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太平洋の奇跡

 再び寒さ戻りて雨も降りてとちんとてなんやらなな絶好の映画日和なりやとて(つまりそんな混まないだろうと踏んだということですわ。)

大分前から愉しみにしてただけに居ても立っても居られず初日にも関わらず観に行っっちゃいましたよ「太平洋の奇跡」。余り混んでいなかったから自分のペースでじっくり観れた。

タイトル名でフォックスが云々は日本人には関係ない事なので省いちゃいます独善で。

観る前に思った事とは以下の通り

この話は真実から興された物語であるという説得力の強さ。

人の命を守る為にこんな苦労と苦悩を重ねなければならないのだから戦争は絶対にやっちゃいかんという想いを強くさせてくれるのではないか。

軍人の本分を全うした人とはどういう人なのだろう。

Cmでやっていた歩兵の本領を歌いつつ行進するシーンを是が非でも観たかった。

で、実際観た感想はというと・・・・以下はネタバレの可能性大なのでそういうのは御免こうむるという方は読まぬが宜しいかと。それに一度しか観ていないのでぼんくらで頓珍漢な感想に終始してますしね。

 で、どうだったかというと、正直申すならば、思いの丈が強すぎたのか幾分肩透かしを喰らった感じでしょうか。でも決して金返せとかいう領域では決して決してなく面白かったですよ。しかしながら強いてヲタこくなら欲張り過ぎたというか詰め込み過ぎた印象が余韻として残ります。一回観ただけじゃ作り手の意図は私なんかじゃ計りかねるのかも。ま、いつもの事なんですけどそれがいつもより強めという勢いでしょうか。

定価1,800円。ちょい高いかなという印象でしょうか。でもパンフレット買って帰りましたから満喫した映画の範疇でありましょう。(まあ映画は500円が一番適正価格じゃないのかと普段思ってるのでどの作品においても高いと感じるところですが。)

とにかく私はつまんないと思った作品の感想は書かない主義であり、これを書いているということはつまんなくはなかったという事です。にしては好意的な感想に読めないぞいうご指摘がもしありましたらそれは可愛さ余ってなんとやらというひねくれものの表現だということを言い訳としておきます。

 一番強く思ったのは、512日という長さが伝わってこなかった。

ゲリラ活動の模様のシーンが少ないという事。米軍を翻弄してる感が薄味に思えフォックスと呼ばれる所以の説得力が乏しく感じた。ストーリー説明において「やがて米軍はたったひとつの部隊に翻弄され続けている事を知る。」とあるが「され続けている」というところが感じられなかった。

兵隊さん達はこの間なにをどうしていたのかが殆ど描かれていなかったという感もある。

彼ら(民間人を含む)が一年間暮らしたという印象が希薄に感じた事。パンフレットにあった年表をみるともう少し短い期間だったようだけど。民間人が兵隊さんをどう思って見ていたのかが解釈しづらかった。民間人さん達が投降した後の兵隊さんの憔悴した姿の提示でその関係性を知れということなのでしょうが。

しょっぱなのサイパン玉砕の一部始終は必要なのかという疑問が湧きました。もし描くのなら民間人からの視点中心で提示して欲しかったな。確かに万歳突撃で死を覚悟したが生き延びて再び敵を倒す事に意を決したけれど、民間人を守ることが使命と思い直したという大場大尉(竹野内さん)の心の変遷は表現されていましたけどそこに至るまでが長過ぎのように思えちゃいました。別にいきなりジャングルで大城(ベンガルさん)さんと出逢うというとこからはじまってでもいいじゃないかと。大作と謳う以上派手なドンパチ入れないとという思いで玉砕の始終を入れたのだとしたらちょっとね・・・。

 軍隊は階級絶対の縦社会でありながら言う事聞かない部下がいたりというのはリアルっぽかったな。人を束ねるという難しさは今も昔も変わりなくで考えさせられますなあ。

 米国人から見る部分と民間人からの視線と帝國軍人としての観点と三方向から入れ替わり立ち代わりで描かれている。これが欲張った風に感じた要因のひとつなのかな。将棋の駒で日本兵の精神性を説明するというアイデアは上手い事言うなとは思いましたが・・・。でも原作は米国人さんが書いた本ということなので双方向から描くというのは外せないところでしょうけど個人的には視点は一点に絞ったものを観たかったな。

 勘違いなのでしょうが、収容所と連絡が取れた状態であるというのなら彼らが迫害を受けているような状況ではない事を知りえていたにも関わらず保護していた民間人を収容所にへとなかなか投降させなかった風に映りました。パンフレットを読むと安全確認が出来たのち民間人を投降させたと書いてあったからそんなことではなかったのでしょうが、民間人の保護という役割を失うことはその軍人である目的が再び戦闘のみになるということになってしまうからじゃないのかと観てる最中はそう思えちゃいました。

 で、最大の見所というか観たかった行軍のシーン。へらへらしてた米兵士が歌声を聞き姿勢を正すという説得力は確かにありましたが、もうちょっと観たかったな。後姿とか各兵士の表情(心情)のアップとか足捌きから伝わる団結さとか。

 投降の条件が上官の命というのはなんか小野田少尉殿を思い出させますなあ。こういう軍人さんそれはそれはたくさんおられたんでしょうなあ。

 映画観ただけだとよく分からなかった部分多々あるもパンフレット読んだらああそういう事だったのかと納得した事多かりし。ちょっとした事前の知識入れとかないと存分にこの映画を味わえないやも。

テレビでナビゲート番組とかしないのでテレビ局が制作には絡んでいないのかなと思っていたんですが、ででんと「日本テレビ」の文字が浮かんでた。じゃあなんでいつもみたいにそういう番組流さないんだろうと不思議に思えた。なんでこの人達投降しないんだ?その意識は?とかの当時の考え方とか事前に知っておかないと「なんで?」という疑問が湧くように思えなくもない。もっとも日本人なのに米国人目線で観るがこの映画の見所ということであればこの限りではないのだろうけど。

 いずれにせよこの映画観ての余韻は「一生懸命生きた人々」というのが多くを占めるものだったな。次に思うのは信念と状況のはざまの葛藤か。その葛藤は「誠心誠意」で乗り越えたという印象かな。とにかく清々しい後味ではある哉。

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