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*なんしょかんしょ その2

関東で使われる「~なさい」、「おいでなんしょ」で「おいでなさい」とかいう意味合いの「なんしょ」ではなく「とにかく」とかいった意味合いとなる遠州弁の「なんしょ」の話しである。

私の親の世代以上の遠州人はこれを「なんしょかんしょ」と発していた。

以前の記事にも書いたのは、それが共通語の「兎にも角にも」が「兎に角」と略されて?使われるようになったのと同じように今は「なんしょ」と発せられるようになっている。

「何にせよ彼にせよ」→「なにせよかにせよ」→「なんせよかんせよ」→「なんしょかんしょ」で今は「なんしょ」となっていると勘繰られるところである。

という風に思って書いたのだが、「とにかく」をネット辞書で調べたら「とにかくに」の転と記されていた。

で、辞書を引いてみたら「とにかく」が基で「とにもかくにも」は「とにかくの強調表現」とあった。

つまり「とにもかくにも」の省略されたのが「とにかく」であるという考えは間違いだということを確認した。

なので以前の記事を訂正しなくてはならない。

しかしながら「なんしょかんしょ」と「なんしょ」については同様に「なんしょ」の強調された表現が「なんしょかんしょ」といえるのかというとそうとも言い切れないので再度検討してみる。

実際昔の人は「なんしょかんしょ」をよく発していた記憶がある。それが今はほとんど聞く事はなくなって「なんしょ」一本になっているというのは間違いではないところである。

「なんしょかんしょ」の使いどころとしては「結局のところは」・「詰まる所」・「要は」といった話しを締めたいとか結論を言いたいとかの場合に使われるものである。そういう意味で「とにもかくにも」と同じ表現と思えるところである。

では、「なんしょ」はどういう使われ方をされているのかというと現在は「とにかく」という意味と「ともかく」という意味と「なにしろ」という三通りの使い方だという風に思える。(昔はどういう意味使いだったのかは記憶が定かではないので述べる事が出来ない。)

「ともかく」は辞書には{副詞}その事は当面の問題外として。と説明されている。

「とにかく」は{副詞}ほかの事情はさておいて。(事情はどうあろうとも)事実は。となっている。

ネット辞書ではこのふたつに違いはない風に書かれていると読めた。

「なにしろ」は{副詞}どういう事情を考慮するにせよ、その事柄自身は変わることがない様子。

「なんしょなあ」と発した場合、「お前の話しはともかく置いといて」と「お前の立場(事情)はとにかく実際は」と「なんと言おうとなあ」という三通りのものである。

「なんしょかんしょなあ」と発した場合「俺が言いたいのは」という意味のものである。この場合の「なんしょ」は「なんにせよ」もしくは「なににしても」であろう。

「何にせよ」は「いずれにせよ」、「なににしても」は「どんな点から問題にするにせよ」と辞書には説明がなされている。

こうしてみると「なにしろ」という意味使いでの「なんしょ」と「なんしょかんしょ」は近いものがあり、「ともかく」と「とにかく」の意味使いでの「なんしょ」は若干ニュアンスに違いがあるという風に思える。それは相手の言を考慮するのかしないのかというもので「なんしょかんしょ」は考慮したうえでで「なんしょ」は使い方によっては考慮しないでという違いである。

こっから先はいつにもまして邪推憶測の領域であるが、もともとは別物であったのが「なんしょ」に「なにしろ」という意味使いを追加することによって「なんしょかんしょ」を使わなくても済むようにしたのではと。

そう推測すると「なんしょかんしょ」は「なんしょ」の強調形ではなくやはり短縮形という部分を持つことになる。

これだけ「相手の都合顧みずこちらの都合を言わなきゃ損だ」みたいな風潮の時代においては相手に考慮する必要なぞないから「なんしょかんしょ」という言い方が必要とされなくなったとしたら納得ではあるかな。でも方言って一度失う(廃れる)と戻ってこない(引き継がれない)もののような気がするので残念ではあるな。

ところでこれ以外の訳し方として「なんしょかんしょ」を「なんでもかんでも」と訳した場合無理を通すといういう勢いで考慮が云々という意味合いとはかけ離れる事に思える訳だが「なにがなんでも」という事では無く、「お前の言う事はもっともかもしれないが」や「分かったけど」とかいう前置きが暗に含まれているという場合に使われる「なんでもかんでも」であれば違和感はない。そういう意味で

「なんしょかんしょゆわれるとおりにやりゃいいだあ」

とかいう使い方は確かにする。これが「なにがなんでも」とかいう場合には

「そんななあどぉでもいいでえゆわれるとおりにやりゃいいだあ」

「ごちゃごちゃゆってんでゆわれるとおりにやりゃいいだあ」

とかいう言い方になる。

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