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月光の囁き

1999年作品 パッケージには塩田明彦監督の衝撃のデビュー作と謳ってあります。原作は喜国雅彦さんのマンガ「月光の囁き」 出演は水橋研二さん・つぐみさん他。 エンディングに流れるスピッツの「運命の人」がはまってます。

高校生二人の愛情を確かめ合うお話し。喜国さんのマンガのテイストを考えればなるほどの登場人物達です。ぶっちゃけて言ってしまえばSの彼女とMの彼。最初はSと気づいていない彼女だったが、Mと自覚している彼と恋愛感情を持って接するうちに本来の自分に気づいていく。でもそれを認めたくない自分もいてその葛藤と開放の狭間で揺れてしまうことによって起こる行動を監督がじわじわ描いている訳です。

ただ水橋さんが演じられることによってとても人間味を帯びた感じになっているので、こうゆう二人本当に世の中に存在するかもしれないと思わせるリアル感があります。こういうのもいいかなという憧れは湧きませんけど。こういう二人を知っている友達だったらありかな。誰彼構わず言いふらせる自慢にはならないけど。ですので原作のイメージを引きずって観ないほうが良いでしょう。あくまで別物と考えて。

蓼食う虫も好き好き。

こういう関係性って他に替えがなかなか見つかるもんじゃないから強固なんだろうなと感じます。そういう意味じゃへたれな純愛ものよりもずっとこの二人の未来の普遍性を予感させてくれます。

ただやはり若さから出てくる残酷さが描かれていて、お互いを確かめ合うためにここまで道が曲がりくねるのかよと思う部分はあります。純粋だから途中で投げ出すこともなく進んでいけるんでしょうが、これが理想だけで生きてる高校生でなく、社会人としてから出会っていたらここまで辿りつけたかどうか疑問を感じます。ほんとにピンポイントでいい時に出遭ったもんだわと。そういう意味で最後に流れる「運命の人」は象徴的です。でも曲の途中でフェードアウトして、そこんところはスピッツファンとしては残念です。

映像特典で続編の話しが余韻覚めやらぬ冗談として出てましたが、現実というものに対面して生きてる大人になってからの二人はどうなってるのか見てみたい気もします。子供が生まれてからのこの関係性の変化とか。この二人なら不器用でも乗り越えていけそうで安心して観れるように思えるので。まあ他人にどんだけ迷惑かかるかは気がかりですけど。

こういうテーマだと万人に見て欲しいテレビでは流れないだろうから、これこそ映画って気はするんですがこれで飯が食っていけるかと言うと多分無理なんでしょうねえ。その後の塩田監督の作品群を観るとそう思えます。もしこれが日活ロマンポルノが元気だった時代に出てたらどうなってたんでしょう。時代がずれた感じがします。もったない。

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