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*浜松ついこないだの昔話12

今はもう跡形もないが、昭和の時代には東田町という町があって、そこを通る道で「春雨通り」と呼ばれた道があった。今の「中央」と称される辺りの話である。

何故そのように呼ばれたかというと、「春雨」という営業当時浜松においては高級旅館の部類に属する有名な旅館があったからである。旅館という呼び名でもわかるとおり純和風の佇まいで、敷地内には蔵もあるつくりであった。

私が物心つくころ時分にはもう「昔そういう旅館があった。」という言い伝えみたいな話しであったので、往時の状況は知る由もない。

それでもタクシーで「春雨通り」とオーダーして運ちゃんが「なにそれ?」といわれる事はないくらい定着した呼び名であった。

経営された方は旅館経営ののち会社を興してそちらに事業が移られたとかで、旅館としての機能が終了したあとも売りに出され更地にされる事も無く、静かに建物は自然に溶け入る様に穏やかに朽ちていく趣があった。

街へ出るために春雨通りを歩くことが近道だったので道から建物が見えるだけで中に入ったことなぞもちろん無く、往時の豪華さは想像できないのだが、有名人はどうだか知らないが身分の高いお方が泊まられてたという話しは聞いていた。無人の建物ではあったが陰鬱なイメージは無く、町内に住んでた同級生に聞いても「お化け屋敷」というイメージはなかったとかいってたような記憶がある。

旅館の隣には東田町の屋台置き場と公会堂があって凧の準備のころになると人の行き来が賑わしい感覚が残ってる。道そのものは広くはなく普通車同士が行き交うのに丁度くらいの幅だったような記憶がある。道路的には大通りでの信号を避けて通れる利便があるらしくタクシーなどの業務で走る車は昼夜問わず利用していた。ただし東西南北を正確に向いていたわけではないのと街方向からの入り口がわかりづらいため知らない人には非常にわかりづらい道でもあった。入り口を説明する際は「駅越して板屋町の陸橋の交差点越したら、なんしょ右に寄って走りゃあタクシー訳わからんとこでみんな曲がるで、一緒んなって曲りゃあそれん春雨通りだで」とかいって説明する感じであった。

繰り返すが今はもう跡形もない。

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