« *あんたねえ | トップページ | *ちょうらい »

ありふれた奇跡 その8

 結婚は家族でするもの。というより家族がするものという装いに映りました。連綿と連なることが大事というおじいちゃん(井川さん)の葛藤も意味は分かるんですけど今そこまで「家族」が深いものなのかは微妙な現実のような気がしますです。

古いと言う表現は勿論使いませんけど、新しくはないことは確かでしょう。勢いとしては同居が大前提のような勢いを感じます。二人の新天地に向かっての旅立ちという気配が見受けられないのはあまりにも二人だけの話しではないことに方向が向いているからでありましょうか。

そしてドラマの流れはあちら立てればこちら立たずの如何ともし難い深刻な状況に進んでいる風に見えます。翔太(加瀬さん)が悪い説を唱える中城一族を加奈(仲間さん)が説明して否定したことにより翔太を傷つけた加害者としての自責の念が生まれる。加奈のおとうさん(岸部さん)はだんまりを決め込むがおばあちゃん(八千草さん)は謝罪を述べに行く。

そこで今度は立場が逆転するかのようなおじいちゃんの発言にたじろぐおばあちゃん。それぞれ感情に流されること無く大人として節度のある言動ではありましたが、結構シビアな流れでありました。

 そんな中で唯一心が弛んだのは翔太のおとうちゃん(風間さん)の翔太に掛けた「がんばれ」みたいな言葉でありました。口は悪いですけど元気が出ますです。翔太に言ったんであって私(視聴者)に言ったんじゃないんですけど観てるこっちにもなんか元気を貰ったような温もりを感じました。確かにあんな善い娘さん二度と現れないよなあ(なにせ仲間由紀恵さんですからねえ見た目)とは思いますけど多分そうじゃなくとも翔太が決めたんならと応援してくれそうな気がしました。加奈と会って話を聞く時の言い方も聞きにくいこと気遣いながら聞いていたし息子の誤解を解こうと懸命でしたし。これで女装の趣味さえなければホントいい人だあと思えます。

 おじいちゃんとおばあちゃんの会話も見応えありました。おばあちゃんが非礼を詫びて過去の発言を水に流して欲しいという事とこんな孫ですがよろしくという挨拶の二つの意味が込められた訪問の意図だったんでしょうけど。迷い無く水に流すは了承なれどよろしくについてはお断りというおじいちゃん。意外でありました。孫の深い溜め息を間近で聞いてるだけに孫の喜びをまず第一とするのかと思っていたんで意外でした。にしてもこの会話見応えありましたですホント。それでも病院で加奈とあって「これは私の気持ちで翔太の気持ちじゃない。」というのはやさしさと言わずにはおれない感情が入り混じったという人を気遣いつつ本心を包み隠さず言った誠実さが印象に残りました。

 言葉の暴力といったものが問題視されてる今。抑制が効かず相手を傷つけたり、逆に言うべきことも言えず変な所から感情があふれ出してしまう人が自分も含めて多い中。相手への思い遣りと言うべき事をきちんと伝える見本のようなインパクトを感じました。もっともおばあちゃんは貧血起こすし加奈はへこんでましたから正解じゃないのかもしれませんが。

 加奈はこれで吐き出してすっきりとしたのかと言ったらそういう訳でもなく返って迷路にはまり込んだようであります。なんで迷走してるのかはさっぱり理解できませんが。分からないといえば加奈のスカート姿記憶が無いんですけどなんででしょうかねえ。自立する(一人で生きる)覚悟を表してでもいるんでしょうか。もしそうだとしてもし翔太と共に人生を歩むと決めたらスカート姿拝見出来ることになるんでしょうか。単純に好みの問題だったりして。

 翔太はやっと時を待つという姿勢のようで、もっと早くにこうしてればよかったじゃんと思わないでもないところではありますが。

 いずれにせよ、ここまできたら出来ないと思われた子宝に恵まれて両家ご満悦しか手立てがなさそうに思えて参りました。なるほどこれが「奇跡」か。と勝手に想像してしまいます。でもそれだと「ありえない」であって「ありふれた」にはならないよなあ。

 悪人がひとりもいない以上なにかを退治するわけでもなく不幸から幸福への変革のサクセスストーリーでもなく。今だって十分立ち直って不幸とは思っていない日常の中でかすかに見え隠れしてる明るい未来を掴もうと不器用ながらも懸命になってる姿を応援する感じでしょうか。ホント応援するしかないのですがそれでもなんでこんな諸々の感想になるんでしょうか不思議なドラマです。多分それぞれがそれぞれの人生をきちんと歩んでいるから一本調子というか前へならえにならないもどかしさ(それぞれの想い)があるんでしょうね。

|
|

« *あんたねえ | トップページ | *ちょうらい »

2・2009年のテレビドラマ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/211000/44218345

この記事へのトラックバック一覧です: ありふれた奇跡 その8:

« *あんたねえ | トップページ | *ちょうらい »