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長きに「わたる」での勘違い

「長きにわたって懸命に作り上げてきた」

という文章において、普通は

「長きに亘る」だよなと思った。

でもこれを「長きに渡る」として記されてあった。

「長きに渡る」とすると誤字の部類に入るのだろうけどなんか感心してしまったりもする。まあホントは「長きを渡る」の方がいいんだけど。

「亘る」であれば「長い期間に及んで」という意味であるが

「渡る」とするとなんだろう大河を渡りきって辿り着いたたみたいな苦労が忍ばれたりもしてくる。つまり「渡り」とすると「長き」は苦労・困難というイメージが湧くところ。

と、感心したのだが

ネットの辞書においては「渡る」でありその中に亘るとも書くと記されていた。昭和の頃の辞書だと「亘る」は無く「亙る」として「及ぶ」という意味で載っており尚且つ「渡る」とは別物とされている。「亙る」は常用外で現在では「亘る」と記すとパソコンで漢字変換する際の説明書きに付されてあった。

つまり現在においては「わたる」は全て「渡る」と書くのが正しく「亘る」も「亙る」もそうとも書くという「渡る」の配下に置かれているということであろうか。

知らなんだ。いつからそう変わったんだろう。納得しかねるがとにかく「長きに渡って」は誤字ではないとな。創作表現なら上手いなあと思ったけどこれが正しいのだとしたら変なのって思えてくる。う~ん微妙。

イメージとして「長きに渡る」の「長き」は「困難や試練」であって苦難の果てにという印象が強くなり「長きに渡り第一線で活躍された」だとちょっとそぐわないような気になる。「長きに渡る地道な研究の成果が実り」なら違和感は湧かないとこかな。

「長きに亙り」での「長き」は「常に・恒に」という印象で「長きに亙り第一線で活躍された」ということに違和感は感じない。逆に「長きに亙る地道な研究の成果が実り」だとそぐわなくはないがざらつきを感じるかな。

ちなみに「互角にわたりあう」の「わたる」は「渡る」が使われるものである。

TPOに合わせた使い分けというとこで納得した方が無難なのかもしれないなもしかしたら。

追記(2011/6/6)

個人の感覚を述べたのであるが意外とアクセスが多く、ここは誤解があってはいけないときちんと参照を記しといた方がいいだろうと思って昭和の辞書(新明解国語辞典)での説明書きを以下に記す。

「亙る」{自動詞五段活用}①{・・・の間}引き続く。「5年に亙って」。②{・・・まで}及ぶ。「詳細に亙る説明」。

「渡る」自動詞五段活用}①そこ(の上)を通って向こう側に達する。「海を渡る」。②世間の人とつきあって暮らしていく。「渡る世間に鬼は無い」。③何かが相手の手から直接にその人の手に収まる。{広義では、間に人を介してそうなることを指す}。「屋敷が人手に渡る」。④双方譲らずに、何かをしあう。「よつに渡る」(四つに組む)⑤すみずみにまで達する。行き渡る。「印刷物が全員に渡る」。

ちなみに「亘る」は記載されていない。

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