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ラスト・フレンズその1

このドラマは「上野樹里」の作品であって「長澤まさみ」はその世界の中で自由に羽を広げ動き回るというエコ贔屓の順位を自分なりにつけて望んだ訳でありますが。

そう思う理由としては、樹里ちゃんの盟友瑛太さんがいること。長澤さんには塚本さんがおられるようにサポートとまではいかずとも、理解してくれた上で演じやすい土壌を作ってくれるから。この作品には塚本さんはおらず瑛太さんがおられるから。

前にも書きましたが、樹里ちゃんは要領よく立ち回れるような器用な人ではなくむしろ不器用なくらいの一途さのイメージがあるので、マイペースという表現かは適切ではないのしても、どなたと芝居をされてもあまり極端に周りからの影響を受けなさそうな感じを勝手に持ってますです。逆に長澤さんには共演者や監督の空気感とかこうして欲しいという希望とかを読んだ上でその枠の中で最善を目指すタイプで「俺について来い」というタイプではないと勝手に判断しとりますです。

そんなこんなの理由でこのドラマが「上野樹里」のドラマだと読んだのですが。

いんやあ。それにしてもドラマが始まる前から電波ジャックかと思えるくらい朝っぱらから番宣で出ずっぱりでホント凄いったらありゃしない。少なくとも紹介される順番から鑑みると一番手は長澤さんで樹里ちゃんは二番手という紹介のされ方のようでありました。この時点で樹里ちゃん主役説は見当違いも甚だしいことが奇しくも証明されたも同然なのではありますが私も意固地になって22時を待つことにしとりましたわ。因みに番宣でよく使われて印象に残ったたフレーズは「みんなで作り上げた」というものでした。果たして言葉通り誰か一人が突出してそれを周りが盛り上げるというものではなくバランスの良いものになっているのでありましょうか。

そして22時がやってきた訳でありますが、いやあ見応えありましたわ。錦戸亮さんは映画とかでは拝見したことないのでその力量をば今回始めて知ったようなものなんですが、きっちり何を観る側に伝えるのかを把握した上での滅私奉公的なお芝居で伝わるもの大でした。仕事師という感じで感性重視の当たりもあれば外れもある一発屋では決してない実力をお持ちの方のように感じましたです。同棲生活初めていきなしDVかいっていう無茶振りな演出でも、暴力の源が過度の愛情による独占欲からなるものであることをしっかり表現されていたし普段の善い人である光景にも無理がない自然体に映りました。愛情の表現が歪んだ可哀想な人であって決して悪い奴じゃないんだというのにも説得力ありましたわ。

だけど、役者さんのせいではなく展開の疑問として、やっと巣箱の中に訪れてくれた青い鳥がまだ完全に手中に収めてもいない内から歪んだ愛情表現を抑えることなく(他人行儀ではなく)いきなりさらけ出す設定というのははしょり過ぎの感が拭えませんでした。そういう意味では彼はどの時点で青い鳥は逃げないという確信を得ていたのかが私には分かりませんでした。私が彼なら或る一定の助走期間で探り探りやるなと思ったもので。正直番宣でこれでもかという位DVのことを謳っていたからそれなりに理解というか受け入れられた展開ですが、なんの事前知識なしに観てたらもっと疑問が膨らんでいたのかもしれませんでした。でも今のところ青い鳥は逃げちゃった状態で終わりましたから彼の考えは勇み足であって失敗だったということなんでしょうか。

上野樹里ちゃんですが、もう言うことはありません。ただ観るのみです。それだけで満足です。ずうっと演技している「上野樹里」を観ていたいと本気でそう思わせる人です。映画でもテレビでも。バラエティとかの樹里ちゃんはあまり見たいとは思いませんが。この人はやっぱりタレントさんではなく役者さんです。

そして長澤さんですが、冒頭のいきなりな展開は非常に予想外で「あっ」と驚かされたんですが、全体的に何気ない仕草ひとつひとつが穏やかで、それでいて心に忸怩(じくじ)たる思いに押しつぶされそうなアンバランスさが上手く表現されていて見応えありました。多少脱線しますが妊婦さんの歩く様や仕草など芝居として上手く化けてて魅せるだけでなく見せる技術というものにも磨きがかけられたという感慨すら覚えました。夜の雨降る中帰る場所どころか自分の居場所すら見失ってしまって想い出の公園のベンチで呆然とする様辺りの心理表現は「絶望」という文字を連想させるに十分な迫力でした。

展開がどうのこうのはまだ一回目でほとんど序章というか紹介の部分だと思われるのでどうのこうの言い様がないので今回は雰囲気をまず第一に優先した訳ですが、どんな展開にでも(例え死人が出ようとも)ついていけそうな感じがしていますです。そう思わせる抜群の空気感を構築しているような感覚です。

とにかく初回から役者力全開バリバリな勢いで、見応えありましたわ。お話しの内容がどよよんであろうがなかろうがお構いなしの空気感を味わえます。こりゃまだ一回目ではありますが私的には当たりだなと思う次第で暫くは木曜日は周りから嫌われようとも美容師の助手ではないのでそそくさと「お先に」して22時にはテレビの前にいることになるでしょうな。もちろんこの感想は「上野樹里」優先ながらも「長澤まさみ」にもえこ贔屓する者のものであってシンプルにドラマとして愉しもうとされる方に通用というか納得していただけるものではないと言うことは承知しておりますです。

番外編的な感想をいいますと、最初この二人上手くいくのかなと思ったのですがそういう心配は作品として見る限り余計な心配のようでありました。いい意味で寄りかかることなく火花が散ってる感じに見えます。

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