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ついこないだの昔話 オガライト

 まだ電気が無くとも生きようと思えば生きていけそうな頃からスタートする昔のお話し。まあ別に単なる想い出話しで地域性のある事ではないけど。(曖昧な記憶を呼び起こしての話しであり当時を正確にスケッチしていないかもしれませんのでご注意ください)

その当時においても電気の有り難さは誰もが疑ってはいなかったが、如何せんしょっちゅう停電するという信頼性の無さによって生活必需品は電化製品ではなかった。停電の理由は工事の度毎、家のヒューズがしょっちゅう飛ぶ事、強風台風等の悪天候時など原因は様々有った。ろうそくや懐中電灯は当然どの家にも出し易い場所に常用で置かれていて活躍してた。マッチは当然お徳用の四角い箱。

流石に瓦斯は煮炊きする上において不可欠なものとなっていたが魚は煙が出るからということで七輪の出番。冬場だったらその練炭は火鉢と共用で使い回し。使い切るのが生活の知恵というかゴミを出さないというかゴミにしないというか。紙袋でも包装紙でも捨てずになにかの際に使うという習性が普通であった。新聞紙なんかは買い物の際のお店の包装紙だし火を点ける際の必需品。古新聞となってもちり紙交換で便所紙と交換してたし最悪の場合便所紙としても使えた。

そう考えると新聞程便利なものはなかったよな。毎日配送(供給)しれくれるし用途が読む以外に幅広く生活に密着していた。今はもう読むしか用途が限られてるから部数が落ち込むのかな。

暖を取るにおいては火鉢で練炭、炬燵は堀り炬燵、腹巻・らくだの股引にどてらといった厚着。寝るときゃ行火(あんか)か湯たんぽ。おやじは携帯懐炉。朝お香をぶっとくしたような芯に火を点けてからご出勤。

風呂については家風呂なんて「おだいさま」の屋敷にあるもので庶民は銭湯が当たり前。そんなこんなの時代に私は生まれその中で生活をしていた。

それから幾年(いくとせ)経って電気なくしては不便このうえなくなった頃、各家庭にもぼちぼち家風呂がつき始めてきた。くべるのは薪で、子供の家庭における仕事のひとつとされてた家も多かった。子供にも家庭における仕事が付与されていた時代である。腕というかコツを要するもので上手く点かないとやっきりこくものであるが、無事点いて燃え上がる炎を自分から作り出すのはそれなりに快感であった。部屋を真っ暗にしてろうそくの揺れにじっと見入ったりしたりすると火にはなんらかのパワーがある事を感じるものである。

そういう火のもつパワーを今より遥かに実感していた生活であったのかもしれない。日常で多く火と接していた生活は今より遥かに危険なものであろうけど、いい方向で使えば火は心にやすらぎなり快感なりを与えていて精神的には穏やかに暮らせれるものだったのかもしれない。

燃えてる間中は管理を怠ると消えてしまうし過ぎれば火事に繋がる。だからずうっと様子を見てる。他になにかしたくてもしようとするとそれは慢心になる。火は本来人間が制御できるものではない。ある意味ぼ~っとしてる時間ともいえる。

そういう時間は無駄なのかもしれない。しかし火の様子をみるという無駄の中に癒しが存在していたのかもしれないと考えると無駄を省くことは癒しをも省く生活となっているとも考えられるところ。昔の人が我慢強かったというのはこうした日常の中でしっかり癒しの時間があってストレスが和らいでいたのかもしれないな。

陽の光で健やかに火の灯りでやすらけく。人の心はそういうパワーが栄養になっているのであろう。

町に住んでる以上ちょっと裏山に行って薪を調達とかいうことは出来ないので、薪は燃料屋と呼んでた店屋とかで購入(配送もしてくれる)していた。薪や豆炭は通年であったがそれ以外には冬は練炭や灯油とか・夏は氷とかも取り扱っていた。

その薪がある時以降「オガライト」に変わった。「オガライト」というのは商品名になるのであろうか。外はこげ茶で中段ボール色。芯の部分はくり抜かれたように穴になってる。結構重かった。これ一本あれば家の風呂は沸くという優れモノ。煙もみえず雲もなく。着火も楽で燃えてる間中様子見してなくとも一定の状態で燃え続けていてくれる。記憶では多分中身6本入りで茶色の包装紙にくるまれ青い把捉バンドで縛り上げて一個だったかな。

話しがちょっと飛ぶけど、最近入る前湯船を掻き回すことはしなくなったな。昔は桶とかで十分掻き回してからでないと入ってみたら水風呂のようってことが結構あったからな。上が熱くても底の方は水のままなのだから。真冬の時なんか上はちんちん下はきんきん。混ぜたら度ぬるいなんて事になる。冷金法だと開き直ってかきまぜずそのまま我慢してみた事もあったりしたが中学生で精力鍛えてどうすんじゃいという話し。もっとも効果があったのかどうかは全く以て怪しい限りではあるが。

「オガライト」を使うようになって他の用事をすることが出来るようになった。こいつぁホント便利だとつくづく思った。おが屑を固めて作った今でいうエコな商品でもありこれ以上のものはもう生まれないだろうとも思え長くオガライトの時代が続くのだろうなと思っていた。

でも案外あっけなく一般家庭に於いては短命に終わった。その理由はガス湯沸かし化。風呂もガス。そういう時代になって家庭から姿を消した。

炭と違って煙が結構出るという記憶があるので憶測だけれど調理用には向かなかったのかな。用途が限られていたということなのだろうか。

近年炭は見直されたけどオガライトが見直されることは今のところないように感じる。

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