« 味いちもんめの貫地谷しほり | トップページ | ついこないだの昔話 オガライト »

*やらかしゃあ

「やらせれば」もしくは「やらせろ」と言っている。ニュアンスの違いが使いどころによって生じる言い回しである。

指示・命令という事ではなく「やらせたら」という仮定という事がひとつ。指示という意味合いでも使うこともあるが普通指示という場合は「やらす」を使う方が多い。

「やらかすと」(やらせたら)という言い方に近そうに思えるのであるがこちらの方は指示・命令というニュアンスが強くなる。「やらかす」よりも「やらかしゃ」の方が穏やかに聞こえるという事である。あと、「やらかした」という言い方的な「やらかしゃあた」という言い方は存在しない。

それに「やらかすと」だとろくでもない事になるみたいな使い方にしかならないが「あいつにやらかしゃあ間違いないよ」(あいつに任せれば間違いないよ)といったふうにいい意味にも使われる事がある点が異なる。

もちろん「あいつがやらかしゃあしょんないこんになるにい」(あいつに任せたらとんでもない事になるよ)といういい意味ではない使い方もする。

また、「やらせてあげれば」という意味合いで使う事もある。「あいつにやらかしゃあいいじゃん。やりたいっつてるだで」(あいつにやらせてあげればいいじゃない。本人やりたいって言ってるんだから)。といった風に。まあ「やらせてあげる」という優しい言い回しでは決してないが。

他には、自分が発しての例えば「わしにやらかしゃあ」という場合「おれにやらせろ」という訳になる。「やらしゃ」という言い方もする。「やらしゃ」は単純に「やらせろ」であるが「やらかしゃあ」は「おれにやらせろそうすれば間違いないから」というニュアンスのはしょった言い方ということになろうか。「やらしゃあ」という言い方もあるが「やらかしゃあ」との違いは「食い散らかす」と「食い散らす」の違いみたいなものであろうか。近い表現の「やらしょ」よりも「やらかしゃあ」は相手に伺いを立てているふうに感じられる。強気である点に大差はないが。強要度の比較をすると

「どけ」>「俺んやる」>「やらしゃ」>「やらしょ」>「やらかしゃあ」>「やらっか」>「やるにい」

といった勢いであろうか。

「やる」に限った言い方ではなく、例えば「持つ」だと「持ってかしゃあ」(持っていかせれば)、「買う」だと「買ってかしゃあ」(買っていったなら)など。

ただし「おれにやらせろ」と言う場合には「買わしゃあ」・「持たしゃあ」という言い方になる。端的なのが「貸せ」を「かしゃ」。

例文

「その仕事やらんでいいよ。あいつにやらかしゃあええだ。」

「なんで?ちゃちゃっと済まいてちゃっちゃと終わらまいか。」

「どうやらすか悩んでたらあいつんきて『とろくっさい。んなんわしにやらかしゃあ』っつったもんでいいだよ任いただで。」

「頭こんでもいいじゃんそれっぱかのこんでえ。」

|
|

« 味いちもんめの貫地谷しほり | トップページ | ついこないだの昔話 オガライト »

1-3・遠州弁的言い回し」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/211000/50330158

この記事へのトラックバック一覧です: *やらかしゃあ:

« 味いちもんめの貫地谷しほり | トップページ | ついこないだの昔話 オガライト »