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舞妓Haaaan!!!

劇という言葉に最近感心するようになりました。動きや台詞回しなどこんな奴いねえよと想いながらも愉しく見れてしまうお芝居。劇薬・劇的とかに使われるのと同じ字なだけに強烈な感じを受けます。

感覚的に劇と言うものは舞台という閉ざされた空間の中で構築されるものであり、外に出て現実の空間でありえない人間を表現するのは違和感を感じるのであるけれど。まあ異質であるなら徹底して浮いた方がそれはそれで突き抜けてしまっていいのかなと思わないでもないです。後はそのテンションが生理的に受け付けるかどうかの問題なんでしょうね多分。

と言う訳で、「舞妓Haaaan!!!」逝っちゃってます限りなくどこまでも。しかも誰も主人公を引き止めません。容認しちゃっててます。皆して突き進んじゃって誰か突っ込めよと思わず言いたくなる感じです。ジェットコースターでどこまで行くんだという感じです。これが宮藤ワールドかあ。悪党も暴力も敵(かたき)もいない世界でこれだけ劇的なストーリーを描き出すなんてそれだけでも凄いです。私ならこうだなとかいう我が身に置き換えようもないキャラと展開で引きずり込まれます。

ついてけない部分も多々あるんですけどそれも最初の方だけで、観る側のエンジンが掛かってくればその感覚が麻痺してくる感じです。とにかくストーリー展開が滅茶早くて余韻に耽る間を与えてくれなくて一気に終盤まで引っ張られる感じです。体内時計が麻痺するようで140分という時間が普通に過ぎる感覚じゃないです。

笑えて弾けて泣けてしみじみと。終わりよければ無駄が無しって勢いで。娯楽映画の要素を全部兼ね備えている印象をモロに受けました。こういうのって結構あとからじわじわ湧いてくるんですよねえ。

さりげなく凄い配役で(これ見よがしと言う意味ではないということ)映画ならではの贅沢さがそこかしこに満載で、確かに一見さんお断りという感じです。何度も足を運ばないと愉し尽くせないですな。って言うほどまだ数こなしてないですけど。

音も映画らしい感じで楽しいんですけどDVDで観てもその感覚は損なうことなく味わえました。

しかしこの弾け具合は新鮮ですわ。「野球拳がしたい」という番宣というかコマーシャルでこれでもかとこのフレーズが流された時、受けた印象は舞妓遊びといえば成功者のステータスみたいな感覚を持っていたので、成り上がりとかのサクセスストーリーなのかなと思ったんですけど。

実際観てみたら、人情劇と言う部分の方が強い感じで宣伝とは違う印象でした。ネタばらししないと言う思惑があったのでしょうか。宣伝のイメージだと若い人向けに舵を取っていたようだけれど、むしろ私みたいな中年組に向けたというか判り易い作品のような気もしてきます。

だけど繰り返しにはなりますが、こんな奴いねえよ絶対に。ひとつとしてリアルな人間としての行動力ではありません。「眠った才能」なんてそう幾つもねえよ絶対にですわ。そういうキャラをしれっと演じる阿部サダヲさんは凄いんだなと。対となる堤さんもなんだかなあって感じでバランスがよくて好きですわ。役者力あってこそのハチャメチャな展開なんでしょうね。後日談がなかったら絶対ついていけない世界でした。喰い散らかして嵐のように去って行くいっときのお話しだったら洒落になりませんもんね。こういうものでも飲み込んでしまう舞妓文化は大きいんだと謳ってるようにも感じますです。

難しい事は殆ど無い観る側に優しい作品ですが、ただ堤さんの役どころが、舞妓の世界へのデストロイヤーみたいな部分があってなんでそんな愛情の裏返しみたいなSっぽい行動に走るのかいまいち私の頭では理解できませんでした。我が子と呼べぬのはこの世界のせいだけではない筈なのにと。

ごちゃごちゃぬかしとりますが愉しい映画です。エンディング観ると基本というか根っこはミュージカルかと感じちゃいましたけど映画ですよね確か。

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