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*「の」抜き

共通語だと「春だというのに」

遠州弁では「春だというに」・「春だっつうに」

共通語だと「買いに行くのに便利」

遠州弁では「買い行くに楽」・「買いい行くに楽」

といった風に「の」を抜いた言い方をするのが遠州弁である。以前にも書いた「ら」抜きが遠州弁の特徴であるように、「の」抜きも特徴のひとつであろうか。もっとも「行くが男のど根性」とか「するが堪忍」とかいう全国的なフレーズもあるくらいだし、「親を早くに亡くし」みたいな使い方もあるから遠州弁だと言い切れる訳ではないがその傾向が顕著というところが特徴であることは確かであろう。

では「の」を抜かずに言った場合どういう風に遠州人には聞こえるかというと

大袈裟ではあるが「のに」というのはどことなく言い訳っぽく聞こえる。「言えばやったのに」みたいな。

「やるに便利」と「やるのに便利」とでは言い切り具合が違うという印象を持つものである。

印象ではなく意味的にはどうかということで共通語の「のに」は辞書をひくとふたつあった

A「のに」{接続助詞}やむを得ず・(意外にも)後件に述べる事柄が事実であることを表わす。(終助詞的にも用いられる。「よせばいいのに」・「金もないのに贅沢をする」

B「のに」①(ことの)ために「旅行するのに必要な物」②(の)ものに「君のにしよう」

とあった。どちらに対しても「の」抜きするのであるが、印象の元はAに因るものであろうか。

では「の」とはなんぞやということになると

「の」{格助詞}③上の語を体言として扱う事をあらわす。「来るのが遅い」・「安いのがいい」。

⑤まで説明があったがここでの「の」は上記の説明のものであろうと思われる。例文を遠州弁では「来るに遅い」・「安いがいい」といった風になる。

「の」抜きは「のに」に限ったことではなく「のが」・「ので」などでも起きる。完全に省略される場合もあれば撥音便化となる場合もある。

「そうせるのんいっちゃんいいって」(そうするのが一番いいって)

「先行くで出る時玄関かっといてよ」(先に行くので出る時には玄関の戸締りしといてよ))

他にも「の」を「だ」に変えるという言い方も存在する。

「先行くだで出る時玄関かっといてよ」

ただし解釈としては「だで」=「「から」という事にもなるので別種であるともいえなくはないところではあるが。

例文

「あれえ珍しいじゃん先いるじゃん」

  (おやこれは珍しい事に先に来てるじゃないの。)

「遅いじゃん。あんた何やってたよを。」

「いっつもあんた来るに遅いもんで早めに時間ゆっといただよ。たまにゃあ時間守るだねえ。」

「馬鹿にしてんの?」

「事実をゆってるじゃん。」

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