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天まであがれ!!

痩せて枯れてるとはいえ、一応私も浜松市民なので地元ネタの作品を観ないわけにはいくまいて。じゃによって記事にしとかまいとしただけえが、数ある日本映画の中において判断すると(人にええよと薦めると)なると、いたって普通という表現が適切かなと思わないでもない感じです。

町興しと言うほどではないにせよ、地元衆の寄り合いで「なんしょつくらまい」ってな勢いで都会からプロの方を呼ばって制作された雰囲気をメイキング見てると感じます。監督さんも言ってたけどメイキングの「凧馬鹿」の衆ら写いてたのも別の意味で面白いというのは理解できます。ある意味本編とメイキングが合わさって作る過程とを一緒に流いて実際にいごいてる遠州人を見て遠州を知ってもらうというほうが私的にはおもしろそうと感じたのですが考え方が変でしょうかねえ。

主題は「この凧あげたら、父さん見てくれるかなあ?」ということで、凧に関わった人のそれぞれの想いを乗せて空高く舞い上げようという暖かいテーマです。

宍戸錠さんは映えますねやはり。素人衆もたんと出てるだけに余計比較出来るので判り易いです。あと、源蔵役の守田比呂也さん・中山んとこに住んでるおばあさ役の阿部光子さんが印象に残りました。阿部さんは遠州弁っぽいイントネーションでセリフ言われていて地元の人かと勘違いしてしまいました。普通の人にしちゃあお芝居うめえなあと。そりゃそうだプロの方だもん。

佐津川愛美さんは静岡県出身の方ですが、駿河の方なので遠州弁ではありません。近いけど違うんです。だから標準語しゃべっておられます。

子供連は主人公の方以外は市民参加ということでみなさん素人な方だそうで。最近のドラマって子役ががんこ上手い人が多くて、自己が確立してもいない時期に他人を演じるのは精神的に大丈夫な事なんだろうかと言う疑問を抱くものとしては、これくらい他人の人格を体内に受け入れない素人っぽい方が安心して観てはいられるんですけど、お芝居として見るとなんかビミョーです。

で、以下は映画のというよりも観た感想をというか、ツッコミです。ただし嬉々として書いているので文句いちゃもんの類ではありません。充分愉しんでます。作り手の人には良い迷惑でしょうけれども。

いきなし凧の話しですが、25帖はデカイです。普通はでかくても10帖くらいですし、喧嘩凧なら4~6帖のあいさが使われるので、現実的には余程の大金持ちの初子用とかでないとありえないサイズと経費でしょう。で、絵は「ヨコ天」ですわ。天神町の凧ですわ。伝説の凧作り名人であろうとも勝手に描いていいものではありません。天神町に住んでるなら話しは多少理解できますが、天神町は風光明媚な自然豊かな場所にはありません。浜松駅から徒歩何分という街のど真ん中みたいなとこにある町です。それに凧は素人が作るものではなくその道のプロの職人さんがつくるもので、各町内におられる「凧馬鹿」の名人は「糸目」やら「しっぽ」やらなんやらの管理運用に優れている方のことを言うのです。

いざ揚げるとなると、凧は組織戦であって個人の優れた能力よりも統率力と判断力が物言う世界です。もちろん風を含む天候を読む力は重要ですが、そういうのは組長が最終決断するとはいえ、相談役とかの合議制で判断されることが多いです。映画の中の入院の見舞いに来た源蔵(守田さん)と中山(宍戸さん)の会話は私のお気に入りシーンですが、そのなかで「爺は邪魔だと若い衆にゆわれる」みたいなことを言った返しで「そりゃお前に人徳が無いからだ。」と言うセリフはリアルです。組長・相談役とかがしょぼいとホント話しになりませんもん。士気が下がると詰まんないもんですよ。祭って酔うくらいのアドレナリン出ないと愉しくないですから。

最初の子供同士の喧嘩凧のシーンでは、凧と一緒に揚げ手も揉み合いしてましたけど喧嘩するのは凧だけですから。くれぐれもこれ見て浜松祭りの凧合戦は人も乱闘してると思わないでくださいな。ま、いい陣地取りで多少の軋轢はありますけどね。

あと落ちた凧を拾いに行くシーンをカットなのかはしょったのか分かりませんが、それがないのはちょっとなあという印象です。別にゴミになるからとかいう意味ではなく、ある意味神事(浜松人にとっては)でもあるわけで、実際の祭りでは何があっても回収するという決まりごとがあったのです。ショッカー並みのぺーぺー戦闘員だった頃、揚げては落ち「拾って来い」といわれ、必死こいて確保帰還すれば、拾いにいってた間に揚げてた別の凧がまた落ちて「拾って来い」といわれを繰り返し、結局その日タコ糸いじったの朝の一回だけだったという経験を持つ私としては、負けて拾いにいくという行為のしんどさを描いて欲しかったですなあ。

景色はこれに限らずどの作品もそうですけどお約束の砂丘と舘山寺と天竜川の河川敷きがきっちり出てきてます。朝河川敷を通って大平台小学校まで通い近所で凧揚げると鶴見あたりの河川敷グランドで揚げてる。勝負しろという集合場所が遠州浜。お爺ちゃんとこに凧教わりに天竜浜名湖鉄道に乗って田舎に行く。一体この子はどこに住んでるんだと真剣に考えると小学生とは思えない行動範囲です。こういうのを見ると浜松の人間が観て愉しむというのではなく浜松から全国へ発信する意図をもった作品なんだろうなと感じるのですが、地元民は多少なんだかなあという違和感を拭いきれません。浜松の衆だけが分かるような内輪ネタがたくさん欲しいですわ。最近のドラマにせよ映画にせよ、その描かれてる世界の玄人や専門の人が納得するくらいの道具や背景・セリフといったもので凝り様の高いものが評価される勢いというか風潮があると想うのですよ。その世界にのめりこもうとするとそこまで追求するのがリアルに感じるものです。

中田島砂丘ですがあんなキレイに風紋が出来てるとこ最近見てないような気がします。小さい頃にくらべて小さくなったイメージがあって、もう最近は防風林をちょっと抜けるともう波打ち際が見えてくるようになっちゃってる感覚で、風紋キレイに出るとこ良く探せるものだなあと感心してしまいます。小さい頃は海辺にたどり着くのにふた山(丘)越さないとたどり着けなかった記憶があります。その時は結構風紋見たりしてたんですけど、まあそんなしょっちゅう行くとこじゃないんでいい加減なこと言うなと怒られそうですけど。

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