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明治天皇と日露大戦争

戦争映画を大きく分類すれば三つに分ける事ができると思います。

歴史を忘れ去ることなく記録として残しておくこと。

疑似体験をすることによって戦争はなにがあっても避けるべき政治手段であると認識すること。

野郎の持つ闘争本能を刺激して精神的娯楽として存在すること。

1957年に封切られたこの作品は、娯楽としての性格を有していると思います。(勿論私は映画館で観れた年齢ではありませんのでレーザーディスクで観たのが初めてです)当時は国民の大多数が戦争の経験者であり、娯楽の対象として戦争をテーマに選ぶということは時代的にいって難色を示す人が多かったのではないでしょうか。

レーザーディスクには荻昌弘さんの解説が記載されてあって、当時の制作に至るまでの経緯の部分を読むと、とんでもないことづくしだったが分かります。しかし結果、当時入場料150円の時代に最終収入が7億円に達し、それまでの邦画最高記録となったそうです。

荻さんの文はホントに簡潔明瞭でこれを丸写ししたほうが完璧に観ていない人に伝わるんですが、私の記憶感想文だし、まあ今回はこれくらいで。

物語は、開戦までの議論から始まって日本海海戦の勝利までという陸海そして明治天皇のエピソードを交えて大きな視点で描かれています。明治天皇の御意思は和歌に託されて登場人物・映画を観てる者全てに伝えられます。「玉」と呼び権力行使の為の旗印としていた人達が治の初期で姿を消していったとはいえ、この頃にはもう万民誰しもか敬まわれた明治天皇。嵐寛寿郎さんが演じられてる訳ですが、風格か威厳とか感じるのですが、なんとなく違和感をおぼえます。明治天の映像を見たことはないのです昭和天皇のお姿を映像で拝視させて頂いた経験値を基にすると、天皇とは役者さんが演じる領域ではない思いました。もうオーラの違いとしか言いようがないですね。

他の役では、丹波哲郎さんが若いです。やはり若い頃から独特の存感があった訳でなく、後年のあの存在感は、年輪を重ねる事によっわれたものだと分かります。

話しの展開はサクサク進むのですが、やはり今の感覚だと何事においも予定調和のように粛々と進む様で、ドラマとしての波乱万丈感はいです。ただ、「敵艦見ゆとの報に接し聯合艦隊は直ちに出撃此れ滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し。」の電報文を読み上げるシーン・出撃のシーンと共に鳴る軍艦マーチには心踊ります。

戦闘シーンについては、陸戦では血も噴出さないし手足も千切れません。全て人力の極めて形式美に則ったものです。海戦の主役は艦船であり勿論特撮ですがやはり昭和30年代の技術の範疇で目立つものではありません。

今の時代日露戦争を知るには、司馬遼太郎さんの著書「坂の上の雲」でより深く詳しく知ることができますが、昭和43年から連載されたものであり昭和32年の時点においては比較するもののない唯一の絵巻だったのでしょう。その時代に必要とされた作品であり、今はもうその役目を終えた作品でしょう。ただし嵐寛ファンにとっては、非常に重要な作品として観といた方が絶対いいと思います。

旅順攻撃なら「二百三高地」(1980年作品)日本海海戦なら「日本海大海戦」(1969年作品)か「海ゆかば」1983年作品のほうが私的にはお勧めです。ちなみに「二百三高地」・「海ゆかば」は舛田利雄監督「日本海大海戦」は丸山誠治監督です。

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