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*まい

「行かまい」(行こうよ)とかいう使い方の「まい」。

「まい」は本来打ち消しの言葉であって「~しようよ」という勧誘の意を表わす言葉ではない。

正しくは「まいか」であってそれがはしょられて「まい」と使うようになったと想像される。「~しようか」というよりも「~しよう」と言う方が強めの勧誘となる感覚で「まいか」が「まい」となったのではないかと想像されるところである。

ちなみに「まいか」は古語辞典に載っておりその説明は

「まいか」{「まい」に終助詞「か」のついたもの}①婉曲に希望し、勧誘する意を表わす。②強く命令する意を表わす。とある、

②の使い方は「下へさがるまいか」(下がっていろ)とかいう使い方で、遠州弁の「まいか」の使い方は①の方だけである。

「まいか」に関しては古い日本語を未だに使っているという事であって独自に創製された言い回しではないと思われる。ただこれが「まい」とはしょると共通語から離れて行って「なんのこっちゃ」という事になるのであろう。今はまだ無いけどそのうちもっとはしょって「ま」って言い出す者が現れるやもしれぬ。

他には「まいや」という言い方が存在する。「まいや」は若干上から目線的印象を与えるが「まいか」とほぼ同じニュアンスである。

あくまで基本は「まいか」であって「まい」は応用というか悪しき省略となるのかもしれない。悪しきというのは屁理屈上的な事であって実際使うに於いては習うより馴れろで別に反省すべき事ではないけれど。

実際に使用している状況でいうと、単に「まいか」の省略形という同じ意味使いということではなく勧誘度の強弱の差がついており別のニュアンスとなって異なる言葉と化している。

「行くに」(行くぞ)>「行かすか」(行こうか)>「行かまい」(行こうよ)>「行かまいか」(行かないか)

全く別の説明としては「まい」を「ない」とすれば全てではないが大体は意味が通る。

「行かまいか」だったら「行かないか」というように

「行かまい」→「行かない?」とすれば説明がつくのではなかろうか。ただし注意が必要なのは「まい」は「ない?」のような疑問形にはならないという事。

「まい」を「よう」とすると変換ではなく文章全体を共通語にしないといけなくなるのと「まいか」は「ようか」にはならない。

「行かまい」を「行かよう」ではおかしいので「行こうよう」としなければならないということ。

例文

「やあ、しまいにしまい。」

  (お~い終わりにしようぜ。)

「後ちょっとやりゃきりいいで、もうちっとやるわ。」

  (あとちょっとやればきり良くなるからもう少しやるよ。)

「あんまし根詰めんでもいいにい。どうせ明日もしにゃかんだでえ。」

  (あまり根詰めなくてもいいよ。どうせ明日もやらないといけないんだから。)

「明日早く帰りたいもんでちっとでも進めときたいだよ。」

「おおそうけえ。じゃわし先ご無礼するでねえ。」

  (ああそうなの。それじゃあ俺は先に終わるよ。)

「うん、おつかれねえ。」

  (ああ、お疲れさま。)

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