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剱岳 点の記 その2

 先週点の記を観てからというもの毎週楽しみに観ているテレビドラマがどうもうそ臭く見えてきてしまって、その感想がマイナスというか渋い評価になってしまって困っている今日この頃、またもや映画館に行ってリピーターと化してしまいました。色んな意味で「本物」はやはり違うよなあと改めて感じ入る次第で。

そういやあ「ハッピーフライト」に惹き付けられる要因のひとつとして「本物」を使っているということもあるんでしょうか。矢口作品はSGもWBも実際役者さんが泳いで吹いてとしてる「本物」なんでそういうとこが好きなのかなとも思えてきますです。自分がちゃらんぽらんなバッタものなだけに本物に対する憧れというのがあるんでしょうねきっと。

以下はシーンとかに関する感想を含みますので、ネタバレというものに抵触してしまうかもしれませんのでご了承の程を。もちろんそうならないように配慮してますが、ざるかもしれませんので。

 最初観た時にはその絶景さにばかり目が奪われていましたが、二度目に観るとあんな場所をよく歩くよなあと感嘆するばかりでしたです。足踏み外したらまっさかさまでしょうにってところにいるのがきっちり映っていて。映っているってことは写してる人がいるってことで。突風吹いたらいちころでしょと。

富士山がでかいなあと。自分の経験値として中央アルプスに登った時に見えた富士山よりも遥かにでかいものでした。南アルプスから見た富士山くらい大きかったなあ。

雷鳥が重要な存在として描かれていましたが、私の山仲間曰く、「雷鳥が見えるってことは天気がくだる証」ということでできれば遭遇したくないと言ってましたがところ変われば品変わるって具合なんでしょうかねえ。

日本山岳会の登山靴の足音と草鞋に足袋の足音の違いも良かったなあ。今でも草鞋やかんじきとかは雪歩きとかに最強と聞きますけどそんなに歩き心地がいいんでしょうか。履いてみたくなりました。でも寒さというものを考えると足だけでなくあの装備であの時期の山に登りしかも何ヶ月もずうっとなんて昔の日本人ってどういう頑健な体してたんでしょうかねえ。行者様もお偉いけどみんな凄いぞなと思わずにおれません。私が山歩きしてた頃でも夏山登山で地下足袋登山される人もおりましたけど雪の上は歩きませんからねえ。

それにしてもやっぱ髭がみんな似合いますなあ。山男らしいっす。頂に登りつめた時の黙々粛々という様が特にリアルでした。実体験として往生して辿り着いた頂での想いというものははしゃぐでも握手して労をねぎらい合うものでもなく声無き感無量というものですから実感としてうんうんという気持ちでありました。

音といえば音楽がしびれます。勇壮感をそそるというかなんというか。山の荘厳さも加味されてるようで。パンフ売り場でサントラCD売ってないかなと思って探したんですがなかったです。

山での楽しみと言ったら食べることくらいしかないんでありますが山岳会の携行食のビスケットは美味そうに思えないですな。田んぼの畦道んとこで頬張ってたおにぎりの方ががんこ美味しそうでした。山の中での焚き火は今じゃ考えられないことですがあれでこさえた料理がどんなのかそれをどう楽しそうに食べるのか観たかったなあ。

 勘違いしてたのに気がついたことは、人足の依頼を村の長?にお願いして断られてたのですがその理由は、長次郎の下に付くを潔しとせずということだったみたいです。私はてっきり時代の流れには逆らえないから手を貸しますよ。ただしやるならわしらで全部お手伝いしますよと言って道案内は長次郎を選ぶかわしらを選ぶか二者択一を迫られた上で長次郎を選んだのだと思ったんですよね一回目に観た時には。

そうではなくて村の人間にとって長次郎(香川さん)の行動は、立山信仰を抱く村の人からみたらやはり許されざる行為であってそういう人間の下で働くのは勘弁ということみたいです。長次郎の立場ってのが理解できていなかったようでその謙虚なのに揺るがない決意の固さの源がどこからでてくるのかもう一度考え直してみます。

ところで、富士山は浅間大社が管理してるように剱岳は当時どこかが管理してたんでしょうかねえ。色々挨拶に回ってたみたいですけど。単に営林署の管轄だとしたら信仰の山という神秘性がちと薄れていやったいですな。まあ活動写真とは関係ないどうでもいい話ですけど。

 それと話し飛びますがやはりこの行程というか足取りが私のような剱岳に行った事のない人間には分かりづらいであります。下調べで言わっしゃってた三つの登頂の為のルートの説明が口頭のみでありまして地図等で道程を視覚的に理解出来るようにして欲しかったなと。お恥ずかしい話し山頂に辿り着いたそのルートは最初言ってた三つのうちのひとつなのかそれとは違う全く別のルートだったのか理解できてません。

勝手な夢想ですけど、陸軍の方に逐一経過状況報告をして東京にいる素人の軍人さんにも理解出来る図面?のおこぼれを観る側にも提示してくれたらなあと。その報告に軍人さんが一喜一憂もしくは催促(早く登れ)とかしててくれれば日本山岳会との競り合いだけでなく焦って多少無茶をした理由がより強調されるのだろうになと。

 まあとにかくなんなんでしょうねえこの満足感は。うまく言葉で表現できない何かが映ってるみたいでそれが観てて充足感を与えるようなんですが。よく分かりませんです。

好きなシーンという野暮なことは言うべきではないのでしょうが奇をてらって述べるとするなら長次郎が来年に備えて草鞋作りの為に藁で縄を結っているところかな。山登りで結局何が一番楽しい時かといったら準備してる時でしょう。登ってる最中や降りてから暫くはしんどい限りで二度と行くものかといつも思うくらいで決して楽しいものじゃない。でもまたそのうち行きたくなるという循環でありまして。行くと決めた時が一番嬉し楽しなんで。そのシーンがまさに縄を結ってるシーンでありまして長次郎の嬉しそうな表情が好きなんですわあ。

 相当昔の映画館のルールだったらその日の内に二・三度一気に観て心を満タンにして帰ってこれたんですが。最近は一度きりの1800円也でありまして、ん~微妙。場所取りに苦労せずに済む今のシステムは捨てがたく、まるっきり昔の方がいいぞよとまでは思ってないので。

今日の映画館はひといきれで満ち満ちておりましたが、この集団はエヴァゲリの初日ということであろうと。しかもネットで行く前に調べたら先週は250席だったけど今週は150席余りのスクリーンに変更されてたのでたかをくくっていたんですけど。そしたらもう前列しか席が残ってませんと言われあちゃ~でありました。読みが甘かった。

お陰様で気をつけ!はしてませんでしたがずうっと右向けちょい右状態でしかもかぶりつき。観終わって外に出た時くらくらして来て往生しました。おかしな姿勢で注視してると存外頭にくるものだと初めて知った勢いでした。

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