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パッチギ!LOVE&PEACE

違う意味で感動しました。毒をもって毒を制すとはこう云う事を指すのでしょうか。出てくるセリフ全てに毒がある勢いです。当然口からでまかせの空虚な思いつきの言葉ではなく、信念に基づいての心のつぶやきだから、聞いてるほうからすればキツイセリフばかりです。まさしくこれぞ映画と呼べる感覚です。金を払って観に行くということは観る側にも責任を共有する権利が生じるということでしょうか。テレビなぞでただ見した奴がこの作品見てなんか講釈垂れるのは無責任なような感じがしてきます。

井筒監督が「映画館でみなくちゃ・・・」という類の発言をされていたのは、この映画に関しては確かにもっともだと納得しました。観た以上は自分にキックバックしなければ意味がない。ただそれが毒に中ったままの不愉快な残像として残るのか、自身も兼ね備えてる毒を吐いて中和して逞しく生きる清涼剤とするのかは観た人次第なんでしょうけれども。

最初観た時は毒気に中てられっぱなしできつかったんですけんど、繰り返し観てなんとか盛り返してきました。まあ、まだ受ける毒の方が強い状態なんですけど。なにせ民族紛争な訳ですから。諸外国の他人事ではない身近な話しですので色々と被ることがあるんですわ。

何度か見慣れれば薄まるのかなと思っていたんですが、むしろより強まる感じでとても良く練られたんだろうなあという印象です。それだけに「そんなこと言ったってねーあんた」みたいな反論する理屈が捻り出せなくて形勢不利なんですけど、最初と最後のパッチギかますシーンで、詰まるところそうなるんだよなあと同調する感じです。最初観た時こんな乱闘シーン必要あんのかと感じたんですけど何回か観るうちにこれがないと切ないだけじゃんと思うようになりました。

幕末のええじゃないかみたく踊る阿呆に観る阿呆という鬱積した感情のはけ口程ではないにせよワーっと騒いでとりあえず落ち着くって感覚でした。これがないと「泣いて、笑って、生きる勇気が湧いてくる、極上の群像エンタテイメント大作!」ってのになりませんからねえ。

前作はじっくり濃密な感じだったのですが、今作はオムニバスみたいに激動な展開だという印象です。こんな豪華に作られてるのに映画でなきゃ描き出されない観る人を選ぶ内容の映画って珍しい印象です。知らずに観てびっくり箱かと思ったらパンドラの箱だったと感じるかもしれません。私は前作観てたからそんなことなくて済みましたけど。それとこのストーリーなら出演者の入れ替えするってのもなんとなく納得ではあります。とにもかくにも登場人物確かに生きてる生活感というものが伝わる地に足のついた丁寧な映画だと思います。それだけに手強いですわ。

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