでもその内買いづらくなってくるものだ。大人買いが嫌われるのはそういう領域に勝手に入り込んでくるからなんだろうなと思えなくもない。

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つんぶした

潰した壊したという意味。

詳しい話しは「つんぶれる」(つぶれる)でしてあるので略。

例文の訳もついでに略。

例文

「家寄ってくけえ。まあ上がってきない。」

「まあた どうせ どんぎたなく してるだらあ。」

「失礼しちゃうやあ。けっこかないけど足の踏み場くらいはあるにい。」

「なあんか踏んづけてつんぶしたら一生ゆわれそうだで遠慮しとくわあ。」

「おお そうけえ ほいじゃ またなっ。」

「またのっ。」

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つれくれまわす

連れまわすという意味。強引な印象を与える表現。

例文

母「あれえこの子寝えっちゃってるじゃん。」

  (何?この子眠っちゃってるじゃないの。)

妹「あんにいが自分行きたいとこつれくれまわすもんで弟疲れかあって寝えちゃっただよ。」

  (お兄ちゃんが自分の行きたいとこに連れまわしたもんだから弟が疲れ果てて寝ちゃったの。)

母「お兄ちゃんあんたねえ。自分勝手なこんするじゃないにい。」

長兄「こいつ(妹)だって同罪だでねえ。わしばっかのせいじゃないでねえ。それにおぶうにどんもかっただでねえ。」

  (妹だって同罪だよ。自分だけのせいじゃないんだから。それにおぶるのに凄く重かったんだから。)

母「だでなによー。下の面倒ちゃんと見んもんでじゃん。偉くもなんともないわあ。」

  (それが何?下の面倒きちんと見ないからでしょうに。そんなの偉くなんかないわよ。)

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つおい

強いと言う意味。アラレちゃんがよく使う言葉として認知度も高く、名古屋発信の日本全域で使われる言葉であろう。

これを方言しかも遠州弁として挙げていいものか疑問が残るがアラレちゃんがもし言っていなくとも使っていたことは確かなので一応記載。ただしやはり名古屋から流れてきた言葉のような気はする。マンガ発信の造語ではないということ。

例文

A・「ちゃっとやらすかと思ってがんこ火ぃつおくしたもんでお湯ぅちんちんになっちゃった。」

  (急いでやろうと思って強火にしたらお湯が沸騰しちゃったよ。)

B・「まあええよ、ちゃっと茶ぁ入れて客んとこ持っていきない。」

  (構わないでしょ。直ぐお茶入れてお客さんのところに持っていきなよ。)

C・「あんたねえちんちんじゃ茶ぁまずくなるにい。客にゃあ出せんらあ。」

  (あのねえ沸騰したお湯だとお茶が不味くなるでしょ。そんなのお客さんにだせないよ。)

A・「ほいじゃ水で薄めるか?」

  (それじゃあ水で薄めようか。)

B・「そんでええらあ。ほんでちゃっと茶ぁ入れて客んとこ持ってきない。」

  (それでいいんじゃないの。早速それでお茶入れてお客さんのところに持っていきなよ。)

C・「あんたらねえ。」

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