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*「かす」と「さす」

「かす」と「さす」の使い分け

共通語だと例えば「働かす」だと「働かせる」という意味だけになるのであろうが遠州弁では「働こうか」(働かんとす)という意思を示す意味合いで使われる事がある。

「さあ飯も食ったでそろそろ働かすか」(さあ飯も食べたしそろそろ働くかな)

「すか」でそういう意味になるのじゃないのかという疑問もあろうが

「働かすや」(働くかな)・「働かすでえ」(働くから)・「働かすに」(働くよ)とか他の言い方にも当てはまるので「すか」だけという事ではなかろう。「働く」では分かりづらいということであれば「やる」に置き換えてもらえばその方が分かり易いかも。

蛇足だが「笑かす」というのは「笑わかせる」のみで「笑おうとする」という使い方は存在しない。これは共通語であって遠州弁ではないのであろう。

「か」は「こう」・「かん」といった意思を表すとかになるのであろうかも。「働かっか」(働こうか)という事にも通じるのであろうか。

「さす」は共通語にはないだろうから比較しようがないが「働く」の場合だと「働かさす」という使い方となる。意味としては「働かせる」という使役に近い意味と稀ではあるが「働こうとする」(働かさんとす)意欲を示す意味とがある。例えば「働かさして」(働かさせて)は誰かを働かさせてという意味と自らが働かさせてくれという意味とどちらにも使える。

「さ」については、「さ」が入ると「使役」的意味合いになるという事であろうか。

「す」については、「す」が「せる」の文語形であるとすれば「かす」→「かせる」と「さす」→「させる」となって共通語的に読めるということになるのでは。この場合の「かす」と「せす」はどちらも使役を意味するところがあるのは遠州弁も同じ。

「かす」は「かせる」打消しなら「かさん」・「かせん」

「さす」は「させる」打消しなら「さん」・「ささん」・「さない」

「す」は「せる」打消しなら「ん」(ぬ)

「す」が「する」の文語形であるとした場合には「かとする」(こうとする)・「せとする」(しようとする)と想像でき、この場合は意思を表す意味となる。この使い方が遠州弁独特ということになるのであろうか。

例として「取りに行く」を挙げると

「持ち行かす」で「自分が取って来る」と「取りに行かせる」と二通りの解釈となる。

「持ち行かさす」だと「取りに行かせる」と言ってる事になる。

「行かす」の解釈として普段遣いでは使わないが屁理屈上では「取り行かんとす」みたいな取りに行くぞと意欲を示すという使い方も考えられるところである。が、遠州弁では繰り返すがこういう「かんとす」という使い方はしていない。

以上色々ごちゃごちゃと自分でも書いてて訳分からくなった事をつべこべ書いたが要は「かす」は共通語の使い方と遠州弁的使い方を使い分けており、「さす」は共通語にはないが遠州独特なものというよりも古い日本語の使い方が生き残っているのではないかという勘繰りができるところである。

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