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*なによう

「なによう、帰れんだけえ。」

  (なんだよ、帰れないのかい。)

直訳すれば「どうしてなんだ」であるが、この場合そりゃ残念だ。もしくはそりゃ可哀相にとかいうニュアンスや意外にもという軽い驚きのニュアンスが籠もっている。

「え~帰れんのを?」

  (え~帰れないの?)

この場合可哀相というニュアンスはない。とにかく意外だという事(驚き)に重きがいっている。

単に「帰らんだけえ。」・「帰れんだけえ。」だとなんで帰らないんだ・帰れないんだと理由を訊いてる。これだと感情的なものは籠もらない感じになり「なによう」を前に置く事でこちらの意思を付け加えることとなる。

「なによう」という言い方が味噌でありそのニュアンスを正しく伝える筆力がないので苦労するところである。しかしながら遠州弁においてはよく発せられる言い回しでありこのニュアンスを知っておかないと溶け込めない可能性がある結構重要な言葉。

例文訳では「なんだよ」をはめたのであるが「おやどうしたんだい?」・「へ~」・「おやまあ」・「なんとまあ」・「おいおい」とか状況によって変わる便利な言い回しである。

言いにくい聞きにくいような事をあっさり軽めに言いたい場合に発することもある。

語調を荒げれて言えばば「それがどうした」・「おいなんだよ」・「どうなってるんだ?」などというニュアンスとしても使われる。

ちなみに驚きということにおいては共通語で「おやまあ」=「なによう」の上の驚き表現「あれまあ」については遠州弁では「あれえ」という言い方になる。イントネーションは「あ」を強く言う。

例文

「さあ~終わったちゃっと帰るだよう。」

  (よっしゃあ終わった速攻で帰るぞ。)

「お疲れね。」

  (お疲れ様。)

「なによう、帰らんだけ?それとも帰れんだ?」

  (なんでだよ帰らないのか?それともなにか?帰れないのか?)

「急にね。忙しくなっちゃっただよ。」

「あれえ、なんで?ちょっと前まで暇してたじゃん。」

  (え~?どうして?さっきまで暇でいたじゃないか。)

「誰かさんがちょんぼこいたもんで帰れんくなっただよ。」

「誰よを。誰かさんって。」

  (誰だよ誰かさんってのは。)

「ええで笑ってれるうちにちゃっと帰んな。」

  (いいから怒りがこみあげてくる前に早く帰りな。)

「え~!もしかしてわしけえ。」

  (え~!もしかして俺のミス?)

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1-3・遠州弁的言い回し」カテゴリの記事

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