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ユメ十夜

いやあ訳分からん映画ですわ。と、いっても田舎に来て戴ける様な事は無いのでDVDで観たんですけれど。ネタバレ書いてるつもりはないんですがこれから観ようとされてる方には興ざめの無粋かもしれません。パーペキな趣味の映画であって娯楽映画ではないので好き嫌いははっきり出る映画だと思います。

でもなんで私はこういう映画が好きなんでしょうか。分かった振りして知的になった気でいるんでしょうか。よー説明できません自分でも。ああたらこうたら説教じみたテーマや真実に押しつぶされるよりも、訳分からんくても理屈抜きでそこに居たいという空気感を味わう方が性に合ってるんでしょうおそらくは。

11人の監督さんが各一夜づつ担当されていてしかも夢がテーマなんで、なんでもありの無差別級の様相を呈しています。時代考証やら時間枠の決め事なんのその、ほとんど無視して「夢」を追っかけてる感じです。それぞれの監督さんの自主性に拠っているので全体の統一性はなく「だからなんだ」というテーマを求めても無理でしょう。原作を読んでこの作品に臨んだ訳ではないんで「夢」自体が原作とどう異なるのかは知りませんが、もし忠実に映画化したのであれば、漱石と言う人はノストラダムス以来の偉大なる預言者ということになります。でもそんな評価聞いたことが無いのでおそらくはアイデアのみの使用で描かれている「夢」は監督さんのものだと想像してます。

個人的には後半ついてけなかったんですが、110分の作品なので長くて前半で飛ばしすぎて後半息切れしたと言うことではなく、多分自分にとって心地よくなかったって事なんでしょう。人によって好みの差はあると思います。

松尾スズキ監督の作品が良かったです。迫力・躍動感・テンポ・けれんみたっぷりの登場人物達。白黒なんですが冒頭のシーンは黒澤映画観てるみたいな躍動感でした。オチも洒落てるし、いいですねえ。ホント平和って感じで一番安心して観てられました。セリフも粋ですし。ただ、良く出来た日本昔話改って感じでどこが夢なんだという気はします。夢って見てる本人でさえ制御が効かないじゃないですか。そういう意味では作り手の全て手の内で愉しませてもらってる感じがします。

市川昆監督の作品最初白黒と気づかなくてうじきさんのアップになったところで気づいて、そんで無声映画だというのもそのうちに気づいてと、画力(えじから)にいつもながら敬服いたします。

清水崇監督の作品では、香椎由宇さんて西洋顔の筈なんですが和服が似合うんでこれは発見でした。ただ綺麗綺麗なだけじゃなく、生活感も感じられて存在感のある人なんだと認識しました。堀部圭亮さんのこういうなにか得体の知れないものと対峙してるような不安定な心理表現も好きです。

清水厚監督の作品冒頭は焼酎のCMみたいと思ったんですが、騙し画になってるとは気づかなくて古いバスなのに非常口ってアリかよとか時代考証が雑だなあと思ったんですが、話が進むにつれ確信犯だったことに気づいてはめられたあ!ってなって、そうなるとどこまで往っちゃうんだろうと思って観てました。大きい画で観たかったのでこの作品は映画館で観てみたいです。

山下敦弘監督の作品では、「どうすんの・・・うちじゃ飼えないわよ・・・」というシーンが間と言い空気感と言い自分も経験のある「イタイ話」で山下節炸裂って感じで、あと庭を隔てた路地から「鴎外せんせ~」のカタマリ具合も背中で語られてて面白かったです。が、以上です。

西川美和監督の作品は正直私には皆目見当がつきません。お百度参りはやはり男の世界じゃないのかもしれません。状況からして眺めていいようなものではないような、いづらいような。女性目線の画なのでしょうか。女性監督の作品って女性を同性として描く分ある種突き放した美化しない部分を感じるんですが、西川監督はこの作品では野郎目線があるようにも見えて男も女もいける口なんだと思いました。でもやはりいづらいです。

山口雄大監督の作品は、漫画から興して人がマンガを演じてるみたいな感じです。漫画だとグロやえげつなさとかを絵で描くから汚いと感じる部分を削ぎ落として見れるんですが、この作品ではそういう意味ではマンガの持つ利点を残しつつ人が演じる事によるリアル感がプラスされたようになっていて、面白いとは思いませんでしたが上手いなあと感じました。

実相寺昭雄監督の作品は映画のしょっぱなの作品で映画の向かう先を指し示す役割を担ってる訳ですが、漱石さんの夢の映像化というよりも作り手の創造性を追求してるんだと想いました。古い話しですがウルトラセブンを見てた時分に自分が戻ったような気になりました。なのでなんでもOKって感じで観てたんですが、セブンを知らない人にはこの気分が味わえるのかどうかはわかりません。

自分としてはモノクロの2作品が好きです。モノクロだから好きなのかたまたまモノクロだったのかは分かりませんが、吸い込まれ度はカラー総天然色よりもあったことは確かです。でも疲れたので集中力を必要とするようです。

11人で10話は?かも知れませんがアニメ作をお二人で監督されたものとしてカウントしました。間違ってたらごめんなさい。

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