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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS

先に書いときますけど決して悪い作品だとは思いません。その割にはあんまり褒めた文章になってないんですがきちんとした作品だとは思っています。尚、中途半端なネタばらししてるやもしれませぬゆえご注意の程を。まだ観てない方は読むのをパスされるが寛容かと存ずる。

「長澤まさみ」を応援してる以上当然観ずしてなんとする。という勢いで観たのですが、迫力(火力)があってこんなとこでこの役者さんを使うのかという豪華さに驚いたりで見応えあったのですが、映画館を出て疲れた印象があったのをDVDで再び観て思い出しました。

オリジナルの黒澤作品観てますから当然比較してますし。ス○ーウォーズのロボット二体が人間の姿に戻って里帰りして来たついでにダース○ーダーまで一緒に連れて来ちゃったってな勢いを薄らほのかに感じていてのんびりこんと観ていられなかったってこともあったんでしょうかねえ。なんか余分な事考えながら観てたからなんでしょうけどなんかひっかかりを感じて疲れますです。

テーマというか感じることは、人間は思っているほど悪くない。人は信ずるに値する生き物だから信頼はなにより大切だと語りかけているようにも感じられます。

オリジナルと違うことは脱出アドベンチャーに徹していた感すらするオリジナルに比べ、人と人とが交わる際の心情の揺れ動きを描くことが追加された印象でした。正直二兎を追ってなんとやらという印象があります。エンディングに向けての持って行き様が随分異なりますのでそこが味噌なんでしょうか。私もオリジナルでの最後の追っ手の者が翻意してエンディングに連なるのはどうなんだろうとは思っていましたので最後までダー○ベーダーは悪党らしくというのは納得のいく改定点だなとは思いました。軍資金の輸送のトリックは捻られていて見事たばかられ申した。六郎太すら知らなかったようで。

役者パワーは凄かったですね。宮川大輔さんがとても印象に残りました。地べたにとても距離が近い野趣に溢れた空気感で今時珍しいくらいの虐げられたなかで逞しく生きてる生物という趣と温もりがとても出ておられました。阿部寛さんと椎名桔平さんは仕事師の面目躍如という勢いで重厚感ありましたです。松本潤さんは色男はいくら汚しかけても汚れないのかなと思いました。なにしても伊達なんだなと改めて思った次第で。上川隆也さんあれだけかよ~もっと観たかったなあ。高嶋政宏さん甲冑姿が似合います。古田新太さんと生瀬勝久さんも出とらしたけど、もしこのお二人が武蔵と新八演ったらという想いに駆られてしまいました。

長澤さんについては、まず時々指摘される甘ったれた感じがする声ではなく精悍なイメージを与えたという印象でへ~でありました。不遜な発言ではありますがやればできるじゃんという感想です。時代劇がなんか似合う感じがしたのですが浮世離れした世界感での方が合ってるんでしょうか。らしく見えるか気になる現代劇より映えるお芝居をされてるんかいなと思えました。

甲本雅裕さんとか虐げられた領民で徳井優さんとか出られとってホント豪華でかつ散漫に映らなかったのはすげえなあと思うのですが、なんか長回しとかがなくて役者力十分に堪能出来にくい忙しなさを若干感じました。もっともそれでスピード感とかが増すんでしょうから痛し痒しなんでしょうけど個人的には殺陣のシーンとかで対峙した両者の迫力が浮き出るような息遣いとか気の押し合いとかの眼には決して映らないけれど確かに感じられる間とかを愉しみたかったです。いくさ場にそんなのあるかといわれればそれまでなんですけどね。

画的に言うと、砦というか要塞(西洋っぽい)に映りました。火力(爆発)の勢いが凄くてスケールの大きさを印象付けるのですがアリなのかなあという感じでした。最後山が崩れんかなの勢いの大爆発からどうやって脱出出来たんだという疑問がやはりありますし。

