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もちくる その3

遠州弁ま行

「もちくる」

他所ではこういう使い方はしないらしく、どうもモロな遠州弁らしい。

ところでこの言い方のニュアンス。

「もち」を「受け取る」と説明したのであるが、もう少し詳しく述べると

「とりくる」と「もちくる」とではそのニュアンスが異なるものである事が多い。

「とりくる」(取り来る)だと置いてあるものを取りに来るといった感じで人を介さない勢いが強い。(勿論誰か居れば断りをいれるのが礼儀というものであるが)

「もちくる」(持ち来る)では手渡しもしくは了解を得てという為に来るといった人を介す勢いが強い。

あくまで傾向であって必ずこうなるものではないが。

したがって、渡す側は「とりくる」の場合不在・留守であっても構わないが「もちくる」だと迎え入れなければいけないので(授受を要すべきなので)待っていなくてはいけない。

例として

「やあ、鍵とりくるで」となれば続くのは「分かるとこ置いとけやあ。」

「やあ、鍵もちくるで」であれば続くは「ちゃんと居ろよ。」・「ちゃんと渡せよ。」

などという風になる。(注、厳密な使い分けではないので必ずこの場合こうなるというものではない)

他の例として「とりいく」と「もちいく」の場合

「やあ、事務所にあるで○○とりいって来い。」は「事務所にあるから取って来い。」で多分に自分の持ち物(もしくは自分に権利が有る物)をいう事が窺える。事務所に誰もいなかったので勝手に持ってきたとしても後で揉めたりすることはあまり無さそう。

「やあ、事務所にあるで○○もちいって来い。」だと「事務所に有る○○を貰って(もしくは借りて)来い。」といった感じで自分の持ち物ではない事が多い。事務所に誰もいなかったからと断りなしに持ってきてしまうと後で揉めたりすることがあり得そう。

「もち」は「もらう」(貰う)・「与かる」といったニュアンスが含まれるといった感じであろうか。

繰り返すが厳密な使い分けが成されている訳では無いのであくまで傾向である。

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