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鹿男あをによし 観直して

 今2009年の10月。ドラマの端境期(はざかいき)で暇してることもあって、以前のドラマ録画したものを引っ張り出して改めて観ているという次第。

そんな中で、今もって面白いと感じるのが2008年1~3月放映された「鹿男あをによし」。結末をすでに知ってるのにまたまたつい引き込まれてしまうってのは凄いよなあと。

流石原作がベストセラーになっただけに展開の流れが緻密に計算されていて無駄がない。説明に過不足なく語られ、それでいて如何にも怪しそうな人物がそこかしこに配置されていて見事なたぶらかし具合だと感じます。原作フルコピーという訳でもないようなので脚本書かれた「相沢友子」氏の筆力も(使い方おかしいけど)さぞかし達筆なんだろうな。

キャスティングが絶妙で佐々木蔵之助さん・篠原英介さん・田部未華子さん・柴本幸さん・宅間孝行さん。如何にもあやかし風味満載。キムラ緑子さん・酒井敏也さんとかは笑わせといて実はという可能性も。なんて思わせる空気感十分。そこかしこどころか皆おいおいという人ばかりというのは凄いなあと。

またそれに輪を掛けてキャスティングがドンピシャといった感があり、最大の場外ホームランは児玉清さんだよな。いい意味で誠実温厚といったイメージをお持ちの方だけにそのイメージを見事に覆す役柄でナイスですな。しかも無茶振りとかでなく成程十分ありうるという理屈が通っていて。でも今観ると確かにこの人こそと思いますわ。そういう意味では親切な正攻法で気づかない私がアホだったということを再確認した次第で。今観れば意味分かんないシーンとかがなく・・・といいたいところですがシルシの意味がどうも。あれがないと堀田(田部さん)と小川先生との接点の証にならないので必要なのは判るんですが使い番を奮起させるお仕置きなのか駄目の烙印なのかその目的がどうも。

もっとも一番たばかられたのは福原先生(佐々木さん)でしたが。飄々としてそれでいて人をばっさりって空気感醸し出していていかにもあやかし。ホント最後まで騙され申した。でも凄くいい人だったというオチ。悪くなかったっす。しかもマドンナに好かれてけつかりゃがって。羨ましいぞこの野郎。

主人公の玉木宏さんと綾瀬はるかさんのコンビも抜群ですなあ。割れ鍋に綴じ蓋みたいな補完し合う関係というよりも小川先生(玉木さん)を支える藤原先生(綾瀬さんという図式に映ってグッドという勢いです。

切迫感がぐいぐい迫りくるから惹き付けられる訳ですが、それは玉木さんの役者力によるものだと思えてきました。我先にとぐいぐい前に出るタイプじゃないけど気づかない間に惹き込まれてる包容力がある役者さんみたいです。

でもなにより抜群なのはこれだけ周りがあやかしだらけの面々に満ち溢れた空間の中で必要以上の緊張や悲壮感を打ち消した藤原先生の天然ボケがドラマ全体のバランスを保つ役割を担っていて謎解きばかりでない愉しさも味わえました。

画が凄く凝ってると今更気づいた次第。リアルで観てた時には色味が気になってたけど今はそれよりも凝り様に気が行くようになって気づいた次第。素人なんで詳しいことは分からないんですがカット割りとか細かいしセットもけっこいし。

なにより食事のシーンが旨そう。佐々木さんと綾瀬さんの喰いっぷりが見事ということもあるんですがとにもかくにも画がそそりますな。

それと家がいい。古民家の佇まいが懐かしい。住むにはそれなりな辛抱がいりようでしょうが体感してみたい度満点です。

音楽が緊張感と高揚感を煽るというかそそるというか。今もってたまあになにかのバックで流れてくるのを耳にするくらいだから佳い曲なんでしょうね。欲を言えば綾瀬さんが出てくるシーンではユルイ感じでほよよん感が醸し出されてたら緊迫と弛緩のメリハリが増してもっとよかったんじゃないのかと思ったりなんかして。

音楽はクレジットによると「佐橋俊彦」氏と銘打たれてありました。最近ではついこの間までやっていた「官僚たちの夏」も担当されてるそうな。そういう傾向を考えるとのほほんとした音楽は基本作られない方なんでしょうか。

 全てが諸手を挙げて賛辞を贈るというかというと引っ掛かりが全くない訳じゃないのでありまして。

 なんで使い番と運び番の二人が必要なのか。別に一人でもいいんじゃないのか。そして60年という周期の長さがあるとはいえ世襲で番人を確保しておけばドタバタしなくて済むんじゃないのかなあと。

 三角縁神獣鏡を儀式に使うともうなくなってしまうみたいな事を叫ばれてましたが数十年後にはまた使うんじゃないのか?なくなる訳じゃないだろうと考えるのは変かしらむ。

 リアルタイムで観てた時には全10話ということで後残り何話なのにこんな話しが進まなくていいのかとか剣道大会で散々盛り上がった挙句にこれじゃないときたもんだとかいう期待もたせの焦らし具合がまどろっこしく感じていたんですが。

結末の分からないカウントダウンを探り探りするよりも、そういうことに固執(謎解きに終始)せずにこうして一気にエンディングに向かっていく過程を愉しむ方が格段に愉しいものでありました。

それとリアルタイムでは、日本を救うのにしてはこじんまりした数の登場人物だなと思って観てたのも過ちだったなあ。軽量コンパクトでこれはこれでライトウェイトスポーツとして悦なんだよな。

 ホント観直して価値が増したというドラマって珍しいですわいな。

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