他にも?と思った事は、姫様を囮にして相手の目を引きその間に本隊(軍資金搬送部隊)が早川領に辿り着く作戦でありましたが、秋月家再興の為の唯一の秋月の血を引く後継者がおっ死んでしまったら担ぐ神輿がなくなってしまう訳で意味無いじゃんとか。すげえギャンブルしたなあと。少なくともオリジナルの方は選択の余地がない切迫感を感じましたけど。ってこれは観終わってからの感想で観てる最中はそのトリックに気づかずドキドキしてましたけど。

馬上戦を挑まんと姫と六郎太が武蔵・新八とが分かれた後武蔵の機転で山に行く展開だったのですがそっちに向かったことを知らないであろう六郎太達がどうやって追いつけたのか。大八車の車輪跡を追ってとかにしちゃあ違うとこから出現してたけど。

山名の残虐性を描くにおいてはオリジナルとの差をとても感じました。オリジナルは勝者と敗者との落差として描かれていましたがここでは虐げるものと虐げられるものという格差の違いに思えました。自国の領民に対してすら保護することなく支配する側としての傍若無人な振る舞いは国を治める気があるとは思えぬ所業に思えました。いいのか悪いのかと言ったらリアル感が失せるんで好きじゃないという感想です。

音に関しては矢が飛来する音から始まって刀がつばぜり合いして発せられる音まで大仰でした。好き嫌いの問題もありましょうがなんとはなしに気になりました。声もスタジオで後録りしたみたいにクリアで、逆に違和感を感じるとことかもありました。案外外らしい雑音というのも空気感表現するのに必要なんだなと知った感じです。

運んだ薪の量が一定だったのかという疑問。そこはきちんと計算されておられたんでしょうけど一度馬も大八車もなく4人が背に背負って運んだ時少なくなってないかと映って見えたものですから。その後生大事に運んできた薪を祭りの喧騒で火にくべるところはオリジナルと同様ですが火にくべる必然性が薄く思えたのはもったいなかったなあと。翌日新八がその燃え残りから取り出した後捕まるのですが今まで散々悪逆非道な行いの山名が何故新八だけは生け捕りにしたのか。

瘴気という武器を使う武蔵ですがガス検知器役の鳥を最後解き放つのは、どこかしら動物愛護の影響があったんでしょうか。効果的には最後のひとぶんばりという決意と読めるんですが本当の趣旨はなんだったんでえすかねえ。

乱戦で武蔵があわやという時姫が刀を持って危機を救ったのですけど、その時上の階では六郎太が格闘中刀落としてたんであの落ちた刀が侍に突き刺さって危機一髪って言う手もあったんじゃないのかと思ってしまいました。

音楽は王道というか壮大で映画らしくて豪華でした。

各部分を穿り返すと、役者力見事ですし特撮のけれん味も派手だし音楽もマッチしていたし結構なたばかられた展開の妙もあるんですが。それらが混ざり合ってひとつの作品としてのイメージ(感想)となるとなんか印象が薄くなるのはどうしてでしょうか。追われている緊迫感がオリジナルとは異なるのはなんとはなしに感じるんですけどそれだけじゃないような気がしないでもないです。そういうのをきちんと誰にでも分かるような言葉に出来れば評論家になれるんでしょうけど私には無理なのでイメージとしてなんか違うとしかいいようがないところです。

「長澤まさみ」が出演し公開された映画は2008年はこれ一本。少ないなあというのが率直な感想。メインキャストばかりに固執しないで場数を踏んで幅を広げて欲しいですね。「ラストフレンズ」では男に付け入られる隙だらけの女性を演じて女性の好感度ランキングが下がったらしいと言う役者としての勲章を受けられてましたがこの映画がドカンと当たっていれば役者さんとしての幅の広さを多くの人に証明できたのに残念という気がしますです。でもお綺麗に映ってましたですよ。息が白いのに短パン姿というのは痛々しかったですけど。出来ればオリジナルのように無事到着後ちゃんとした姫の姿に戻られての艶やかな姿に変身というのも観たかったですな。

ちなみにDVDは豪華じゃない方買いました。なので映像特典とかのコメントは見てないので書けません。

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