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佐鳴湖のお話し

「私と家族と湖と」という番組を見ましたです。淡々と情景を映し無言で見えにくい事実を浮かび上がらせるものではなくストレートに強いメッセージ性を感じさせるドキュメンタリーに思えました。この番組は偏見と闘う人の活動を描いた作品でした。どういう偏見かというと

浜松が日本一を誇るものは数あれど、水質汚染度は琵琶湖の比じゃない佐鳴湖は紛れも無く負の日本一。

元々浜松は佐鳴湖だけが汚なかった訳じゃなく、私がガキの頃はむしろまともに魚棲むところだった。染色業が盛んだった頃は河川や用水路沿いに様々な工場が立ち並び藍や茶色のカラー豊かな水が泡を吹いて流れていた記憶がある。そんな河川に生き物が生息できる筈もなかったがその時分の佐鳴湖は釣りができた。

それがいつのまにか公害問題が世論となり改善されるようになっても、佐鳴湖は改善から取り残されたように回復しないまま今を迎えている。汚れているから釣ったところで食用になる筈も無く次第に野放図に生態系が出来ていてなにが潜んでいるのか誰も判らなくなっていった。随分前にはボートの練習中に大きな魚と艇が激突して船体を傷つけ、おそらくは藻にからんでのことであろうが溺れるという惨事があった。その時にも魚の正体は不明のまま。最近ではワニがいるとかで騒動になったりと、手付かずの自然があるといえば聞こえは良いが要は手に負えない状態でのミステリーゾーンともなっている。

という私が持つような偏見。

実際には魚が棲めないような汚染などなく、数種類の魚達を育んでいる豊かな湖であるということ。天然鰻の漁も行われている。それでも佐鳴湖がワースト1に6年連続全国1位に輝いているのは植物性プランクトンが異常に発生しているために水中の酸素濃度が低くなりそのデータのみで汚染と判断されている。工場排水による薬物とかの物質的な汚染ではない。

では何故他よりも多くプランクトンが発生するのかというと、平坦な地に存在する佐鳴湖は上流より流入する水量よりも下流から押し戻されて流入する水量の方が多く、そのため同じ水の留まる時間が長くなるという特徴があるからだと述べられている。そして農地や家庭等から排出される栄養価の高い生活排水を植物性プランクトンが養分とすることが出来ることと合わせて豊かにプランクトンが暮らせる環境にあるということがその理由であるらしい。

この特異性により通常の湖では問題とはならない排水量・質のものであっても佐鳴湖には十分配慮しなければならない繊細さを要求されるということと述べられている。

浄化にむけて様々な試作、例えば放流(鯉やしじみ)などを地道に重ねているが、その光景を見た市民が「こんな汚いところに放流して可哀想。」と言う。朝方湖を巡回すると違法にゴミが投棄されたりもしているという。違法にゴミを捨てる奴は二種類居る。ひとつはいけないことと知った上でばれなきゃいいと思ってる奴。もうひとつは皆やってるから自分も捨ててもいいんだといういけないことをしてる自覚のない奴。後者を発生させないために即座に回収するといういたちごっこが切ない。佐鳴湖で漁を生業とする方から見ての視線で具体的な無報酬の活動の様を描かれると私のような偏見では太刀打ちできない正論と意志の強さを感じますです。

そんな印象を持ちつつのこの番組を見る。最初「さなるこ」のイントネーションの違いに違和感を憶えるも全国に向けてのことだからこれが共通語かという感慨を持つ。

これが人権に関するものならば全国各地から有志や協力者も大勢集まるのであろうが、湖権なだけに沽券に関わるとばかりにすわ一大事と馳せ参じる同士も少なく孤軍奮闘を強いられている。などというへらず口は差し挟む余地なぞない非常に真面目に作られた番組。具体的に何が出来るかと問われれば私のような偏見を持つ者に「違う」と伝えるくらいしかできないのだけれど説得力を感じましたです浜松市民としましては。これが他山の石たる全国から見てどれだけのインパクトがあるのかは分かりませんが、浜松市民にはインパクトのあるお話しでした。それにしても天然鰻デカかったなあ。

大昔は水遊びが出来たとのこと。だとしたら泳げるような安心感を得られることが最終的な復活ということなんでしょうか。人が何も介在しないことが自然ということだけではなく里山のように人が分け入り手入れしてこその自然もある。それが佐鳴湖にもあてはまるのでしょう。

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