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スマイル その11

 ドラマ全体の後半部はもう一馬(中井さん)の弩迫力に押されっぱなしでありましたが、それに加えてビト(松本さん)の表情の変化がスゲエぞなと思いし最終回でありました。沈鬱と破顔の変貌の様は、決して髪形だけの問題ではなく上っ面の演技ではない証を見たような勢いでありまして。この人上手いと素直に役者パワーを感じました。ファンの方からお叱りを受けるでしょうが、アイドルさんにしとくのは勿体無いというか役者稼業に専念された方がええんでないかい?と思えてしまいますですな。それも舞台とかで。セリフがはっきり聞こえ感情の乗り具合も情感豊かでありますで。まあ余計なお世話ですけど。ホント舞台で映えそうなお方だよなと思いました。

終焉に向かう展開は観たまんまというか、これしか向かう道はないだろうという展開でありまして特に述べたいことも浮かばないのでありますが。

面会の奇跡と執行直前の待ったは流石に劇的でこんなんありかしらむと思わないでもない気はしましたです。

あれで証人に立った林のお父さんが失うもののないぷ~さんだからあれですけどどこぞで天下りしていて護身の為に立たなかったら洒落になってなかったですなあ。意図は分かりますがその転進の様は嘘みたいというか作りすぎなのではと思わないでもないところでした。

それにしても最後の映像は何を表していたんでしょうかねえ。まさかビトと花は子沢山とかいうのを象徴する訳でもないんでしょうに。よく分かりませんでした。

いずれにせよこのドラマは今時珍しい耐え忍ぶ主人公のお話しでしかもそれが延々と10話まで続いて最終話で一気に堪えた成果が吹き出たという展開でありました。途中何度かちょっと好転しそうかなと思うと直ぐに負が襲い掛かってきてしんどい気がしました。もう少し一時の安らぎと悪夢の循環が交互に描かれてくれたら好みだったのになあと思わないでもない試練の連鎖でありました。安らぎは花とビトとの深まりだったんでしょうけど花は突貫だったけどビトは探り探りのままだった風に映ってお互いの至福の時間には映らなかったんで。まあ終わり良ければ全て善しですから不満というほどではないですけど。

とにかく中井貴一さんが良かったなあ。

 陽の感想と致しましては、くじけない心と申しましょうか。本当に正しいことなら最後まで諦めないことが大切だとへたれの長期戦に弱い自分にはそういう教えに映りました。

 陰の感想としましては、提示された資料から判断したことでその時点では決して誤った判断ではないにしても、裁判員が真実を裁けず死刑と断じ、結果として裁判員達に悔いが残りはしないかと。もし我が身の事として自分が任命されて資料のみを根拠に断じた事が誤りであったとしたらと思うと背筋がひんやりしてきそうです。今までは物凄い難度の高い試験を経てそれぞれの職務についたプロフェッショナルの人達が裁いてきたものが、或る日突然なんの専門知識も習得していない人間に判断を委ねるというのは重たいことだよなと思えてきます。のほほんと暮らしてないで業を背負えよということなのかと。それほど裁判官というのは大変な職業なんだなとつくづく思い知った次第で。

業を背負うという言い方はどうかではありますが、死刑執行に向かう際気が動顚している人間を抱えて連れてくという職業も精神的にしんどいもんだなとそのご苦労を垣間見たような気がしました。ドラマとして考えたらこんなことを思わせる意図はないでしょうからあそこはのっぺらぼうにするか表情が写らないようにしてくれたらよかったのになと少し思いました。

ビトと花が再会するシーンが最終回の一番の見せ所だったんでしょうかそれとも法廷の無罪が確定したシーンだったんでしょうか。しかしながらどちらも存外淡々と進んだ感じに思えました。私が一番インパクトが強かったのは一度締められた扉に慌てて走りこんでいく光景でありました。

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