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ありふれた奇跡 その1

15分延長の第一話。やはり緻密性や完成度に対する期待は高い訳でありまして。それ以外にも充実感までをもつい求めてしまうのは何故でしょう。

「ドラマとはプロセスを愉しむもの」という言葉が番宣番組の脚本家の山田太一さんのインタビューで述べられてましたが。確かに全話で結末が描かれるのはほんの少し。残りは動因部分と結末に至るまでの過程が描かれている訳でありまして。真だなあと思うのですが。そうはいっても結末に感動しなければ今まで見た来たことが無駄に思えてしまうこともある訳でありまして。そこはやはり「けじめ」を欲する次第で「流れ解散」といった風情は好きくないのできちんと締めて欲しいなと。って始まったばかりに吐くような話ではないのですが。お昼頃にやった番宣がえらく最近になく深くて考えさせられる事が多かったのでつい書いてしまいました。

「当たり前の幸せを見逃している」。つまり平和ボケの現代は食べ物だけでなく心までも飽食の時代を迎えている。世界を見渡せば戦争が起きてるところもあるし飢餓に苦しむ地域もある中で、今の日本で不幸を嘆くというのは贅沢病に冒されてる。それの特効薬にこのドラマがなるとかいう大袈裟なものではないにしても気づかせてくれるドラマというのが主題なんでしょうか。これを観たら耳が痛いのかそれとも温泉につかるようなじわ~っとくる効能なんでしょうか。

ってなことを考えながら、そそくさと帰ってきて22時を待ったんですが。いざ始まるとそんな想いはどこへやら。もう無条件で惹き込まれっ放しでこりゃがんこ見応えのあるええドラマですわいな。

どこがどうとか講釈垂れるあざといことする暇があったら直視せいやって感じでした。もうね、台詞のひとつひとつがいいですわ。状況説明的口調でもないし感情解説的口調でもなくてただその人の発する断片的な言葉と体から発するオーラみたいなもんで読み取れよといった、現実の人付き合いと全く同じ不親切な接点が絶妙です。如何に普段のドラマが視聴者に懇切丁寧に分かりやすく作られているのかがわかったともいえそうです。だからリアルから程遠くなって私如きの視聴者でもツッコミいれたりすることが出来るんでしょうけど、このドラマに出てくる人々は間違いなく息して生活してるんだなあという人格と年輪を感じてツッコミようがないです。もうそう言う人なんだと納得するしかないような。とても現実的な感じです。

だから当然誰かに感情移入して観るのではなく自分が第三者としてそこに出くわしてるみたいな印象を受けます。推理ドラマではなさそうですので展開の流れとかには触れなくてもいいのかなと思ってどうでもいい感想に終始しますけど。

大人が大人にきちんと謝ることが描かれていましたが、この場では警察官さんでしたがやはり仲介者が中に入るってのがリアルでした。ちょっと前までは見合いをするのも仲人さん就職するにもコネという身元保証人。諸々の仲裁事にも仲介人がいたりして。でも今は何もかも直接的に対峙しすぎていてそれで摩擦が激しくなっているのかなとも思えてきました。

めざましテレビで陣内孝則さんが加瀬亮さんを評して「平凡を演じきれる非凡な俳優さん」と言っておられてましたがさすがに上手い事おっしゃられるなあと。ホントそう思えます。「人格がまとまるまとまらない」という表現がなぜか耳に残りましたし、駅での翔太とレストランでの翔太は確かに雰囲気違って見えました。えげつなく変えてるんじゃなくてそうだよね場の雰囲気が違うもんね自分だってそうだろなと思えますもの。家にいる時も家にいるって感じしてました。

ところで「駅で痴漢に間違われた」っていうのは映画につらなるご愛嬌なんでしょうか。笑っちゃいけないシーンかもしれないのですがついにやっとしてしまいました。

仲間由紀恵さん(加奈)は翔太よりもお姉さんに映りました。リードしてるみたいで。それはいいんですけどなんか早口じゃないですけど台詞の返しがとても俊敏で気が短い性格のキャラなのかなと思えました。加奈ってそういう結論を急ぐタイプの人なんでしょうか。

画は綺麗ですよね。仲間由紀恵さんはもともとお美しいのですけどよりお美しく映りましたし、なにより明快な映像で強調や誇張なしの役者力引き出す為の真っ向勝負みたいな感じでした。ただ若干顔のアップとかが交互にパッパッと切り替わるのには気ぜわしさを感じましたけど。最後の白黒に限りなく近づいてく辺りはスゲエ好みだなと。

自殺すると何故二人だけが分かった?それは自殺しようとした経験があるから?で固まった二人。だからお互いどこかしら気になる存在ということなんでしょうか。二人でなく三人は。たまたま恋の空白期間に出会った男女とか言う単純なものではなさそうです。宿題というか課題を残して次回へと続くいけずなところはありそうです。ってまだ始まったばかりですけど。

とにかく役者さんがみんな凄いんでほんのちょっとの登場でも伝わってくる情報量が多くそれぞれの人の今まで生きてきた年輪とかが見えてくるようで初回という感じがしないんですけど。これは面白そうではなく愉しいドラマですわいな。

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2・2009年のテレビドラマ」カテゴリの記事

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