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スウィングガールズその1

映画そのものとは関係ないカミングアウト的な内容ですが、私にとってこの作品が特別だという理由の言い訳です。尚、役名はめんどくさいので役者さんの愛称等で表記させていただきます。

映画が封切られた時分、丁度交通事故を喰らってしまっていたのと仕事の変則勤務をこなすのに必要とされる体力が私の限界を超えつつあって、徐々に精神的にも侵食されるようにしんどくなって来た時期でした。面と向かってSOSを発するような自覚症状がある訳ではなくただ日を重ねるごとになにか重いものが蓄積されていく日々でした。そんな時にこの映画に出会って(一時的にではありますが)とても心が救われました。

ノルマだ改善だなんだのと周りを見渡せば競争と経験の蓄積の放棄ばかりでささくれ立った毎日の日常の中で、映画館の中において勝ち負けの原理の存在しないただ一所懸命なことが気持ちいいという世界を垣間見たのではなくど~んと提示されたあの時の感激が今でも残っていますです。

ビッグバンドジャズという古き物のよさの再確認は、技術の過度な進歩や効率重視などで長年培ってきた物(者)の放棄を余儀なくされる現実の逆を行くものでこうありたい(人々にスタンディングされるくらい評価されたい)を具現した姿で爽快でした。決してコンテストや大会で順位を競い勝った負けたの評価基準のために努力するのではなく演奏したい上手くなりたい聴いて欲しいというごくごく自然な想いのままに進化していく様は始めに目標ありきでスタートする努力とはかけ離れた「好きこそ物の上手なれ」を再確認できたことでもありました。(DVDでの映像特典のメイキングでは「やってやれないことはない」という別の感慨がありました。)

女子高生ですからガールズ達に感情移入は難しいんですが、的を得たように一人感情移入できるキャラクターがいたことも大きかったです。見守る立場の先生(竹中さん)がこれまた私みたいに聴くだけで実演はさっぱり。だけど彼女たちを応援することによって自分も参加できたという喜びを感じる。という展開はまさに私のようだと確信するくらいでした。オーラスの「あれ俺が教えたの!」とはしゃぐ姿がとても好きでした。

最初観た時。序盤のガールズには本気でその傲慢無礼な傍若無人さに怒れましたです。(映画の中で唯一ひらっちが彼女達を脅して演奏させようとした廊下ででのやり取りのシーンはだから快感でした。)本気で席立とうかと思ったくらいでまんまと矢口監督の策にモロはまりでした。そんな彼女達にも夏休み終わって一時気持ちも行動もしぼんでしまって学校の廊下で再会した時のしほりんの振り返りの後ろ髪を引かれる想いの涙を見て彼女たちに対する想いが一変して、応援する気分に変化しました。ますます矢口監督のなすがまま状態です。

それからの怒涛の進撃は気持ちよくて幾度かの挫折も絶対乗り越えるに違いないという確信が何故かあって(挫折というよりも寄り道という感覚に近かったのかも)不安にかられることもなく最後まで一気の勢いは堪りませんでした。この作品において不安に陥る状況提示が一切なく、完全に無防備で心をオープンにして観れ、流れにまかせっきりに出来る安心感があって。大抵の映画にはどこかしら自分と対峙する距離感を持つんですが、この作品では輪の中に自分も入っている融和性すら味わえました。

それからDVDの発売日に、夜行性な私は普通なら絶対しない早起きをして朝お店が開くと同時に速攻で買いました。もちろん映像特典満載のプレミアム・エディションです。ちなみに封入されていた切り出しフィルムは冬の雪合戦でひらっちと樹里っぺ(後ろ向き)がおっかっけっこし始める直前辺りのシーンでした。

それから半年くらいは毎日飽きることなく観続けて(さすがに今はたまにしか観ていませんが)、現実逃避してた訳ではないのですが明日を迎える気力というか肥料としてましたです。映画そのものだけでなく映像特典でのキャンペーンの模様とかオーディオコメンタリーとかからも映画に対する一生懸命さと愛情が伝わってきてこのSGワールドに飽くことなくひたすらはまりっぱなしでした。ホントのこの空間を与えてくれたことに感謝しましたです。

だから私を救ってくれた作品に出会えて、今でもこうして仕事続けていられると締めれば格好いいんでしょうけど現実は心は癒せても体は正直でありました。仕事を過酷と感じる蓄積が許容量を越えてしまい具体的に病名がついた訳でもないのですが体調不良でついていけずリタイアしてしまいました。ま、結局は仕事降りたという形にはなったんですが、この作品にもし出会っていなかったら心身ともに疲れ果てた状態でのリタイアになっていたことでしょう。おかげさまで鬱にもならず頭はアホのままでいられています。

その後の役者さん達の活躍も皆さん目覚しく、その人達の出演作品を観ることが嬉しいのであります。樹里ちゃんSGに出てたんだ。しほりんもユイカも。ああひらっちも。江口のりこさんも眞島秀和さんも。かつをも松子も罪子も水月さんも。その他諸々と・・・。へえ凄いんだこの映画。ってことになって「スウィングガールズ」という作品が永遠に輝き続けてくれたらなあというのが理想なのです。矢口監督の才能からすればまだまだもっと凄い作品が今後たくさん作られるでしょうからいつまでも監督にとっての代表作と言う訳にはいかなくなるでしょうから。役者さんの側から輝いて欲しいなと思っている次第で。

スウィングガールズに関してはいくらでも想いがあるので、今回はその1と言うことでまだ続き書きますです。以降はもちろん私の都合の話ではありません。ただ想いが強すぎてまとまらないので次いつになるかは自分でも分かりませんが。私にとっては人生の転機となったとかではないのですが内容の素晴らしさと自身の想いが連なって一生ものの映画なのです。だからそれを作り上げた役者さん達にも一生ものとしてえこひいきして観続けて行きたいのです。ま、こんだけ活躍されてる方が多いと漏れが多いのでエラそうなことは言えれないんですけどね。

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