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かきのたね

2006年に綾瀬はるかさんのCD「交差点days」のカップリングで発表されたショートフィルムです。伊藤由美子さんが脚本・監督・編集されてます。ポカリのCMがなんとなく好きで、そのコンビによる作品と言う事で興味がありました。綾瀬さんのお芝居のイメージというと、肩に力が入っていて、舞台のお芝居をみてるような「表現者」というイメージだ感じてるんですが、前作「たべるきしない」もそうですがこの作品でも「表現者」ではく「存在者」、伝えるのではなく伝わる(滲む)イメージ見せてくれます。前作の方がお金が掛かってるような気はするんです、素材を楽しんでるというか探ってるというか、まだなんか中途半端な感じがして「かきのたね」の方が作品としては好きです。監督と役者さんがお互いが分り合ってる感覚が伝わってきて、こういう信頼感が映ってる画が好きんです。それと綾瀬さんは一人称の作品が合ってる感じがするんですけど。

この作品では綾瀬さんは三つの顔を見せてくれます。赤面症のときのいつものTVのドラマで見せてくれる顔。中でも面接のシーンは絶品です。セリフなしできちんと伝わってきます。もじもじとして内面に引き篭もろうとするだけならよく見かける演技ですが、なんとか伝えたいと目でようとしたけど、途中で挫折してしまう攻守の切り替えが決まってす。織田裕二さんの寝起きのお芝居ぐらい他に真似できない演技だ思います。

農園にいるときの肩に力の入っていない一人の世界にいる時の顔。これもセリフなしで音楽と映像だけで見せてくれます。ダレずに見れるのは只単に歩いたり寝っ転がったりのスナップではなくきちんと演技をしているからなんでしょう。「かきこ」の感じてる時間の流れを共有してる感覚にさせてくれます。

頭の中の「こうなりたい私」の時の顔、郵便配達の人との会話のシーンなんですが、学芸会のようなわざとらしいくらいのお芝居が非現実性を表現しているのでしょう。この物言いや仕草は芸能人「綾瀬はるか」が見せる大人の顔とイコールなのでしょうか。変に違和感がありません。

短い作品ですので、長編とまでいかずとも、60分くらいの作品で見てみたいです。

気になる点を言えば、綺麗とこどり(撮り)すぎてあれだけ自然に近い環境なのに虫の姿がみえない(せみの声はしますけど)ところ。

兄さらの甲州弁が飛び交う中で一人共通語を駆使する「かきこ」。といったところが気になりました。

楽曲のためのプロモーションビデオの枠の範囲内という制約がそうさせているのでしょうが、ストーリーを楽しむのではなく空間や空気感、そこで流れている時間の流れを映像として眺めることが楽しいのはまさしく映画の世界。私みたいな、ショートフィルム目当てでCDがおまけだと思ってる本末転倒の思いを制作者側が気に留める筈もないんですが、あと5・6作作ってオムニバスとしてか、ちゃんと一本の劇場用として公開若しくはDVDで発表して欲しいものです。

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